ものづくり補助金平成25年度サービス業(他に分類されないもの)大阪府

造船業向け レトロフィット業務支援サービス

株式会社空間情報

この事例のポイント

  • 船内の配管や機器の状況を把握するため、現場に出向いて図面を確認しながら調査する必要があり、手間とコストがかかっていた。
  • 3次元レーザースキャナーで船内の配管や機器を計測し、取得した点群データを設計に使える3Dモデルに変換して提供する体制を整えた。
  • 2種類の3Dスキャナーを同時に使うことで計測作業時間が短くなり、作業員の負担が軽減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社空間情報
所在地大阪府 大阪市
業種その他の事業サービス業
従業員数10人
資本金1,300万円
設立2011年

事業の背景

大学発ベンチャーで3Dモデリング事業をしていた髙橋孝明社長が、平成23年に独立して会社を設立した。バラスト水処理装置の設置義務化により船舶の改造工事需要が生まれ、ここ1年ほどは造船会社からの受注が増えている。一方、日本の造船業では建造経験の豊富な熟練工が不足し、中国や韓国などの海外勢との競争が激しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算船内の配管や機器の状況を把握するため、現場に出向いて図面を確認しながら調査する必要があり、手間とコストがかかっていた。
  • 人手・技能現場での調査や設計用図面の作成に多くの手間がかかり、作業員の負担が大きかった。

やったこと

3次元レーザースキャナーで船内の配管や機器を計測し、取得した点群データを設計に使える3Dモデルに変換して提供する体制を整えた。補助事業で2種類の3Dスキャナーを購入し、同時に使うことで計測作業を短時間で完了できるようにした。これにより作業員の負担を減らし、計測の精度も高めた。造船会社のほか海運会社や装置メーカーの工事管理まで一連の業務を引き受ける支援体制を整えた。

検査測定3次元レーザースキャナー(2種類)

新しい製品・サービス:造船業向けの3Dレーザー計測・モデリングによる設計支援サービス

事業の効果

2種類の3Dスキャナーを同時に使うことで計測作業時間が短くなり、作業員の負担が軽減された。計測の精度も高められた。現場に出向かず仮想空間で配管や機器を検証できるため、設計業務のスピードが上がり、顧客にとってコスト低減の効果もある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成23年設立の会社が、平成26年頃から造船向け計測・設計支援を始め、5隻程度を手がけた実績が事例に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    バラスト水処理装置の設置義務化で改造需要が5年以上続く見込みと、熟練工不足や海外勢との競争激化という外部環境が具体的に述べられている。

  • 課題の認識と解決5

    熟練工不足と海外競争という課題に対し、年1億円売上や年100隻対応という数字を伴う事業計画が示されている。

事業の実現可能性72%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年1億円の売上目標と、1件100万円で年100隻の支援という数値目標が書かれている。賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制4

    従業員10名の体制に加え、サービス人員を30名に増やす計画や協力会社の教育、提携先との連携が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    造船会社からの受注増と、計測時間の短縮やコスト低減といった顧客にとっての効果が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    人材育成と30名への増員が将来像として書かれているが、中長期の検証方法や段階ごとの日程は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金13,000千円という数字のみで、補助事業を遂行するための財務状況や資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dスキャナーによる造船向け設計支援は書かれているが、分野の普及度や高付加価値化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    国土交通省のi-Constructionへの対応や耐震補強への応用は書かれているが、雇用創出や波及効果の規模は示されていない。

  • 費用対効果3

    補助事業で2種類の3Dスキャナーを購入し計測時間を短縮したと書かれているが、補助金額に対する付加価値の増加は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dスキャナーとモデリング、VRによる仮想空間での検証、3D流体解析を組み合わせ、現場に出向かない設計手法を示している。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    造船業の競争力強化への寄与と、プラントや建設分野への適用拡大が書かれており、産業構造の変化への言及がある。

  • 地域経済への波及2

    大阪市の所在地が書かれているのみで、地域特性を活かした雇用創出や地域経済への効果は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

バラスト水処理装置の設置義務化による船舶改造需要は5年以上続くと見込んでいる。年間100隻の船舶に関する支援と年1億円の売り上げを目指し、将来的には人員を30名に増やしたい考えだ。

事業者の声

日本の造船業の競争力を高めたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。