ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

照明設備の薄肉・透明成形品の拡散資材を活用した成形技術の向上と自動化の実施

有限会社エーエス

成果LED用ホルダーの1日あたり成形数 5,080セット→5,760セット

この事例のポイント

  • 老朽化した油圧式の射出成形機が9台あり、更新が必要だった。
  • 55tと85tの加圧能力を持つ電動射出成形機を2台導入し、老朽化した油圧式成形機2台を廃棄した。
  • LED用ホルダーの1日あたり成形数 5,080セット→5,760セット。電動成形機による薄肉部品の品質安定化と、ゲートカットロボットによる自動化で、短いサイクルでの成形が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社エーエス
所在地大阪府 東大阪市
業種プラスチック製品製造業
技術分野立体造形
従業員数14人
資本金300万円

事業の背景

照明ソケットの受け具部品を手がける同社は、資本関係はないが社長同士が兄弟の関係にある(株)東和化成工業所に全量を供給し、事実上のグループ企業として経営している。東日本大震災を契機に照明のLED化が進み、ランプ受け具部品の需要が減ったため、LED組み付け用ホルダーの提案営業に活路を求めた。同社は射出成形機を14台(油圧式9台、電動式5台)保有していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力老朽化した油圧式の射出成形機が9台あり、更新が必要だった。
  • 品質・精度LED化によりプラスチック部品が薄肉化し、品質の要求精度が高まっていた。
  • 品質・精度成形部品の切り離しを作業者が手作業でニッパを使って行っていたため、カット部分にばらつきが生じ不良の原因となっていた。
  • 生産能力手作業の切り離しに能力の制約があり、成形サイクルを短くしてスピードアップできなかった。

やったこと

55tと85tの加圧能力を持つ電動射出成形機を2台導入し、老朽化した油圧式成形機2台を廃棄した。新たな2台の電動射出成形機には、ゲートカットロボットをセットで組み付けた。電動成形機では成形の速度や圧力の条件を多段に制御し、薄肉部品の良品率を高めた。ゲートカットロボットにより成形部品の切り離しを自動化し、短いサイクルで成形できるようにした。

加工機電動射出成形機(55t・85t加圧能力)
ロボットゲートカットロボット

事業の効果

  • LED用ホルダーの1日あたり成形数 5,080セット→5,760セット
  • 売上高の押し上げ効果 950万円→1,200万円

電動成形機による薄肉部品の品質安定化と、ゲートカットロボットによる自動化で、短いサイクルでの成形が可能になった。LED用ホルダーの生産量が増えたほか、全般的な品質管理の取り組みによりクレーム件数は月10件程度から数件に減った。売上高の押し上げ効果は5年目に1,200万円を見込み、設備投資と売上増に伴い成形と組立の雇用人員を増やして地域に貢献する考えである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に射出成形機を電動化し、LED化による部品薄肉化に対応してきた流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    LED化で部品が薄肉・透明化し高精度が求められる市場変化と、小回りを利かせた体制を武器にシェア獲得を目指す点が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手作業カットによるばらつきと成形サイクルの制約を課題として認識し、ゲートカットロボットで自動化する計画が具体的に示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    油圧から電動へ更新後、LED用ホルダーの1日生産が5,080から5,760セットへ約13%増、5年目に売上5,450万円・利益率15%目標と数字で示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員14名で射出成形機14台を運用し品質管理の取り組みも記されるが、補助事業の遂行体制について具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    薄肉・高精度のLED用プラスチック部品を対象とし、小ロット・多品種・短納期に対応する点と顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    設備導入後の段階的な売上増の見込みや雇用増の方針は示されるが、中長期の遂行方法やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    LED用ホルダーの薄肉・高精度部品で、PBT樹脂を用いガラスや金属からのシフトが期待される分野での高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    照明器具の製造業としての雇用増や地域貢献の意向は示されるが、波及効果の規模は具体的に示されていない。

  • 費用対効果4

    投資に対し売上押し上げ効果が1年目950万円から5年目に1,200万円と見込まれ、不良率やクレーム件数も数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    電動成形機とゲートカットロボットの導入は見えるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明確ではない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    LED化に伴うプラスチック部品へのシフトという市場変化への対応はうかがえるが、日本経済の構造転換との関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    大阪府東大阪市の中小製造業として地域雇用を増やす方針が書かれているが、地域特性を活かした説明は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製造会社としての実力を着実に底上げし、効率アップと品質安定化を主眼に現場改善を続ける。その成果を納入先の東和化成工業所の現場にも横展開し、全体の競争力向上に貢献する。LED光源周りの部品を中心に、小回りを利かせた体制で付加価値の高い受注を狙う。

事業者の声

「この製造の別会社を経営することで、ものづくりの改善の箇所などが見えやすい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。