ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

建設業界の従事者の高齢化に伴い、バケット等の建設機器動力をEV化開発と推進

株式会社エヌシーオート

この事例のポイント

  • 建設業界では東日本大震災後の復興事業や東京五輪・パラリンピック、高速道路の老朽化、耐震化に伴う旺盛な工事需要により、作業従事者の担い手不足が深刻化している。
  • 建設現場で使われるバケットなどの作業装置をEVの技術で改良し、新たな機器の開発に着手した。
  • 排ガスや騒音が発生せず静音性が高いEVのクローラー型建設用機器により、建設現場で高齢の作業従事者の負担を軽減し、人材不足の緩和に寄与する。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エヌシーオート
所在地大阪府 豊中市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野機械制御,製造環境
従業員数12人
資本金1,000万円

事業の背景

自動車の板金や塗装、車検対応や整備からスタートし、新車や中古車の販売、リース、レンタカーへと事業を広げ、自動車に関する技術やノウハウを蓄積してきた。環境管理の国際規格ISO14001を取得し、環境負荷低減の活動にも力を入れている。建設業界では東日本大震災後の復興事業や東京五輪・パラリンピック、高速道路の老朽化、耐震化による工事需要が重なり、担い手不足が深刻化していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能建設業界では東日本大震災後の復興事業や東京五輪・パラリンピック、高速道路の老朽化、耐震化に伴う旺盛な工事需要により、作業従事者の担い手不足が深刻化している。
  • 人手・技能高度な建築技術を持ったベテランの作業者が高齢化しており、その作業負担の軽減が大きな課題となっている。
  • 新製品・新技術建設現場で使われているバケットなどの作業装置はエンジン駆動で排ガスや騒音が発生するため、室内など従来は適用に支障があった場所では使えなかった。

やったこと

建設現場で使われるバケットなどの作業装置をEVの技術で改良し、新たな機器の開発に着手した。大阪府立大学の技術指導のもと、整備業者らと設立したEV事業会社などの協力を得て、現場での実証を重ねたうえで試作品を製作した。駆動装置や効率的なバッテリーシステムの構築、モーターとの組み合わせによる機器の最適化を進め、小型化や軽量化、低価格化を目指した。建設現場の規模や用途、重量物の積載量に合わせ、積載重量800kgの大型、500kgの中型、300kgの小型の3種類のクローラー型バケットを完成させた。大型は大規模な現場で乗車して運転でき、中型は荷物の搭載部が左右に回転して狭い通路でも使え、小型は人を運ぶエレベーターに載せて移動できる。

その他クローラー型EV建設用機器(大型・中型・小型のクローラー型バケット)

新しい製品・サービス:建設・農業兼用のクローラー型EV(大型・中型・小型の3種類)

事業の効果

排ガスや騒音が発生せず静音性が高いEVのクローラー型建設用機器により、建設現場で高齢の作業従事者の負担を軽減し、人材不足の緩和に寄与する。これまで使えなかった室内などの場所でも利用できるようになる。農業や林業の従事者にも用途を広げる見込みで、高齢者の就業年数の延長や体力の維持にもつながる。健康維持により国の医療費抑制にも貢献できると考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車整備からEV開発へ事業領域を広げた経緯が書かれ、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    建設業の人手不足や高齢化を背景に、排ガス・騒音のないEVクローラーで差別化する方針が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    建設・農業の人手不足と高齢作業者の負担という課題に対し、3種類のクローラー型バケットで解決を図る計画が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値の創出や賃上げにつながる数値目標は示されておらず、目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    大阪府立大学の技術指導や整備業者との共同試作、実証を重ねた点は読み取れるが、人材や事務処理体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    建設現場の作業ニーズに合わせ大型800kg・中型500kg・小型300kgを用意し、狭い現場や搬送用途への適合が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    量産化技術の確立や展示会出展、販路開拓の方針は書かれているが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    建設現場で使われるクローラー型EVは普及が限られる分野で、従来型との違いを明確に打ち出すと書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    高齢者の就業延長や国の医療費抑制に貢献すると述べられ、国が補助する理由の一端は読み取れるが数値は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    EV技術による作業負担軽減やエンジン音のない静音化が書かれ、デジタル技術の活用は読み取れるが波及効果の具体は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    建設・農業・林業への用途展開は書かれているが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    大阪府内の整備会社や約4,000社の協力体制を生かす方針が書かれ、地域の業界活性化への言及はある。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

当初想定していた建設関連にとどまらず、農業や林業などへ用途を広げ、展示会への出展や商品パンフレットの作成で販路を開拓する。クローラー型EVを事業拡大の切り札となる主力商品に育てる戦略を描いている。

事業者の声

建設機器のEV化で複雑な操作を不要にして作業従事者をアシストし、高齢者が長くいきいきと働けるようにしたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。