ものづくり補助金平成25年度製造業福岡県

顧客ニーズに対応したデザイン性や付加価値が高い桐箱の製造

株式会社増田桐箱店

成果作業人数・作業時間 5人→2人

この事例のポイント

  • 従来の機械は小型サイズに不向きで、決まったサイズの定寸切断に特化していた。
  • 木材の切断に新型のランニングソーを導入した。
  • 作業人数・作業時間 5人→2人。新型ランニングソーの導入でリードタイムが大幅に短縮され、少人数での製造が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社増田桐箱店
所在地福岡県 古賀市
業種木材・木製品製造業
従業員数57人
資本金2,600万円
設立1966年

事業の背景

桐箱は伝統工芸品用の箱づくりをルーツとし、桐の軽さ・柔らかさ、防虫・防水性から贈り物の箱として重宝されてきた。一方で業界は仕様書どおりに作ればよいという受注待ちの慣習が色濃く残っていた。顧客は商品の差別化を望んでいたが、ギフト需要は減少し、紙や樹脂系の安価なパッケージも台頭していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の機械は小型サイズに不向きで、決まったサイズの定寸切断に特化していた。
  • 人手・技能手作業による丸のこを用いた切断作業は危険を伴っていた。
  • 納期・工程補正作業を含め、1個あたり5人で75分かかっていた。
  • 生産能力少量多品種や別注製品への対応が難しかった。

やったこと

木材の切断に新型のランニングソーを導入した。小型サイズまで自動で切断でき、小さな部材もカットできるようになった。タッチパネルによるデータ入力を取り入れ、作業を簡素化した。新型機の導入により、従来の5人75分の作業が2人20分までリードタイムを短縮できた。これにより、父の日や母の日などの繁忙期でも納期どおりに製造でき、別注製品にも対応できるようになった。

加工機新型ランニングソー
その他タッチパネル式データ入力装置

新しい製品・サービス:桐を使った米びつなどのオリジナル商品。年間1000個を売り上げるヒット商品に成長した。

事業の効果

  • 作業人数・作業時間 5人→2人
  • リードタイム 75分→20分

新型ランニングソーの導入でリードタイムが大幅に短縮され、少人数での製造が可能になった。タッチパネル入力により作業が簡素化され、従来の丸のこ作業に伴う危険も減った。繁忙期でも納期どおりに製造でき、別注品にも対応できるようになった。新製品の開発ではデザイナーとの協業につながり、米びつなどのオリジナル商品で販路を広げた。海外では米国やシンガポールなど7カ国へ輸出している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の受注待ち慣習から脱却し、新製品開発で自発的に情報発信するようになったとあり、一貫性は読み取れるが経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ギフト需要減少や紙・樹脂パッケージの台頭を背景に、顧客の差別化ニーズに応える強みとして少量多品種のデザイン性を示している。

  • 課題の認識と解決4

    従来の受注待ち慣習と生産性課題を認識し、新型ランニングソーで75分から20分へのリードタイム短縮と年間1000個のヒット商品化を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    リードタイムを75分から20分へ、5人から2人へと数字で示し、年間1000個売り上げる商品への成長も示されており実現性が高い。

  • 事業を進める体制2

    社員数57人、代表取締役の関与は読めるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は商品の差別化に強いニーズを持つこと、ライバルが少なくコスト競争に巻き込まれにくいことが述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    新型機導入の動機付けを事前に練ったとあるが、遂行スケジュールや中長期の課題検証の具体的記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    桐箱の高付加価値化を図り、ライバルが少ない新商品分野で差別化した製品を展開していることが読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    海外7カ国への輸出や伝統工芸の桐箱文化への言及はあるが、経済波及効果や雇用創出の記述は具体的ではない。

  • 費用対効果2

    作業時間短縮や年間1000個の売上は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    タッチパネルによるデータ入力で作業を簡素化したとあるが、先端デジタル技術の活用度合いは限定的にしかうかがえない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    福岡県古賀市の伝統工芸に由来する桐箱を地域特性として扱うが、雇用創出や地域経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は各国の生活になじむ商品を、日本の技術で作れないかと構想している。

  • 目標:新製品の米びつは年間1000個を売り上げるヒット商品になった

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。