ものづくり補助金平成25年度製造業岡山県

表面改質により硬度・耐摩耗性を向上させた平面部材への鏡面化および一貫生産技術の確立

倉敷ボーリング機工株式会社

この事例のポイント

  • 溶射で耐摩耗性を持たせた円盤形状ポンプ部品の表面は非常に硬く、仕上げの研削・ラッピング加工の難易度が高い。
  • 平成27年1月にハイプレスラッピングマシンを導入した。
  • 円盤形状ポンプ部品の表面粗さは、目標値のRa0.005μm以下を十分に満たすRa0.00185μmを達成した。

事業者のプロフィール

事業者名倉敷ボーリング機工株式会社
所在地岡山県 倉敷市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,表面処理
従業員数98人
資本金3,000万円
設立1957年

事業の背景

倉敷ボーリング機工は、溶射加工と機械加工を得意とする表面処理メーカーである。溶射後の研削・研磨加工まで一貫して対応し、円筒形状物への平滑仕上げには高度なノウハウを持つ。一方、平面形状の円盤部品では溶射皮膜の硬さのために平滑仕上げが難しかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力溶射で耐摩耗性を持たせた円盤形状ポンプ部品の表面は非常に硬く、仕上げの研削・ラッピング加工の難易度が高い。
  • コスト・採算仕上げの研削・ラッピング加工は高コストで、生産性も悪いという問題があった。

やったこと

平成27年1月にハイプレスラッピングマシンを導入した。この機械の定盤には特殊なものが採用されており、従来機では使えなかったダイヤモンド砥粒を使用でき、砥粒を定盤表面に固定できる。これにより、高価な砥粒の消耗を抑え、少ない使用量で平滑面を得られるようになった。導入後は砥粒メーカーなどの協力を得て、回転速度、圧力、砥粒の材質などの条件を検討するとともに、溶射工程にも改良を加えた。

  • 加工機ハイプレスラッピングマシン

事業の効果

円盤形状ポンプ部品の表面粗さは、目標値のRa0.005μm以下を十分に満たすRa0.00185μmを達成した。従来方法で仕上げた製品に比べて見た目の鏡面性も顕著に向上した。ラッピング加工時間は約半分になり、砥粒使用量も10%低減した。熟練職人の手作業による仕上げ研磨工程が不要となり、納期の短縮と作業者の技術・労力を必要な工程へ回すことが可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    以前から円筒形状物への平滑仕上げのノウハウを保有し、それを平面ラッピングに応用したと書かれており、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    溶射から研磨まで一貫対応できる点は強みとして示されるが、市場や顧客動向に関する記述は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    溶射後の研削・ラッピングが高コスト・低生産性という課題を認識し、ハイプレスラッピングマシン導入で加工時間半減、砥粒使用量10%低減と具体的に解決している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    目標表面粗さRa0.005μm以下に対しRa0.00185μmを達成、加工時間は約半分、砥粒使用量10%低減と数値で示されている。

  • 事業を進める体制2

    熟練職人や砥粒メーカーの協力に触れるが、補助事業を遂行する体制や人員計画の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    円盤形状ポンプ部品の耐摩耗性と平滑性というニーズは示されるが、顧客ターゲットや選ばれる理由は整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    条件検討や溶射工程の改良を進めた経緯は書かれるが、中長期のスケジュールや検証計画の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来使えなかったダイヤモンド砥粒を定盤固定で使えるようにし、鏡面性が顕著に向上したと記されており、高水準の高付加価値化がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果4

    砥粒使用量10%低減、加工時間半減、熟練職人の工程が不要になり納期短縮と、コストと生産性の改善が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    溶射から研磨までの一貫生産技術の確立は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    岡山県倉敷市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は読み取れない。

今後の展望

この部品の発注元から、それ以外の部品についても少しずつ受注を得ており、今後は受注を広げていきたいとしている。自動化・省力化を進めているが、人の手が不要になったわけではない。今後も表面処理のプロとして、どのような要望にも対応できるよう技術を磨いていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。