ものづくり補助金平成25年度製造業島根県

多軸制御CNCマシニングセンタの導入によるデザイン性の高い木製椅子の試作開発

ヤクモ家具製作所株式会社

成果月間生産台数200脚の実現

この事例のポイント

  • 顧客の意見を分析したところ、椅子のデザイン性に不満を持つ顧客が多かった。
  • 外部デザイナーのデザインを取り入れ、デザイン性の高い木製椅子を開発することとした。
  • 月間生産台数200脚の実現。導入した5軸マシニングセンタにより、外部デザイナーと組んで新たに3モデルの木製椅子を生産・発売し、一般ユーザーから高い…

事業者のプロフィール

事業者名ヤクモ家具製作所株式会社
所在地島根県 出雲市
業種家具・装備品製造業
従業員数10人
資本金500万円
設立1989年

事業の背景

木製のリビング・ダイニング家具を生産・販売しており、出雲市の本社と神戸のショールームを設けている。数年前から自社サイトでの販売を始め、売上の8割はネット通販によるものとなっている。木製椅子の産地である旭川、飛騨、大川などでは有力メーカーが大半のシェアを握っており、産業集積による高い製造効率や長年蓄積された技術ノウハウがそれを支えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術顧客の意見を分析したところ、椅子のデザイン性に不満を持つ顧客が多かった。
  • 新製品・新技術従来の3軸制御NC加工機では機械の動きに制約が多く、曲線や曲面加工によって作れる椅子のデザインに限界があった。

やったこと

外部デザイナーのデザインを取り入れ、デザイン性の高い木製椅子を開発することとした。従来の縦・横・高さの3軸制御NC加工機に代えて、旋回・傾斜を加えた5軸同時制御マシニングセンタを導入した。これにより、椅子を構成する各部材を自由なデザイン形状で加工しながら、高強度・耐久性を実現できる精度の高い接合端部の加工が可能になった。立体型の曲面形状などのデザインにも広がりを持たせられるようになった。

加工機5軸CNCマシニングセンタ

新しい製品・サービス:外部デザイナーと開発したデザイン性の高い木製椅子(3モデル)

事業の効果

  • 月間生産台数200脚の実現
  • JIS規格で最上の12000回の耐久テストに合格

導入した5軸マシニングセンタにより、外部デザイナーと組んで新たに3モデルの木製椅子を生産・発売し、一般ユーザーから高い評価を得ている。加工精度が向上し、複数の接合方法の最適な組合せが容易になったことで、JIS規格で最上の12000回の耐久テストに合格した。その結果、店舗物件等での採用も少しずつ増えてきた。家具産地の有力メーカーと変わらない品質の木製椅子を製造できるようになったことも、大きな前進と考えられている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ネット通販が売上の8割を占め直販に早くから取り組んだと書かれ、既存の販売基盤との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    産地有力メーカーが市場の大半を握る中、5軸導入で産地の技術ノウハウがなくても競争力ある商品を作れると明記され、強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    顧客意見からデザインへの不満を課題と特定し、5軸加工で曲面形状を実現した点が示されている。加工工程以外の課題には触れていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月間生産台数200脚の実現が目標として示され、新たに3モデルを生産発売した実績も書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    外部デザイナーとの開発体制が確立したとあるが、人材や事務処理能力の確保について具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客の不満をデザインの課題と特定し、外部デザイナーによる曲面多用のデザインで一般ユーザーから高評価を得たと書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は研磨・組立工程の省力化・自動化に取り組むと方向性は示されるが、スケジュールや解決方法の具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    産地の大手が握る市場で、5軸加工により曲面を多用した高デザイン性の椅子を開発し、高価格販売できる点が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    産地の技術ノウハウに依存しない開発体制が示されるが、地域経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    加工精度向上で耐久テストに合格し店舗採用も増えたと書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸制御マシニングセンタの導入は書かれるが、デジタル技術の地域・サプライチェーンへの貢献は具体的に述べられていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    家具産地の集積地域の大手に並ぶ品質で製造できるようになったと書かれ、地域特性との関係は読み取れるが、雇用や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は研磨・組立工程の省力化や自動化に取り組み、更なる生産性向上を目指している。産地の有力メーカーと同等の生産性を獲得することで、継続的に高い利益率を有する事業体を構築したいと考えている。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。