ものづくり補助金平成25年度製造業奈良県

難燃性 の高いインクジェット用広幅ポリエステル布帛 の製造販売

ナテック 株式会社

成果専用防炎加工機の導入により、最終布帛幅330cm以上を確保し、最大幅332cmの布帛を実現した

この事例のポイント

  • ターポリンは分厚く重く、しわになりやすく光が反射しやすいという欠点があり、表面が光らず軽くしわになりにくい布製の防災メディア素材が求められていた。
  • 当社既存のポリエステル布帛防炎加工技術を応用し、難燃糸のタテ糸とヨコ糸のベストミックスや、防炎剤の種類と濃度の再選定、加工温度と加工時間の改良を進めた。
  • 専用防炎加工機の導入により、最終布帛幅330cm以上を確保し、最大幅332cmの布帛を実現した。専用防炎加工機の導入により、防炎性能が高く最大幅332cmのインクジェット用広幅ポリエステル布帛の製造に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名ナテック 株式会社
所在地奈良県 奈良市
業種繊維工業
技術分野複合・新機能材料
従業員数60人
資本金2,000万円
設立1942年

事業の背景

当社はカーテン染色工場から出発し、収益性の高い業容を目指して3m40cm幅対応の機械を導入し、テーブルクロスへと業容を広げた。平成20年に経営戦略のプロジェクトチームを立ち上げ、3m20cm幅のインクジェットプリンターを導入して広告宣伝分野の大型垂幕などのメディア分野へ進出を決めた。市場規模は平成25年に773億円と大きな伸びがみられ、東京オリンピック・パラリンピック開催を控えてさらなる需要が見込まれた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術ターポリンは分厚く重く、しわになりやすく光が反射しやすいという欠点があり、表面が光らず軽くしわになりにくい布製の防災メディア素材が求められていた。
  • 品質・精度加工後の布帛が黄色く着色し、そのままでは事業化できないほど黄ばみが強かった。

やったこと

当社既存のポリエステル布帛防炎加工技術を応用し、難燃糸のタテ糸とヨコ糸のベストミックスや、防炎剤の種類と濃度の再選定、加工温度と加工時間の改良を進めた。その仕様に見合った専用防炎加工機を仕様決定から導入まで、メーカーと提携して進め、130℃超の高温高圧構造と最短時間設定によりコスト削減を図った。導入した専用防炎加工機により、最大幅332cm、素材ポリエステル100%の防炎性能の高い布帛メディアの開発に成功した。黄ばみに対しては防炎加工温度をやや下げ、蛍光染料を上染め処理で併用して、事業化可能な条件をクリアした。

加工機専用防炎加工機

新しい製品・サービス:難燃性の高いインクジェット用広幅ポリエステル布帛(最大幅332cm、ポリエステル100%)

事業の効果

  • 専用防炎加工機の導入により、最終布帛幅330cm以上を確保し、最大幅332cmの布帛を実現した

専用防炎加工機の導入により、防炎性能が高く最大幅332cmのインクジェット用広幅ポリエステル布帛の製造に成功した。ターポリンに替わる軽くしわになりにくい布製の防災メディアとして、広告宣伝分野での利用が期待される。黄ばみの課題も加工温度の見直しと蛍光染料の併用で事業化可能な水準に改善した。今後は1年目1,000万円、5年目8,000万円の売上を目標としている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    カーテン染色から広幅対応へ業容を広げた経緯と、防炎加工技術を応用する点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    防炎表示認定工場やSEKマーク取得、市場規模773億円、東京五輪需要が示され、外部環境と自社の強みに基づく優位性がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    ターポリンの厚い・重い・しわ等の課題を明示し、330cm以上の広幅布帛で解決する方向が具体的に示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1年目1,000万円、5年目8,000万円という売上目標が数字で示されており、付加価値や賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    経営戦略のプロジェクトチームや従業員60名の記載はあるが、補助事業の実施体制を具体的に示す記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターポリンに替わる軽くしわになりにくい布製防災メディアというニーズと、用途別の製品例が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    黄ばみ課題に対し加工温度低減と蛍光染料併用で対処した経緯と、海外リサーチ等の年次スケジュールが示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ターポリンに代わる布製防災メディアは新分野で、市場規模773億円の伸びも示され、新市場性が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    東京オリンピック・パラリンピックによる需要増に触れる程度で、波及効果や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果3

    売上目標は示されるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    既存の防炎加工技術を応用した新素材開発で、イノベーションの一端はうかがえるがデジタル技術やサプライチェーンへの言及は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    広告宣伝業界という成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

開発した防炎メディアの売上を1年目1,000万円、3年目に海外マーケットのリサーチ開始、5年目8,000万円を目標とする。

  • 目標:開発した防炎メディアの売上1年目の目標は1,000万円
  • 目標:開発した防炎メディアの売上5年目の目標は8,000万円

事業者の声

当社は30年以上前から、広幅というキーワードを掲げて設備投資を実施し、最近になって国内だけでなく、世界から当社の技術力が注目をあびるようになってまいりました。企業が小さければ小さいほど、価格で勝負しようとしては方向を間違ってしまいます。小さいほど、ユニークさを求めて、強みの部分の究極を求め、他社と競争していくしかないと考えています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。