ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

3次元加飾成形時の成形不良原因解析による良品率の向上

布施真空株式会社

成果分析装置の導入により原因の80、90%が分かるようになった

この事例のポイント

  • 一瞬で進む真空成形の加工中の現象が見えず、不具合の原因が材料と加工のどちらにあるのか特定しにくかった。
  • 独自技術のTOMを高度化するため、ハイスピードカメラとマイクロスコープを導入した。
  • 分析装置の導入により原因の80、90%が分かるようになった。分析装置により内部で起きている現象を見られるようになり、不具合の原因を材料か加工かで切り分けられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名布施真空株式会社
所在地大阪府 羽曳野市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工
従業員数67人
資本金8,000万円

事業の背景

プラスチックの真空成形分野で機械装置の製造・販売と受託加工を手がけ、売り上げは機械販売が約70%、受託加工が約30%を占める。平成10年に開発したTOM工法は海外を含め累計約300台を販売し、フィルム、接着剤などの関連業界の大手メーカーなど約230社と連携している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力一瞬で進む真空成形の加工中の現象が見えず、不具合の原因が材料と加工のどちらにあるのか特定しにくかった。
  • 品質・精度微細な気泡などの不具合が見つかっても、経験とコツに頼るしかなく、良品の生産条件を出すのに手間がかかっていた。

やったこと

独自技術のTOMを高度化するため、ハイスピードカメラとマイクロスコープを導入した。ハイスピードカメラは真空成形装置の内部に搭載し、加工時の様子をモニター画面で観察できるようにした。マイクロスコープでは加工前後のフィルム表面や気泡の原因のガスを微細に分析できるようにした。補助金500万円をあて、総額約800万円を投じた。

検査測定ハイスピードカメラ
検査測定マイクロスコープ

新しい製品・サービス:TOM工法(3次元表面加飾工法)の高度化と、加飾から被覆への展開

事業の効果

  • 分析装置の導入により原因の80、90%が分かるようになった

分析装置により内部で起きている現象を見られるようになり、不具合の原因を材料か加工かで切り分けられるようになった。原因の80、90%が分かるようになり、治具の工夫や温度条件の見直しで良品生産に役立っている。外部試験測定も積極的に使い、TOM品質評価の体制が整ったことでユーザーの評価も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成10年開発のTOM工法を18年継続し、過去に内製治具用の工作機械も補助金で導入しており、事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    TOM装置は累計約300台、協業先約230社と数字で示され、オープンイノベーションで優位性を保つ戦略が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    不具合の原因特定が難しいという課題を認識し、分析装置導入で原因の80〜90%が分かるようになったと具体的な改善が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの数値目標は書かれていない。TOM関連売上が全社の60%程度という現状の数字がうかがえるのみ。

  • 事業を進める体制4

    従業員67名、新卒技術者の定期採用、外部機関による試験測定の活用など、遂行体制が具体的に読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    従来樹脂封止より低コストで高い防水効果が得られる点や、環境負荷が少ない点など、顧客に選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    加飾から被覆分野への展開を目指す方針は示されているが、スケジュールや課題解決の方法までは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    TOMは新工法として注目されたが、被覆分野の展開も途上と書かれており、高水準の高価格化を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    大手フィルム・接着剤メーカーなど約230社との連携による産業界への広がりが述べられ、波及効果の一端がうかがえる。

  • 費用対効果3

    補助金500万円に対し総額約800万円を投じたとあるが、付加価値額や生産性向上の数値効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    ハイスピードカメラやマイクロスコープによる加工現場の分析と、外部連携による供給網を含むオープンイノベーションが具体的に示されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    電子基板の防水被覆など新分野への提案が進められ、環境負荷の少なさも示されており、成長分野への展開がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    羽曳野市に立地する記述はあるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する内容は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

TOMを被覆という広い分野へ展開し、電子基板の防水被覆などで提案を進める。オープンイノベーションの連携を回し続けて優位性を保ち、新卒技術者の定期採用も進めて開発型企業としての成長を目指す。

  • 目標:TOM関連の売り上げが全社の60%程度を占めるまでに育ってきた

事業者の声

塗装があらゆる産業で使われているように、TOMも基盤技術として、当社が気づいていない新たな使い方が色々と出てくるはず

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。