ものづくり補助金平成26年度製造業静岡県

マスターバッチ樹脂混合技術方式を導入し、高品質、低コストの透明樹脂部品生産体制を構築する。

豊樹脂工業株式会社

この事例のポイント

  • 従来のタンブラー混合機ではマスターバッチ材とベース材を混ぜてから再梱包して搬送するため、異物の混入率が高かった。
  • 工場2階の混合機から直接成型機に材料を注入する「質量計量混合機」を導入した。
  • 混合後の樹脂を搬送する手間がなくなり、異物の混入率が改善した。

事業者のプロフィール

事業者名豊樹脂工業株式会社
所在地静岡県 静岡市
業種プラスチック製品製造業
技術分野デザイン,材料製造プロセス
資本金3,000万円
設立1949年

事業の背景

昭和24年の設立以来、樹脂の射出成型による樹脂材料のプラスチック製品製造を手掛けており、自動車ランプのカバー部分や冷蔵庫部品、エアコン部品などが代表製品である。同業他社より先進的にマスターバッチ混合に取り組んできた。取引先の家電メーカーから透明樹脂材料を使ったマスターバッチ方式の製品製造を打診されたが、従来の方式では対応できなかった。業界に成熟感があり、顧客からのコストダウン要請も強まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来のタンブラー混合機ではマスターバッチ材とベース材を混ぜてから再梱包して搬送するため、異物の混入率が高かった。
  • 品質・精度容積式計量型混合機はペレットの容積で計量するため、ペレットの大きさがばらつくと正確に計量できず、色調不良のリスクが大きかった。
  • 生産能力タンブラー混合機は本体が巨大で、使用後の清掃に人員と時間がかかっていた。
  • コスト・採算顧客からコストダウンの要請があり、価格競争力を高める必要があった。

やったこと

工場2階の混合機から直接成型機に材料を注入する「質量計量混合機」を導入した。マスターバッチ材と透明樹脂材をタンクから吸引し、混合した樹脂材料を成型機に直接投入できるようにレイアウトした。質量計量混合機はペレットの寸法に左右されず正確な分量で混合できるため、材料のロスや余剰が発生しにくい。導入した新型混合機は従来のタンブラー混合機より小型で設置しやすく、清掃の効率化も実現した。

加工機質量計量混合機

事業の効果

混合後の樹脂を搬送する手間がなくなり、異物の混入率が改善した。小型化によって清掃の効率が高まった。取引先からのコストダウン依頼に応え、材料費の低下に伴い製品単価を30%程度低減できた。高品質が求められる自動車業界からの部品製造の依頼も増加している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    マスターバッチ方式を先進的に取り組んでおり、透明樹脂材料への挑戦が従来の取組の延長にあると読める。ただし戦略上の明確な位置付けは直接書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    家電メーカーからの打診やコストダウン要請、同業他社との比較による先進性が書かれ、市場と自社強みを踏まえた競争力の話になっている。

  • 課題の認識と解決5

    課題として異物混入率や計量精度が挙げられ、質量計量混合機導入で改善、製品単価を30%程度低減と具体的な数字が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製品単価30%低減という数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    鷲巣製造部長や竹内営業課長が担当したとあるが、体制や人材確保の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    家電メーカーや自動車メーカーからの受注、透明樹脂による色調の優位性など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入の経緯と効果は書かれているが、スケジュールや中長期の検証過程は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    同業他社と比較して先進的にマスターバッチ混合に取り組み、透明樹脂での高品質製品を生産する点が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    自動車業界からの依頼増加など雇用や需要に触れるが、国が補助する積極的な理由としては具体的に読み取れない。

  • 費用対効果4

    新型混合機で材料単価が低下し製品単価を30%程度低減したと書かれ、投資に対する効果の大きさがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はなく、サプライチェーンへの貢献はわずかにうかがえるだけである。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車業界への進出が書かれているが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    静岡と藤枝に拠点を持つことは書かれているが、地域特性を活かした雇用創出への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も透明樹脂のベース材料を用いたマスターバッチ方式に注力し、競合他社に対する優位性を保ちながら販路を拡大する予定である。自動車業界特有の安全性や高品質の要請にも対応できるよう、より精度の高い製品づくりに注力していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。