ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

最新型ワイヤ加工機導入で金型の加工精度を上げ、コスト削減による競争力強化と販路拡大

浅井金型株式会社

この事例のポイント

  • 保有していた加工機は加工可能なサイズが小さく、工具では削れない細かな形状や特殊な加工、素材によってはワイヤー放電加工機が必要な仕事に十分対応しきれなかった。
  • 三菱電機製の高精度金型ワイヤー放電加工機「MV1200R」を導入した。
  • ワイヤー放電加工機の刷新により、夜間も止まらず加工できる体制が整い、加工スケジュールが完遂しやすくなった。

事業者のプロフィール

事業者名浅井金型株式会社
所在地大阪府 羽曳野市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1987年

事業の背景

樹脂分野で、デザインから金型、成形を一貫して手がけるメーカーである。昭和62年の創業時は金型のみだったが、業界特有のムダを省くために成形機の導入に踏み切り、現在は型締力の異なる3台の成形機を保有して小ロット生産に対応している。1ロット1,000個ぐらいのプラスチック部品で、通常の金型より最大50%の費用と7日以上の納期短縮を実現できる強みがある。中小企業の多くはデザイナーやデザイン事務所との接点が少なく、依頼する資金も乏しいという状況があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力保有していた加工機は加工可能なサイズが小さく、工具では削れない細かな形状や特殊な加工、素材によってはワイヤー放電加工機が必要な仕事に十分対応しきれなかった。
  • 納期・工程従来のワイヤー放電加工機は自動結線に失敗することがあり、加工が終わらず朝から慌てることもあった。
  • 納期・工程少数精鋭で金型を短納期で納めるため、スケジュールの狂いが許されない状況だった。
  • 生産能力正確なスケジューリングが難しく、より多くの受注をこなしきれず、新規顧客の開拓も進めにくかった。
  • 品質・精度金型加工に必要な切削とワイヤー加工の両方で、精度と効率を高める必要があった。

やったこと

三菱電機製の高精度金型ワイヤー放電加工機「MV1200R」を導入した。従来の機械より少ない加工回数で高精度な仕上げができ、精度は飛躍的に向上した。1つ目の形状を加工した後、電極のワイヤー線を切断して次の加工位置へ移動し、上下のワイヤー線を繋ぐ自動結線機能によって再び加工を進める仕組みである。夜止まらずに加工できるよう24時間稼働体制を整備した。平成24年度と平成25年度の設備拡充によって、金型加工に必要な切削とワイヤー加工の2つの軸が高精度かつ高効率になった。

加工機三菱電機製 高精度金型ワイヤー放電加工機「MV1200R」

新しい製品・サービス:消費者向けノコギリ「Utiles~Handy Saw~」の金型と成形、緩すぎず固すぎずの嵌合形状で髪を巻く「ブラックカーラー」の精密金型

事業の効果

ワイヤー放電加工機の刷新により、夜間も止まらず加工できる体制が整い、加工スケジュールが完遂しやすくなった。精度と効率が向上し、より多くの受注に対応できるようになったため、新規顧客の開拓も進められるようになった。正確なスケジューリングによって労働環境もさらに良くなる見通しである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業時の金型事業から成形機導入、ワイヤー放電加工機の再投資と、過去の補助金活用の流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    中国金型メーカーとの提携や最大50%の費用・7日以上の納期短縮など強みは示されるが、市場動向との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    少数精鋭で短納期対応が課題とされ、自動結線機能で夜間稼働や失敗ゼロにより受注増と新規顧客開拓につながった点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    24時間稼働体制や受注対応の改善は書かれるが、付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員6名の少数精鋭で、スケジュール管理を正確に行う体制が示されるが、人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    デザインから金型、成形までの一貫生産と1ロット1,000個でのコストメリットなど、顧客と価値の関係が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    CAD/CAM刷新やデザイン事業活性化の今後の計画は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しくない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    樹脂金型の一貫生産やチェンジシステム金型に定評があると書かれるが、普及度や高価格化の水準は明示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    デザイン人材の活用や若年層の雇用に触れるが、地域経済波及や国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれておらず、受注増や新規顧客開拓の記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    産学連携によるデザインサポートや大学生の開発参加など、新しい取り組みは示されるがイノベーションの波及は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    デザイン事業の活性化や一貫生産は書かれるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    大阪府羽曳野市の地域企業として、ものづくりの若年層確保に取り組む点は読み取れるが、地域経済への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

デザイン事業の活性化を目指し、産学連携によるデザインサポートを進めている。若年層の活用も課題として、ワークライフバランスを考慮した働き方を進め、目指すは1日8時間労働と完全週休2日とする。今後はCAD/CAMも刷新し、ハードとソフトの両方を新しくすることでさらなる活性化を図る。

事業者の声

「魅力あるものづくりにはデザインが欠かせない」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。