ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業山形県

施設入所者を対象とする漢方薬の煎じサービス及びハーブ入浴剤の提供

株式会社萬屋薬局

成果一度に煎じる日数分 1日分→15日分

この事例のポイント

  • 漢方の煎薬は土瓶で煎じる時間と手間、匂いが原因で施設では対応できず、医療用エキス剤の処方になっていた。
  • 自動生薬煎じ包装機を新規導入し、15〜30日分をまとめて煎じ、1回分ずつパックにして患者に渡せるようにした。
  • 一度に煎じる日数分 1日分→15日分。自動生薬煎じ包装機の導入により、まとめて煎じた漢方薬を1回分ずつ個包装して渡せるようになり、施設入居者も手軽に煎薬を服…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社萬屋薬局
所在地山形県 山形市
業種その他の小売業
従業員数65人
資本金1,000万円
設立1877年

事業の背景

漢方薬は一人一人の体質や健康状態により、生薬を組み合わせた煎じ薬がもっとも効果的である。しかし福祉施設の入居者が漢方の煎薬を服用する場合、土瓶で煎じる時間と手間や匂いのため施設では対応できず、医療用エキス剤の処方になることが多かった。会社は長年研究し培ってきた漢方の知識を活用し、施設入居者の体調管理とQOL向上に役立てたいと考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力漢方の煎薬は土瓶で煎じる時間と手間、匂いが原因で施設では対応できず、医療用エキス剤の処方になっていた。
  • 品質・精度医療用エキス剤では一人一人の患者の症状に合わせた配合が難しく、充分な効果が期待できない場合もあった。
  • 生産能力患者ごとに生薬を調合して煎じていたため、1日分ずつ煎じる作業に時間がかかっていた。

やったこと

自動生薬煎じ包装機を新規導入し、15〜30日分をまとめて煎じ、1回分ずつパックにして患者に渡せるようにした。自動生薬煎じ包装機では、各人に合わせて調合した漢方薬を一度に3人分同時に煎じ、パック詰めすることが可能になった。パック詰めした漢方薬は常温で2か月間保存が利き、患者は1回分のパックを開封して服用できる。同機にはハーブ抽出ユニットが付属しており、肌に良いとされるハトムギをベースに、天然の色や香りを楽しめるハーブを添付した皮膚にやさしい入浴剤を開発・製造した。抽出したハーブオイルを用いて入浴剤を開発し、福祉施設の利用者に提供できるようにした。

加工機自動生薬煎じ包装機
その他ハーブ抽出ユニット

新しい製品・サービス:ハトムギをベースにハーブを添付したハーブ入浴剤

事業の効果

  • 一度に煎じる日数分 1日分→15日分
  • 同時に煎じる人数分 1人分→3人分

自動生薬煎じ包装機の導入により、まとめて煎じた漢方薬を1回分ずつ個包装して渡せるようになり、施設入居者も手軽に煎薬を服用できるようになった。煎じる時の独特の匂いを周囲に気遣う必要もなくなった。特別養護老人ホームに入居する3名への調剤では、褥瘡の軽快・縮小や原因不明の浮腫の軽快がみられ、有効例として日本東洋医学会に報告された。入浴剤は頻繁な湯の入れ替えやリラックス効果の判断が難しいことから、現在も提供の検討を続けている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例は施設入居者向け漢方煎薬の提供を長年培った漢方の知識の活用として述べるが、事業の位置付けや過去取組との関係は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動煎じ包装機で3名分同時調剤が可能になったと書かれ、施設の手間を省く点は読み取れるが、市場や競合との比較による優位性は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    煎じる時間と手間が課題とされ、15〜30日分をまとめて煎じ1回分ずつパック化する具体的な解決策と高付加価値化への接続が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていないが、今後の売上拡大を見込むという方向性がわずかにうかがえる。

  • 事業を進める体制2

    社員がパッケージをデザインしたという記述があるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    特別養護老人ホームで3名に服用し褥瘡の軽快や浮腫の軽快が見られたと具体的な成果があり、顧客ターゲットと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    入浴剤は施設の清潔管理やリラックス効果の判断が課題として挙げられ今も検討中とあり、課題認識はあるが解決方法とスケジュールは不明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ハトムギベースのハーブ入浴剤と和漢ハーブの提案は独自性があるが、市場の普及度や高価格化の具体的な根拠は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    施設入居者の便秘・褥瘡・不眠の軽減をうたい福祉施設のQOL向上に寄与すると述べるが、経済波及や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果2

    まとめ煎じにより施設で対応できなかった漢方煎薬が提供可能になったが、投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動生薬煎じ包装機とハーブ抽出ユニットの活用は述べられるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山形市の薬局として地域の施設入居者に提供するとあるが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への言及はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

煎薬は施設入居者や外来患者に対して売上拡大を見込んでいる。入浴剤はデイサービス等で自立度の高い施設利用者を対象に提供を検討し、30〜50代の女性を中心とした一般販売も検討している。ハーブと漢方薬を組み合わせた和漢ハーブ等の提案と製品開発を行い、施設入居者の便秘・褥瘡・不眠の症状軽減とQOL向上に寄与していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。