ものづくり補助金平成25年度製造業鳥取県

スポーツ自転車SUSプレテンションフレーム開発

有限会社友森工業

この事例のポイント

  • 鉄製金属フレームの「パイプ軽量化と強度低下の相反問題」に対する新しい解決方法が必要である。
  • 三次元複雑形状の切削加工を行う5軸マシニング加工機を導入し、新機軸の高剛性ステンレス管を用いた自転車フレームの試作加工を実施した。
  • ミニチュア巻き上げ機構の設計と部品の試作により、複雑形状の金属部品を製作できることを確認し、一定の成果を得た。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社友森工業
所在地鳥取県 境港市
業種生産用機械器具製造業
技術分野材料製造プロセス,精密加工

事業の背景

友森工業は産業機械装置の製作を基幹業務とし、少量多品種・特注品の製作を得意としている。以前は1社から仕事を受ける体制だったが、リーマンショック時には約10ヵ月仕事がない時期が続いた。このため発注先の拡大と自社独自技術を生かした製品開発を目指し、需要が高く他社の参入も難しいスポーツ自転車のステンレスフレームに着目した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術鉄製金属フレームの「パイプ軽量化と強度低下の相反問題」に対する新しい解決方法が必要である。
  • 人手・技能溶接工が不足している。
  • 人手・技能フレーム開発を専任できる人員が少ない。
  • 新製品・新技術5軸加工機への動作命令を手入力しており、複雑形状部品の加工にはCADCAMソフトの導入が必要である。
  • 人手・技能フレーム増産に必要な専用の治具を調達できていない。

やったこと

三次元複雑形状の切削加工を行う5軸マシニング加工機を導入し、新機軸の高剛性ステンレス管を用いた自転車フレームの試作加工を実施した。自転車フレームの内部に納めて巻き上げるミニチュア機構を設計し、必要な部品を5軸加工機で試作製作した。巻き上げ装置の数案を設計し、数案の図を描いた。今後の製品化に向けて、CADCAMソフトウェアの導入と専属担当者による実地研修を進めている。

  • 加工機5軸加工機5軸マシニング加工機

新しい製品・サービス:プレテンション構造のスポーツ自転車ステンレスフレーム

事業の効果

ミニチュア巻き上げ機構の設計と部品の試作により、複雑形状の金属部品を製作できることを確認し、一定の成果を得た。現時点では製品化に向けてCADCAMソフトの導入と担当者の研修が必要な段階である。市場面では、ホームページへの問い合わせが毎週数名程度あり、製作依頼の電話も続いている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉄製等金属フレームの相反問題に取り組む新製品と、過去のステンレスフレーム試作や多角化の経緯は読めるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    約31億円の高級スポーツ自転車市場で0.5%のシェア確保を目標とし、台湾・フランス・イタリア等のブランドとの競合を意識した記述がある。

  • 課題の認識と解決3

    溶接工不足や専用治具の調達、専任者不在といった課題は認識されているが、高付加価値化につながる具体的な計画は薄い。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    0.5%シェアという目標値はあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、実現可能性の根拠も薄い。

  • 事業を進める体制3

    CAD/CAM専属担当者の配置と実地研修、溶接と加工が社内で可能な点は読み取れるが、人員不足で専任が難しいとも書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ホームページ問い合わせが毎週数名、想定ユーザーは20代後半〜40代の都市生活者で、錆びないステンレスという選ばれる理由も示されている。

  • 事業化までの道筋3

    CAD/CAM導入や研修、試作の進め方は書かれているが、事業化までの具体的スケジュールや課題解決の方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    高級スポーツ自転車市場は約31億円で、新機軸のプレテンション構造フレームで高級ブランドの間に割って入るとしている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    リーマンショック後の仕事減少への対応として発注先拡大を図ったとあるが、地域波及や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸加工機やCAD/CAMの導入は読めるが、地域やサプライチェーンのイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鳥取県境港市の企業で、少量多品種・特注品の製作を企業の根幹とすると書かれているが、地域の経済成長への牽引は具体的でない。

今後の展望

高級マニア向けスポーツ自転車市場(約31億円)において、プレテンション構造フレームで0.5%のシェア確保を当面の目標とする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。