ものづくり補助金平成25年度製造業広島県

製麺業に特化した業務支援ソフトウェアとそれと接続可能な製麺機器の試作

ヒラヤマプロダクツ株式会社

この事例のポイント

  • 製麺業では情報処理が遅れており、アナログ、手書き、勘と経験による生産が中心となっている。
  • 製麺業に特化した総合管理ソフトウェアを試作し、受注入力、レシピ登録、出荷入力、製造管理ができるようにし、テストを行った。
  • ソフトウェアはダッシュボード、受注・出荷管理、在庫照会、生産計画、製造記録、レシピ管理、各種業務レポート発行のすべてを当初計画通りに実現した。

事業者のプロフィール

事業者名ヒラヤマプロダクツ株式会社
所在地広島県 尾道市
業種生産用機械器具製造業
技術分野情報処理
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1995年

事業の背景

ヒラヤマプロダクツは広島県尾道市で製麺機械を製造する会社で、製麺機械製造に特化している。製麺業界は成熟産業であり、製麺業者のニーズに合わせた機械の改良が求められていた。当社の年商は1億3千万円である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能製麺業では情報処理が遅れており、アナログ、手書き、勘と経験による生産が中心となっている。
  • 人手・技能小型製麺機の操作には熟練が必要で、未熟練者の教育にコストがかかっていた。
  • 品質・精度圧延ロールの温度変化により麺帯が荒れやすく、麺帯の硬度を保つことが難しかった。
  • 生産能力従来の小型製麺機は生地密度を上げる工夫が十分でなく、モーターの負荷も大きかった。

やったこと

製麺業に特化した総合管理ソフトウェアを試作し、受注入力、レシピ登録、出荷入力、製造管理ができるようにし、テストを行った。コンピュータに不慣れな人でも使えるよう、タブレットでも操作できるインターフェースとした。小型製麺機はデジタル化し、生地密度を高めるためエアシリンダによる加圧を取り入れた。3台のロールを1台に小型化し、工程を圧縮して生産速度を高めた。圧延ロールの温度を調整する機能を付け、モーターの負荷を減らし温度管理を明確にした。

ソフト製麺業務専用の総合管理ソフトウェア
加工機小型製麺機(デジタル化・圧延ロール温度調節機能付き)

新しい製品・サービス:製麺業に特化した業務支援ソフトウェアと、それと接続可能な小型製麺機

事業の効果

ソフトウェアはダッシュボード、受注・出荷管理、在庫照会、生産計画、製造記録、レシピ管理、各種業務レポート発行のすべてを当初計画通りに実現した。小型製麺機は従来にない生地フィーダーや温度調節機能を搭載し、300カット/Hrの処理能力を達成した。工数や力仕事を大幅に削減し、温度管理を明確にして麺帯荒れを防止した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    製麺業の情報処理の遅れを課題とし、小型製麺機の開発という事業の流れは読み取れるが、過去の取組との一貫性は記述が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    製麺業者のニーズを熟知し業界独特のレシピを折り込んだこと、小型機で3台のロールを1台に減らした点から強みが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手書き・勘と経験による生産からの脱却を課題に、計数管理や工程圧縮による生産速度向上で解決を図る流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    処理能力300カット/Hrの実現や顧客あたりメンテナンス回数0.16回/年など具体的数値はあるが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員6人の小規模体制と協力会社のソフト開発先が示されるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    セントラルキッチンや小規模飲食店向け、未熟練者でも扱える点、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    タブレット操作や今後の試験導入・改善サイクル、顧客カスタマイズの方向性は示されるが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    製麺業務専用の管理ソフトと小型製麺機の組み合わせは一般的でなく、業界独特のレシピ対応など同分野で高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    製麺業の情報処理の遅れという課題はうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    工数や力仕事の大幅削減、教育コスト削減が示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    製造データを収集・分析しサプライチェーンでの品質管理強化を図る今後の展望が書かれるが、現時点の貢献範囲は具体性が薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    IoT時代への対応という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    広島県尾道市の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製麺機器のユーザーに試験導入して改善を重ね、ソフトウェアの提供を開始して普及を図る。製麺機器と接続して製造データを収集・分析し、生産管理の工数削減、歩留まり向上、品質管理の強化に役立てる。顧客ごとのカスタマイズや小型製麺機の和そば分野への展開も進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。