ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

金属とプラスチックのユニット化による暴風雨・暴風雪に優れた建築用換気材製品の開発と展開

株式会社眞田化鋼

この事例のポイント

  • 住宅市場は少子高齢化の進展で縮小が避けられず、消費税率が10%に上がれば需要が大きく落ち込むと業界では懸念されていた。
  • 補助金を活用し、最新のハイブリッド型射出成形機を導入した。
  • 最新の成形機の導入により、新商品の製造精度が確保でき、新しい換気孔を安定して生産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社眞田化鋼
所在地大阪府 大阪市
業種プラスチック製品製造業
技術分野材料製造プロセス,製造環境
従業員数8人
資本金1,000万円

事業の背景

創業64年の住宅用プラスチック製品メーカーで、建築金物を出発点としている。売り上げの40〜50%を住宅用換気孔が占め、建築金物資材や家具金物用部材なども扱う。木枠向けの部品は現在リフォーム用途に限られ、戸建て住宅では強制換気の採用が進み、自然換気用の通気孔が残るのみとなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑住宅市場は少子高齢化の進展で縮小が避けられず、消費税率が10%に上がれば需要が大きく落ち込むと業界では懸念されていた。
  • 生産能力雨水を入れない構造の換気孔を作るには現有の樹脂成形機では精度が不足し、新しい金型製作と成形機更新を同時に行うのは町工場にはリスクが高すぎた。
  • コスト・採算関西電力管内で電気料金が高止まりし、樹脂成形にかかる電気代の負担が大きかった。
  • 人手・技能取り出し作業が手作業で、高齢化が進む工場では負担が大きく、設備の稼働状況も改善の余地があった。
  • 販路・情報発信営業力は手薄で、付き合いのある商社などを通じて細々と販路を広げてきたため、全国の顧客に知名度を上げる必要があった。

やったこと

補助金を活用し、最新のハイブリッド型射出成形機を導入した。雨水の浸入を防ぐ構造を作るため、新しい金型を製作して成形精度を高めた。雨風に当たるフード部を金属製にする構想は適当な部品の提供業者が見つからず断念し、オールプラスチックで実現することにした。カバーには通常のABS樹脂ではなく、耐光性と耐候性にすぐれたASA樹脂を採用し、暴風雨や暴風雪にも耐える換気孔に仕上げた。

加工機ハイブリッド型射出成形機

新しい製品・サービス:雨にも強い、風にも強い住宅用換気孔(オールプラスチック製)

事業の効果

最新の成形機の導入により、新商品の製造精度が確保でき、新しい換気孔を安定して生産できるようになった。樹脂成形にかかる電気代を20%以上削減でき、補助事業と同時に導入した中古の取り出しロボットと合わせて、従来手作業だった工程の自動化と設備の稼働状況の改善も進んだ。高齢化が進む工場でも大きな戦力になっている。デザインやアイデアの評判は良く、暴風に悩む沖縄地域での試験採用も決まり、新たな取引につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業64年の住宅用換気孔メーカーで、売上の40〜50%を占める主力製品を軸に事業を展開していると読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    住宅市場の縮小や強制換気の普及に触れ、「ちょうどいい」商品で差別化する方針がうかがえるが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    消費増税による需要減への懸念と新商品開発の目的は読み取れるが、高付加価値化の具体的な数値目標は示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、高付加価値化の実現可能性を判断できる記述はわずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    企画から生産、組立まで社内一貫対応と記載があり、体制の一端は読み取れるが人材や事務処理能力の詳細はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    耐暴風雨の換気孔で、オール樹脂化と“ちょうどいい”機能が顧客に選ばれる理由として具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    新金型と成形機の更新を一度に行うリスクに触れ、段階的に進めた経緯は読めるが、今後のスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    補助事業と同時に中古取り出しロボを単独投資した記述はあるが、資金調達や財務状況の詳細は書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    耐暴風雨の住宅用換気孔で、ASA樹脂採用や沖縄での試験採用など、同分野で差別化された高機能品であることが示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や波及効果への言及はなく、国が補助する積極的理由は公開事例からは明確に読み取れない。

  • 費用対効果4

    成形にかかる電気代が20%以上削減でき、取り出しロボで手作業を自動化したと具体的な効果が記載されている。

  • イノベーションへの貢献2

    ハイブリッド型成形機やロボットの導入はあるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    大阪の中小製造業として、ニッチ市場で地域の強みを活かす姿勢は読み取れるが、地域経済への波及は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ホームページや各種展示会を通じて自社を積極的に発信し、顧客に知ってもらう取り組みを進めている。無理のない身の丈に合った経営規模で、世の中のちょうど良い商品を今後も作り続けていく考えである。

事業者の声

他社に差別化できる商品を作りたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。