ものづくり補助金平成25年度農業、林業和歌山県

食品乾燥機を用いた無添加ドライフルーツ・ドライベジタブルの製造

株式会社Citrus

この事例のポイント

  • 加工する果実や野菜がオフシーズンに手に入らず、年間を通して製造できない。
  • 食品乾燥装置を導入し、ドライフルーツやドライベジタブルの製品化に取り組んだ。
  • 食品乾燥装置の導入により、柑橘類や野菜を乾燥加工できる体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社Citrus
所在地和歌山県 有田川町
業種農業
技術分野製造環境
従業員数2人
資本金300万円
設立2012年

事業の背景

2012年4月に、農業大学校の元校長が、卒業生の就職先づくりと耕作放棄地の活性化を目的に設立した。主力は耕作放棄地を借り受けて温州みかんを栽培・出荷する事業で、関係会社経由やスーパーへの直接販売も行っている。有田地方は有名なみかん産地だが、高齢化や後継者不足でみかん園の休耕地が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力加工する果実や野菜がオフシーズンに手に入らず、年間を通して製造できない。
  • 人手・技能温州みかんの栽培は収穫期以外も手入れが必要で、乾燥装置を使った製品開発の時間が割けない。
  • 販路・情報発信加工は依頼ベースで請け負うだけで、販路を積極的に開拓できていない。
  • その他有田地方では青果物を加工する企業が少なく、加工は遠方の業者に委託することが多かった。

やったこと

食品乾燥装置を導入し、ドライフルーツやドライベジタブルの製品化に取り組んだ。温州みかんなどの柑橘類、ダイコン、トマトなどの乾燥加工が可能になった。ダイコン、ニンジン、豆類、玉ねぎ、柑橘類、柿などで試作を重ね、庫内温度、送風条件、乾燥条件を原材料ごとの最適条件に合わせて見つけ出した。第一段階として柿チップを受注し、市場に送り出した。

新しい製品・サービス:ドライフルーツ・ドライベジタブル(柿チップ、ミカンドライ、ダイコン・トマトドライ)

事業の効果

食品乾燥装置の導入により、柑橘類や野菜を乾燥加工できる体制が整った。柿チップが市場に出て、ミカンドライやダイコン・トマトドライの受注も得られた。6次産業化への第一歩となり、製品の幅が広がった。今後の受注拡大が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    農業大学校勤務時の課題認識から設立し、みかん園再生と乾燥加工へ展開した一貫性は読めるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    有田地方は加工業者が少なく、他との差別化が難しいとの地域環境認識は書かれている。ただ自社の強み・弱みの整理は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    オフシーズンに原材料が手に入らず年間製造できない課題と、柿チップ受注・ミカンドライ等の受注実績が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加率や賃上げの目標値は記載がなく、受注拡大が期待されるという程度の記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員2人で、栽培と製品開発の両立に時間が割けない、人材確保が大事との記述があり、体制の課題は読める。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    柿チップ、ミカンドライ、ダイコン・トマトドライの受注実績があり、ドライ製品のニーズ裏付けは具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    加工原材料の確保、販路開拓、新規雇用という課題と方針は示されているが、スケジュールや遂行方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    農産物加工品はどこにでもあり差別化が難しいと書かれており、高付加価値化の水準は読み取りにくい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用4

    耕作放棄地の活性化、新規雇用創出、地元での6次産業化の必要性が事例に具体的に書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    6次産業化の推進に触れているが、日本経済の構造転換への寄与までは書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    有田地方の耕作放棄地やみかん園の再生、地域の活性化、雇用創出を目的とする地域密着の事業であることが具体的に書かれている。

今後の展望

加工原材料の確保と販路開拓を進め、中長期的には事業拡大を目指す。耕作放棄地やみかん園の再生事業も徐々に拡大させ、新規雇用も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。