ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

酸化を防ぐ自動瓶詰ライン導入による品質向上

ナギサビール株式会社

成果生産量 350本/時間→1,000本/時間

この事例のポイント

  • 夏場の繁忙期に販売先でナギサビールが品切れになり、販売機会を逃していた。
  • 補助事業では、ラベル貼り、瓶洗浄、ビール充填、打栓を一貫して自動で行う自動瓶詰ラインを導入した。
  • 生産量 350本/時間→1,000本/時間。自動瓶詰ラインの導入により、1時間あたりの生産量が大幅に増え、2人で1000本を生産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名ナギサビール株式会社
所在地和歌山県 白浜町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数11人
資本金3,000万円
設立1996年

事業の背景

1996年に白浜町で創業し、地ビール「ナギサビール」の製造販売を主軸としている。定番商品2種類と限定商品2種類を製造しており、主に和歌山県内の土産店や酒店、百貨店やスーパーで販売している。冷蔵が必要なため大規模な流通には乗りにくく、市場流通のほか本社店頭販売とインターネット通販で対応していた。夏場は観光客の増加もあり最も売れる時期で、知名度の高まりとともに欠品が生じるようになっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑夏場の繁忙期に販売先でナギサビールが品切れになり、販売機会を逃していた。
  • 生産能力15年ほど前に購入した瓶詰機は老朽化しており、生産増に対応することが難しかった。
  • 人手・技能ラベル貼り、瓶洗浄、ビール充填、打栓を人手で行っており、4人がかりで1時間350本しか生産できず、繁忙期は従業員の負担も大きかった。
  • 品質・精度冷蔵が必要なビールのため賞味期限が3ヶ月と短く、繁忙期前に在庫を多く抱えることが難しかった。

やったこと

補助事業では、ラベル貼り、瓶洗浄、ビール充填、打栓を一貫して自動で行う自動瓶詰ラインを導入した。ビール充填にはダブルプリエバキュレーションと呼ばれる方式を採用し、瓶の中を2度真空状態にしてから二酸化炭素を充填することで、瓶内の残留酸素を大幅に減らした。これにより酸化による劣化を抑え、賞味期限を延ばすことを狙った。導入後は2人で1時間1000本の生産が可能になり、繁忙期の労務負担も軽減された。

事業の効果

  • 生産量 350本/時間→1,000本/時間
  • 賞味期限 3ヶ月→6ヶ月

自動瓶詰ラインの導入により、1時間あたりの生産量が大幅に増え、2人で1000本を生産できるようになった。繁忙期の従業員の労務負担も軽減された。瓶内の残留酸素が減ったことで酸化が遅れ、賞味期限が3ヶ月から半年に延び、品質面でも安心して製品を出荷できるようになった。生産体制に余裕が出たことで新たな販路開拓も進みつつあり、2016年は売上金額ベースで1.2倍程度の増収で推移している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1996年創業以来の地ビール事業と直営レストランの運営が書かれ、瓶詰ライン導入も生産増の文脈にあるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    富田川の伏流水や高級ホップ、熱処理・濾過をしない製法など強みが書かれ、繁忙期の品切れや知名度向上にも触れている。ただし競争優位性を定量的に示す記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    繁忙期の品切れという課題に対し、賞味期限を3ヵ月から半年に延ばす、1時間350本を1000本にするなど具体的な解決策が書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1時間350本から1000本への生産能力向上と売上1.2倍が数字で示されている。ただし将来の付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員11人で運営し製造と直営店を持つことは書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ビールにこだわる客層をターゲットとし、真空充填による賞味期限延長や品質の高さが選ばれる理由として具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    常温ビールの開発検討や海外販売の視野など今後の方向性は書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    地ビールの中でも高級ホップと無濾過・無加熱処理による高級感を打ち出し、同分野で高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地元の名水や白浜町の観光、直営レストランによる地域での雇用や観光客需要に触れており、地域への波及が読み取れる。

  • 費用対効果3

    作業者4人から2人への削減や生産量の向上が書かれ効率化は読み取れるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    白浜町の名水と地元の観光を活かした地ビール事業で、地域の経済成長に寄与する事業であることが具体的に書かれている。

今後の展望

2017年は販売数量をさらに伸ばす計画で、生産力を武器に海外販売も視野に入れている。また、冷蔵設備がなくても販売できる常温ビールの開発も進めていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。