ものづくり補助金平成25年度製造業奈良県

自動二輪車用アクスルシャフト及び試作品開発の製作と内製化

株式会社 水田精工

成果CNC円筒研削盤導入等により1か月500時間の稼働が可能となった

この事例のポイント

  • 自動二輪業界は本格的参入をしておらず、試作開発で製品化できても業界独自の流通・マーケティング環境に対応できるかどうか大きな不安があった。
  • 純正部品と従来のSCM435を含む計12種の素材でアクスルシャフトを試作し、比較検査と実車走行テストを実施した。
  • CNC円筒研削盤導入等により1か月500時間の稼働が可能となった。CNC円筒研削盤の導入などにより月500時間の稼働が可能になり、生産効率が上がって低価格化に寄与した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 水田精工
所在地奈良県 奈良市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

当社は下請けの製造加工メーカーで、経営状態は安定せず厳しい状況が続いていた。省エネ・省コストの風潮の中で独自の差別的優位性のある商品を開発したいと考えていた。造船関係の部品加工や機械設計を通じて、素材の特性で運動エネルギーの伝達が大きく変わることを知っていた。知人のオートバイレーサーから純正アクスルシャフトの軽量化加工の相談を受け、試作品が高評価を得たことから自動二輪車の車軸開発に至った。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術自動二輪業界は本格的参入をしておらず、試作開発で製品化できても業界独自の流通・マーケティング環境に対応できるかどうか大きな不安があった。
  • 販路・情報発信従来の取引は造船関連機械・器具・部品が主で、自動二輪業界への直接の販路を持っていなかった。

やったこと

純正部品と従来のSCM435を含む計12種の素材でアクスルシャフトを試作し、比較検査と実車走行テストを実施した。比較素材はSS400、S25C、S45C、SCM440、SNCM447、SKD61、SUS630、インコネル625、64合金チタン、超々ジュラルミン(A7075)の10種類である。測定器による検査で熱処理の違いによる強度・粘りの差を確認し、円筒研磨の精度が高いほどエネルギーロスが低減することを確かめた。実車走行テストでは軽量化の効果は好評価を得られず、素材の粘り・硬さや表面の研磨状態などを製品改良の要素として反映することにした。粘りと硬さの変更、鏡面研磨の高精度化を行い、これまで外部業者に依頼していた加工を内製化して商品仕上げのバラつきを低減した。

加工機CNC円筒研削盤

新しい製品・サービス:自動二輪車用アクスルシャフト

事業の効果

  • CNC円筒研削盤導入等により1か月500時間の稼働が可能となった

CNC円筒研削盤の導入などにより月500時間の稼働が可能になり、生産効率が上がって低価格化に寄与した。卸業者や問屋を通さず直接メーカーに納品するルートを開拓し、流通コストを抑えて価格競争力を高めた。鏡面研磨の高精度化と内製化により商品仕上げのバラつきを低減した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    造船関係の油圧部品加工の経験を自動二輪部品へ転用した点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    直接納品ルートの開拓で流通コストを抑え低価格を武器にする点は読み取れるが、市場動向の分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    経営状態が厳しいという課題認識と、年間売上2,300万円から5,000万円への目標は示されるが、計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間売上を1年目2,300万円、3年目4,000万円、5年目5,000万円と数字で示している。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員7名で製造業の経験があることは読み取れるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    低価格・高品質を強みとし素材比較で製品改良を行った点は読み取れるが、顧客ターゲットの明確な記述は少ない。

  • 事業化までの道筋4

    素材比較検査や実車テストで課題を検証し、外部依頼から内製化へ移す方法と3年目の海外展示会出展目標が示されている。

  • 財務と資金の調達2

    経営状態は厳しいと記されるのみで、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みは公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    自動二輪部品への参入で、既存の造船関係の市場とは異なる新分野に取り組むことが書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    省エネ・省コストの社会的風潮に触れるのみで、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    CNC円筒研削盤導入で月500時間稼働が可能になったと書かれるが、補助金額に対する費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CNC円筒研削盤の導入は読み取れるが、先端的デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明確ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動二輪部品という新分野への進出は読み取れるが、日本経済の構造転換に資する旨の記述はない。

  • 地域経済への波及2

    奈良市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大への言及はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

3年目に海外展示会への出展を目標とし、追加設備投資を行って迅速に対応できる体制を構築する。

  • 目標:1年目の年間売上目標は2,300万円
  • 目標:3年目の年間売上目標は4,000万円
  • 目標:5年目の年間売上目標は5,000万円

事業者の声

独自の差別的優位性のある商品

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。