ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

リユースびん容器検査装置の全方向カメラ処理化

株式会社いかるが牛乳

この事例のポイント

  • 従来の割れびん検査装置は上下の2カメラで飲み口や底を検査していたが、側面の擦り傷などには対応できていなかった。
  • 全方向カメラ式検査装置を導入し、情報処理と測定計測の技術を組み合わせて、これまで検査できなかった側面を含むすべての面を自動で検査できるようにした。
  • 検査装置の導入後は異常びんの苦情が大幅に減少した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社いかるが牛乳
所在地大阪府 大阪市住之江区
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野情報処理,測定計測
従業員数106人
資本金9,200万円

事業の背景

株式会社いかるが牛乳は、大阪市内の小中学校の学校給食に牛乳びんを50年以上提供し続けている。学校給食用のびん容器牛乳を大阪市内で製造する業者は年々減少し、現在は同社を含め3社しかない。一方で、同社は特定保健用食品のいかるがヨーグルトBB-12が収益の柱に成長している。宅配事業は牛乳販売店の店主の高齢化などにより縮小傾向にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の割れびん検査装置は上下の2カメラで飲み口や底を検査していたが、側面の擦り傷などには対応できていなかった。
  • 人手・技能従来の検査機は調整や操作に専門的な知識が必要で、限られた人しか操作できなかった。
  • コスト・採算目視による検査に人手がかかっており、人件費の負担が大きかった。

やったこと

全方向カメラ式検査装置を導入し、情報処理と測定計測の技術を組み合わせて、これまで検査できなかった側面を含むすべての面を自動で検査できるようにした。従来は上下の2カメラで1時間当たり平均15,000本のペースで検査していた。新しい検査機はパソコン上で操作でき、誰でも簡単に状態を確認できるようにした。検査した回収びんの画像データを収集し、難しかったびんの各部位や傷の種類などの検出を細やかに設定できるようにした。

検査測定全方向カメラ式検査装置

新しい製品・サービス:Iキャップ

事業の効果

検査装置の導入後は異常びんの苦情が大幅に減少した。目視による検査人数を減らせたため人件費の削減にもつながった。側面や斜め方向からの検査が可能になり精度が向上し、側面の傷からびんの使用限界時期を知って交換タイミングを適切に調整できるようになった。操作が簡単になり、迅速な改善にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に割れびん検査装置を導入し、学校給食用びん牛乳を50年以上供給している点は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    学校給食用びん牛乳の供給は同社を含め3社しかないと書かれ、競争環境の一端はうかがえるが、強みを活かした優位性の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    側面の擦り傷に対応できない課題を認識し、全方向カメラ式検査装置で解決する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    検出もれによる形状異常の苦情を3分の1に減らすという目標値が示されており、目標の具体性がある。

  • 事業を進める体制2

    従業員106名や改善を進める姿勢は書かれているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    学校給食用リユースびんの安全性への不安を取り除くという顧客ニーズと、検査強化で品質が向上する理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    画像データ収集と基準びんの収集を続けて検出精度を高めるという方法は示されているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    リユースびん容器は現時点で唯一の容器とあり、希少性はうかがえるが、高付加価値化の水準を示す数字は書かれていない。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用4

    包装容器の廃棄抑制、環境負荷低減、循環社会形成のために推進すべき容器だと公益性が具体的に述べられている。

  • 費用対効果4

    1時間当たり平均15,000本の検査ペースや苦情の大幅減少、人件費削減が書かれ、効果の大きさがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    画像データ収集やパソコン上での操作による検査は情報処理技術の活用だが、地域やサプライチェーンへの波及は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    発酵乳製品の売上好調や環境負荷軽減への言及はあるが、日本経済の構造転換に資する記述は読み取りにくい。

  • 地域経済への波及3

    大阪市内中心の学校給食への供給という地域性は示されているが、地域経済の牽引効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

発酵乳製品の売上が好調に推移するなか、検査装置の導入を機に品質管理を強化する。宅配事業では製品のリニューアルや設備投資を積極的に進めて巻き返しを図りたいとしている。検出もれで発生する形状異常の苦情を3分の1に減らすことを目標にしている。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。