ものづくり補助金平成25年度医療、福祉大阪府

保育士の成長を促進させる RICシステム の開発と販売

株式会社パワフルケア

この事例のポイント

  • 保育の質は保育士個人の力量に大きく左右されるため、保育の質を上げるには保育士の質の向上が不可欠だった。
  • 子どもを見て気付き(Realize)、感動(Impression)、チャレンジ(Challenge)を発見して記録する仕組みを、保育士を育成するツールとしても活用することにし、保…
  • RIC発見記録を継続することで課題解決につながり、自己成長につながるという一定の効果が確認された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社パワフルケア
所在地大阪府 高槻市
業種社会保険・社会福祉・介護事業
従業員数35人
資本金1,000万円

事業の背景

同社は病院内保育の運営受託、保育士派遣、ベビーシッターサービスなど保育に関する事業を幅広く行い、直営の保育園は2件、受託・派遣先は約30件にのぼる。近年、保育園は保育士の確保に重点を置いている。同社は保育の質で勝負する方針で、RICを親との情報共有ツールとして使ってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能保育の質は保育士個人の力量に大きく左右されるため、保育の質を上げるには保育士の質の向上が不可欠だった。
  • その他保育は能力の指標がわかりづらく、保育士の能力を数値として示す方法がなかった。

やったこと

子どもを見て気付き(Realize)、感動(Impression)、チャレンジ(Challenge)を発見して記録する仕組みを、保育士を育成するツールとしても活用することにし、保育士を育成するソフト「Do RIC」を開発した。保育士は、アプリに事前登録した園児ごとの項目にRICポイントを入力し、RICアドバイザーが前月と比較して進歩具合を評価する。評価では、状況記述力、状況洞察力、心的状況の推測力、課題発見力、目標設定力、将来想像力の6つの能力に分けて、保育士の現段階のレベルを数値化する。この効果については同志社大学心理学部内山研究室に学術的な検証を委託した。

ソフト「Do RIC」(保育士育成ソフト・アプリ)

新しい製品・サービス:保育士を育成するソフト「Do RIC」

事業の効果

RIC発見記録を継続することで課題解決につながり、自己成長につながるという一定の効果が確認された。同志社大学の検証では、RICには保育士の意識向上と自己成長につながる効果があり、「保育士としての資質」が向上することが実証された。保育士は自分に不足する能力を知り、過去の評価数値も振り返れるため、保育士の目標意識と保育の品質向上につながり、保育園の活性化にもつながるとされる。また、同システムを導入した保育園は高品質な保育を提供する園として入園希望者や保育士の勤務希望者の増加が見込める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    保護者との情報共有ツールだったRICを、保育士育成ソフト「Do RIC」へ発展させた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    「保育の質で勝負する」方針と直営2件・受託派遣約30件の実績が書かれ、他社との違いとしてオンリーワン技術が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    保育士の質の向上が不可欠との課題認識があり、手書き記録をアプリ化して負担を減らす解決策が具体的に示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    平成31年にRIC関連サービスで3,096万円の売上を目指すとの数値目標はあるが、付加価値額や賃上げの目標や実現根拠は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員35名、同志社大学心理学部内山研究室への検証委託が書かれ、一定の体制は読み取れるが、事業遂行の人材配置は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    保育士の成長を数値化するアプリの価値と、入園希望者や保育士勤務希望者の増加が見込めるという顧客ターゲットが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    平成29年に北摂エリア5件への販売、平成31年に売上目標と段階的な計画があり、評価の自動化と標準化も今後の課題として示されている。

  • 財務と資金の調達2

    資本金10,000千円と従業員35名のみ記載があり、資金調達の見通しや財務状況は公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    保育士の能力を6つの項目に分け数値化する点は、保育業界で一般的でない新しい評価手法として説明されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    保育の質向上や保育士の確保に触れるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    保育士の負担軽減や成長の実感は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    アプリで保育士の能力を自動的に数値化し標準化する構想があり、デジタル技術による保育業界への貢献が示されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    保育士の成長度を数値化し保育所を選ぶ新たな基準とする構想はあるが、市場成長や構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    大阪府北摂エリアの高槻・茨木・吹田・摂津市の保育園5件への販売目標があり、地域での展開が具体的に示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後もRIC効果に対する検証を継続する。保育士の成長度の数値化をソフトウエアで自動的に行い、標準化することを目標とする。将来は保育所を選ぶ基準として保育園を偏差値のように数値化したいとしている。平成29年度には北摂エリアの保育園5件への販売を目標とし、平成31年にはRIC関連サービスで3,096万円の売り上げを目指す。

事業者の声

「保育の質で勝負している。子どもの成長の瞬間を保護者に伝えることで、普段は忙しくて子どもの世話があまりできない保護者を、RICを通じて元気づけられたら」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。