ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業鳥取県

コンタミネーションのない精米ラインを構築し、特殊米の販路を拡大する事業

中嶋米穀株式会社

成果残留米ゼロで歩留まりが向上(1%)

この事例のポイント

  • 医療用の米(低グルテリン米等)や産地限定米、生産者限定米など小ロット多品種の精米需要が生じているが、従来の精米ラインでは対応が難しい。
  • コンタミネーションを起こさない小ロット多品種の精米ラインを構築するため、分づき精米が可能で残留米のない精米機を導入した。
  • 残留米ゼロで歩留まりが向上(1%)。残留米がなくなり、小ロット精米のコンタミ問題が解決して歩留まりが1%向上する。

事業者のプロフィール

事業者名中嶋米穀株式会社
所在地鳥取県 鳥取市
業種飲食料品卸売業
従業員数7人
資本金1億円
設立1948年

事業の背景

中嶋米穀株式会社は1917年に創業し、1948年に法人化した鳥取県の米穀店で、自社工場で精米した鳥取県産米を鳥取県東部地区を中心に卸売・小売販売している。近年は医療用の米や産地限定米などの小ロット多品種需要が生じている。協力関係にある株式会社さとに医食同源との取引量を増やすことや、ネットショップでの販売拡大が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑医療用の米(低グルテリン米等)や産地限定米、生産者限定米など小ロット多品種の精米需要が生じているが、従来の精米ラインでは対応が難しい。
  • 品質・精度従来の精米ラインでは精米機内に残留米があり、次のロットに前ロットの残米が混入するため、医療給食用の米にはあってはならないコンタミネーションが起きる。
  • 生産能力従来の精米ラインでは最低30kgの玄米を2袋以上でないと精米加工できず、小ロットの精米依頼に応じられない。

やったこと

コンタミネーションを起こさない小ロット多品種の精米ラインを構築するため、分づき精米が可能で残留米のない精米機を導入した。精米ライン途中の残留玄米や白米をほぼ自動的に処理できる各昇降機の下部エアー式残留除去装置を設け、コンタミ対策の石抜機を新設した。被害粒やガラス、石等の異物を除去する光センサー装置を増設し、異物除去後の玄米を袋詰めできる計量装置を設置した。これにより2kgから精米できる体制を整え、医療給食用の米や特定地域・生産者の米のネット販売、ギフト用の小ロット受注に対応する。

加工機コンタミネーション対策ライン機械設備一式
加工機分づき精米が可能で残留米のない精米機
加工機コンタミ対応の石抜機
加工機各昇降機の下部エアーによる残留除去装置
検査測定被害粒・ガラス・石等の異物を除去する光センサー装置
加工機異物除去した玄米を袋詰めする計量装置

新しい製品・サービス:コンタミネーションのない小ロット多品種精米ライン(2kgから精米可能)

事業の効果

  • 残留米ゼロで歩留まりが向上(1%)
  • 精米可能な最小ロット 30kg→2kg
  • 小ロット精米では何も対処しなければ5%を上回るコンタミが生じていたが、新ラインでコンタミ問題を解決

残留米がなくなり、小ロット精米のコンタミ問題が解決して歩留まりが1%向上する。ロット切換時の精米価値の減少がなくなり、精米の時間も短縮される。割り込み精米にも対応でき、小ロット多品種の高歩留まり精米が可能になるため、医療給食用の米など多品種の受注に応えられる。販売チャンネルが増え、社員のモチベーションも上がると見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は量販・業務用中心で、小ロット特殊米の精米需要に対応するため新ラインを導入するという方向性は読めるが、中長期の経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    医療用低グルテリン米や産地限定米など小ロット多品種の需要と、従来ラインの残米5%超過という課題が具体的に示され、強みと外部環境の関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    残留米による5%超のコンタミ問題を認識し、残留米ゼロで歩留り1%向上、2kgからの精米対応といった具体的解決策が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    残留米ゼロで歩留り向上(1%)、時間短縮など数値目標が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数7名と記載があるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての具体的記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療給食向け低グルテリン米やネット販売の特定地域米など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    事業の展開として今後の展開と展望が5項目示されるが、スケジュールや課題解決の遂行方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療用低グルテリン米など小ロット多品種の特殊米精米に特化し、2kgから高歩留まりで対応する点が差別化として示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    医療給食への供給拡大や6次産業化が述べられるが、雇用創出や経済波及効果を数値で示す記述は見当たらない。

  • 費用対効果3

    歩留まり1%向上やロット切換時の精米価値減少無しなど効果は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    医食同源との協働や新販売チャンネルは述べられるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンのイノベーションへの言及は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    智頭町限定の源流そだちコシヒカリなど地域特性を活かす取組が示されるが、地域の雇用や経済成長への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

小ロット多品種の特殊米を無駄なく効率的に扱うことで優位な営業を行い、利益率も上げる。株式会社さとに医食同源と協働して低グルテリン米を扱い、医療給食の他施設への拡販を進める。生産者からの委託精米量を拡大し、特定地域・生産者の米のネット販売やギフト関連商品の販路を広げる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。