ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

捺染糊に含まれる揮発性有機化合物の再利用と着色排水の低減

日吉染業株式会社

この事例のポイント

  • ミネラルターペンは石油由来のため、近年変動の激しい原油価格に購入費が左右されていた。
  • ミネラルターペンの再利用と着色排水の低減のため「廃捺染糊処理装置」を導入した。
  • ターペン購入費が抑えられ、製造原価の低減に大きく貢献している。

事業者のプロフィール

事業者名日吉染業株式会社
所在地和歌山県 和歌山市
業種繊維工業

事業の背景

日吉染業株式会社は和歌山で50年以上続く染色会社で、織物を中心としたプリント加工を手掛けている。小ロット多品種・短納期の顧客ニーズに幅広く対応し、カーテンやバッグ、寝具などを生産している。業界をリードする企業として、環境に配慮した作業品質の管理が商圏拡大の重要な課題となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ミネラルターペンは石油由来のため、近年変動の激しい原油価格に購入費が左右されていた。
  • コスト・採算捺染糊に含まれるミネラルターペンを再利用できず、捺染工程で発生した余剰糊などの廃液は処理施設で浄化してから河川へ放流しており、処理コストがかかっていた。
  • 生産能力工場内には有機溶剤特有の臭気が充満し、作業環境が悪かった。

やったこと

ミネラルターペンの再利用と着色排水の低減のため「廃捺染糊処理装置」を導入した。捺染糊を液体分(ミネラルターペン)と固形分(染料や糊剤)に分離し、液体分は再利用、固形分は焼却処分する。これにより経済と環境の両面から問題の解決に取り組んだ。

事業の効果

ターペン購入費が抑えられ、製造原価の低減に大きく貢献している。従来の廃液処理施設に比べ規模が小さく、設備の運営・維持やランニングコストも低く抑えられた。ターペンの削減により大気への揮発が減り、分離した汚泥は産業廃棄物として回収・焼却されるため水質汚染の心配もなくなった。密閉式の装置で臭気も軽減され、作業環境の改善に貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業以来のMade in Japanへのこだわりや前向きな姿勢は読めるが、本件の装置導入と事業戦略の関係は記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    小ロット多品種・短納期への対応や長年の染色技術が書かれるが、市場動向との関係は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    原油価格変動でターペン原価が影響を受けていた課題が書かれ、装置で原価低減につなげた点は読み取れる。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    製造原価低減やランニングコスト抑制は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標数値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    品質管理課の担当者が記載されるのみで、補助事業を遂行する体制や人材の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    顧客ニーズへの対応は書かれるが、装置事業の顧客ターゲットやニーズの裏付けは整理されていない。

  • 事業化までの道筋2

    工場移転後の騒音対策や稼働率調整は書かれるが、遂行スケジュールや検証過程は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ミネラルターペン再利用で廃液処理を減らす手法は書かれるが、高付加価値化や市場での普及度の情報は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    VOC削減や水質汚染防止、住民との共存など環境面の波及は書かれるが、雇用創出や経済波及の数値はない。

  • 費用対効果3

    原価低減やランニングコスト削減の効果は書かれるが、投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    密閉式装置による環境改善は書かれるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山で50年以上続く地元企業として地域と共存する姿勢は読めるが、地域経済への牽引効果の具体性は薄い。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。