ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

建具業界における受注下請型から企画提案型への業態変革のための設備投資

中井産業株式会社

この事例のポイント

  • 2.4メートルを超える大型建具の依頼があると、複数人で脚立を使って製造するなど時間がかかり、納期短縮とコストダウンへの対応を迫られていた。
  • 角度や寸法を数値で調整できるスライドソー、大型建具の組立が容易な大型組立機、ノックダウン製品の加工に必要なボーリングマシンの3台の機械設備を導入した。
  • 大型組立機の活用により、以前は納期に間に合わず受注できなかった大きいサイズの建具の仕事を受注できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名中井産業株式会社
所在地和歌山県 和歌山市
業種木材・木製品製造業
技術分野精密加工,製造環境
従業員数24人
資本金1億円
設立1935年

事業の背景

1935年に和歌山市で創業し、障子やドア、引戸などの木製建具を製造してきた。元々は建具店の下請けが中心だったが、住宅着工数の減少や業界構造の変化を受けて得意先の新規開拓にシフトし、現在は店舗の格子、大型のドアや引戸、神額などへ仕事内容が広がり、得意先の小口分散が図られている。建具の需要は和室の減少で伸び悩み、市場規模も縮小し、熟練職人の高齢化と事業承継の難しさが業界の課題となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力2.4メートルを超える大型建具の依頼があると、複数人で脚立を使って製造するなど時間がかかり、納期短縮とコストダウンへの対応を迫られていた。
  • 人手・技能複雑な形状の加工を求める仕事が増え続けており、熟練の職人でなくても精度の高い製品を供給するために機械設備の導入が必須となっていた。
  • 品質・精度設備機器の老朽化が目立つようになっていた。

やったこと

角度や寸法を数値で調整できるスライドソー、大型建具の組立が容易な大型組立機、ノックダウン製品の加工に必要なボーリングマシンの3台の機械設備を導入した。これにより高品質な製品を安定的に供給できる生産体制の効率化を目指した。

  • 加工機スライドソー大型組立機ボーリングマシン

新しい製品・サービス:建具ブランド「KITOTE」の製品(カッコイイ障子、デザイン性の高いドアなどのシリーズ)

事業の効果

大型組立機の活用により、以前は納期に間に合わず受注できなかった大きいサイズの建具の仕事を受注できるようになった。工程の時間短縮が図られ、経験の多くない職人や女性パート社員も精度の高い加工ができるようになった。新しい設備機器は得意先の工場見学で安定的な供給力の根拠として示せ、営業活動にも結びついている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    1935年創業の木製建具業者が下請から開発型へ転換し、ブランド「KITOTE」を立ち上げ2015年度にグッドデザイン賞を受けた経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    天然木を使った大手が扱いにくい建具やデザイン性の高い製品を強みとし、既存にない斬新な建具をラインナップしていると書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    2.4メートル超の大型建具で納期とコストが課題と認識し、大型組立機などの導入で受注可能になったと具体的に述べられている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    納期短縮や受注増の効果はあるが、付加価値額や賃上げについての数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員24人の体制で、熟練職人の技の数値化や若手育成に取り組むと書かれているが、補助事業の遂行体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    得意先の小口分散や工場見学による営業、提案型営業で製品の魅力を伝える方針が書かれているが、顧客ターゲットは整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    設備更新による全工程の時間短縮に今後注力すると書かれているが、具体的なスケジュールや解決方法までは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    複雑な形状の加工や天然木の高品質な建具を手がけ、業界内で高水準の付加価値化を目指す姿勢がうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    木製建具の業界構造の変化や和文化の発信拠点としての役割、業界の市場再構築を目指す点が書かれている。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は書かれていないが、業界内の提携や合併を視野に入れると述べられ、業界への波及がうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    業界の企業再編や市場縮小への対応が書かれているが、成長分野への進出や構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    和歌山市で木製建具事業者が集積する地域に根ざし、和の文化の発信拠点を目指すと書かれている。

今後の展望

大手が扱うことが難しい天然木を使った建具や、デザイン性の高い建具を精密で高品質な製品に仕上げていく。「KITOTE」ブランドを通して和文化の発信拠点としての役割を担い、業界全体の市場の再構築も目指す。業界内の企業再編の中で個人事業者との提携、合併も視野に入れている。

事業者の声

下請仕事オンリーから脱却して、エンドユーザーがほしいと思える製品を開発し、ご提案する。さらに、その製品を知っていただく努力をしないと生き残っていけない。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。