ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

ハイブリッド式射出成形機導入による木質樹脂製品の生産量増加、低コスト化計画

サンキョー化成株式会社

成果成形不良率 5%→1.2%

この事例のポイント

  • 木質樹脂製品は既存設備でも製造可能だが、設備の老朽化によりガス焼け、ヒケ、ショート、バリなどが出やすく、品質維持に不安があった。
  • 木質樹脂製品の生産体制を強化するため、ハイブリッド式射出成形機を導入した。
  • 成形不良率 5%→1.2%。ハイブリッド式射出成形機の導入により成形精度が安定し、成形不良率が大きく下がった。

事業者のプロフィール

事業者名サンキョー化成株式会社
所在地和歌山県 海南市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工
従業員数10人
資本金1億円
設立1977年

事業の背景

創業時はタワシ等の製造・販売が主力であり、1965年頃からプラスチック射出成形事業に参入した。製品は浴用、トイレ、台所用品小物などの日用品部門と室外機カバーなどの工業製品部門に大別され、自社オリジナル製品はなく大半が大手企業からの委託生産である。ある製材業者からの「木屑をプラスチックに混ぜた製品を作れないか」という問い合わせが木質樹脂製品開発のきっかけとなった。CSRの観点から環境配慮型プラスチック製品への需要が高まっており、業界内で木質材料を混ぜて製品化している企業は他になかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術木質樹脂製品は既存設備でも製造可能だが、設備の老朽化によりガス焼け、ヒケ、ショート、バリなどが出やすく、品質維持に不安があった。

やったこと

木質樹脂製品の生産体制を強化するため、ハイブリッド式射出成形機を導入した。木質樹脂製品は、プラスチック原料と間伐材(木粉)を混ぜ合わせて製造する。導入後は成形精度が安定し、不良率を低下させた。製品仕上がりのばらつきの原因となった間伐材の水分量や固さの違いに合わせた配合を行い、工程全体でばらつきを小さくするシステムを構築した。その結果、「植物系樹脂ペレット及びその製造方法並びにその成形体」で特許を取得した。

  • 加工機ハイブリッド式射出成形機

新しい製品・サービス:間伐材などを混ぜた木質樹脂製品(トレイ、ハンガーなど)

事業の効果

  • 成形不良率 5%→1.2%
  • 生産量ベースでは、10%程度生産量が増加した。

ハイブリッド式射出成形機の導入により成形精度が安定し、成形不良率が大きく下がった。生産量も増加し、木質樹脂製品の安定供給体制が確立された。特許を取得したことで営業面のアピール材料ともなり、コーヒーチェーン店向けのトレイやハンガーの受注を得ることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1965年からのプラスチック射出成形の実績と、大手からの委託生産が続いていることは読み取れるが、木質樹脂事業の位置付けは明確に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    図面段階からの相談対応やスタッキング性を追求した製品など、同業他社にない提案力が強みとして具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    老朽化設備でガス焼けやヒケ、バリが出る課題を挙げ、ハイブリッド式射出成形機の導入で解決を図る方針が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    成形不良率を5~7%から1~2%へ低下させ、生産量を約10%増加させた実績が数字で示されている。ただし今後の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10人の企業であることはわかるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    CSRの観点から環境配慮製品を求める声が高まっていること、コーヒーチェーン向けトレイの受注があることが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    ばらつきの原因を間伐材の水分量や固さと特定し、配合とシステムで対応した経緯はあるが、今後の中長期のスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    業界内で木材を混ぜて製品化できている企業は他になく、特許を取得している点が高付加価値性を示している。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    間伐材の利用による森林保全やCO2削減への貢献が書かれており、社会的意義はうかがえるが、経済波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    不良率低下や生産量増加は示されているが、補助金投入額に対する費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    木質樹脂材料の開発と同業者への材料販売構想はあるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は明確ではない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    環境配慮型素材への需要増が示唆されるが、日本経済の構造転換に資するという記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及3

    海南市の製材業者からの問い合わせが木質樹脂製品のきっかけとなり、地域資源の活用がうかがえるが、地域成長への言及は少ない。

今後の展望

特許を活かし、プラスチック原料と間伐材を混ぜた材料を同業者等に販売していく予定である。今後も得意先が作りたいものを形にする提案を続け、技術力向上に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。