ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

製作コスト削減と材料廃棄率低減による桐製家具の開発

株式会社シガ木工

この事例のポイント

  • 反り曲がった桐材は製品に使いにくく、材質の向上が必要だった。
  • 補助事業では反り曲がりを矯正するホットプレスと全自動プレス機を導入し、桐材の反りを修正して材質を向上させるとともに、稀少な桐材の利用率向上を図った。
  • ホットプレスで熱を加えることで桐材の歪みが大きく除去できるようになり、材質の向上と稀少桐材の利用率向上が図られた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社シガ木工
所在地和歌山県 和歌山市
業種家具・装備品製造業
技術分野材料製造プロセス,精密加工,立体造形
従業員数9人
資本金1,000万円
設立1914年

事業の背景

同社は100年以上の歴史を持つ桐製家具メーカーで、主力の紀州桐箪笥は経済産業大臣指定の伝統的工芸品に認定されている。伝統的な桐製家具の販売は伸び悩む一方、フローリングに置ける低価格家具は堅調に売上を伸ばしている。大手家具量販店の台頭で消費者の低価格志向は強く、高級品の桐製家具は選択肢に上がりにくい状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度反り曲がった桐材は製品に使いにくく、材質の向上が必要だった。
  • 新製品・新技術現在の製造工程では販売価格をこれ以上抑えることが難しく、低価格志向の消費者に購入してもらえなかった。

やったこと

補助事業では反り曲がりを矯正するホットプレスと全自動プレス機を導入し、桐材の反りを修正して材質を向上させるとともに、稀少な桐材の利用率向上を図った。和歌山県工業技術センターで耐候試験と高温高湿試験を行い、反りの再反発についても検証を重ねた。曲面加工を施した桐材を用いた家具の試作・開発にも取り組んだ。

  • 加工機ホットプレス全自動プレス機

新しい製品・サービス:曲面加工を施した桐材を用いた家具の試作・開発

事業の効果

ホットプレスで熱を加えることで桐材の歪みが大きく除去できるようになり、材質の向上と稀少桐材の利用率向上が図られた。試験的な製品開発では一定の成果が見られた。ただ受注を始めたばかりで生産量は僅少のため、利益面への貢献はまだ少ない。安定的な受注確保が課題で、受注が堅調に伸びれば10%~20%程度の利益率向上が見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来の桐筆笥製作の実績と、百貨店での講演や展示会出展など従来の取組を踏まえ、桐製家具の販売拡大を進める一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    低価格志向の強まりや伝統家具に触れる機会の減少を外部環境として挙げ、カラフルな新色家具で新市場を狙う方針が読み取れる。ただし自社の経営資源の強み・弱みの分析は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    販売価格を抑えられない課題と反り曲がり桐材の材質向上を挙げ、ホットプレス等で課題に対応する方針が読み取れる。利益率10%~20%向上の見込みも示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    受注が堅調になれば利益率10%~20%程度の向上が見込めると記載があるが、付加価値額や賃上げの目標値、算出根拠は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    代表自らが百貨店へ赴き講演会を開催するなど営業面の取組はうかがえるが、人材や事務処理体制についての記載はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    低価格志向の若い世代の女性層から赤い桐箪笥の製作依頼があったと具体的に書かれ、ニーズの裏付けと製品の特徴が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    和歌山県工業技術センターで耐候試験や高温高湿試験を行い反りの再反発を検証していると記載があるが、スケジュールや中長期の課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来存在しなかった斬新な色彩の桐箪笥を2016年春から販売開始したとあり、一般的な普及度が低い分野で高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    伝統的工芸品の指定や業界基準への貢献はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助事業の設備投資額や付加価値額の増加額は示されておらず、費用対効果は直接読み取れない。生産量は僅少で利益貢献はまだ少ないとある。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山県の100年企業表彰や県内で希少な桐箪笥メーカーであることが書かれ、地域の伝統産業として位置付けられているが、地域経済成長への牽引効果の記載は薄い。

今後の展望

百貨店などへの営業活動を継続して安定的な受注を確保し、地元商業施設のイベント参加や工場見学の受け入れで桐製家具の価値を伝えていく。曲面加工の桐材による試作・開発も引き続き行う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。