ものづくり補助金平成24年度兵庫県

「真空・溶液浸潤装置」を付帯した、顧客ニーズ対応型真空フライプラントの試作開発

株式会社アトラステクノサービス

成果装置全体の高さ 4m→2.5m

この事例のポイント

  • 真空フライヤーは高機能だが、6次産業化などでニーズがあるものの中小企業への導入が進んでいない。
  • 装置の高さを2.5m以内に抑えた小型真空フライヤーを開発し、家庭用コンセントに接続して使えるようにした。
  • 装置全体の高さ 4m→2.5m。高さ2.5m以内に抑えた小型真空フライヤーが完成し、家庭用コンセントで使用できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アトラステクノサービス
所在地兵庫県 神戸市西区
業種生産用機械器具製造業
技術分野真空
従業員数9人
資本金2,200万円
設立1997年

事業の背景

当社は真空フライヤーのほか油ろ過装置の製造販売を行い、真空とろ過の両方で特許を持つ。真空フライヤーは大手即席麺メーカーが採用するレベルの技術だが、国内にメーカーは3社しかない。6次産業化などでニーズはあるものの、中小企業への導入は進んでいなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信真空フライヤーは高機能だが、6次産業化などでニーズがあるものの中小企業への導入が進んでいない。
  • 納期・工程真空フライの前加工では食材を調味液に一昼夜浸す必要があり、工程に時間がかかっていた。
  • 人手・技能真空フライ後に食材容器へ付着した残留油分の洗浄を手作業で行っていた。
  • 新製品・新技術既存の真空フライヤーは装置全体の高さが約4mあり、一般的な食加工工場では高さ2.5mを超えると設置が難しく導入の障壁となっていた。
  • 販路・情報発信真空フライ技術や真空フライヤーの認知度が低く、中小企業の製品開発が進んでいない。

やったこと

装置の高さを2.5m以内に抑えた小型真空フライヤーを開発し、家庭用コンセントに接続して使えるようにした。真空を利用して一気に食材に溶液を浸潤させる真空・溶液浸潤装置を開発し、前工程の大幅な時間短縮を図った。真空フライ後の食材容器の残留油分を洗浄するバスケット洗浄装置を開発し、後工程を自動化した。兵庫県立大学との共同研究により、製品の風味や食感、ビタミンC含有量などの論理的裏付けを行った。社内に真空フライ食品の製造設備とキッチンスペースを設け、中小企業者や農業者の試作開発支援を行える体制を整えた。

加工機小型真空フライヤー
加工機真空・溶液浸潤装置
加工機バスケット洗浄装置

新しい製品・サービス:家庭用電源で使用可能な小型真空フライヤー

事業の効果

  • 装置全体の高さ 4m→2.5m

高さ2.5m以内に抑えた小型真空フライヤーが完成し、家庭用コンセントで使用できるようになった。兵庫県立大学との共同研究により、風味や食感、ビタミンC含有量などの論理的な裏付けも得られた。その結果、工業試験場や6次化を進める農家など、これまで導入が進まなかった業界や企業に販売できている。前工程の浸潤時間の短縮と後工程の洗浄自動化も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    真空フライ技術と油ろ過装置の特許を持ち、真空フライヤーの中小企業向け導入促進と試作支援が事業の流れとして読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手即席麺メーカーが採用するレベルの技術力や国内3社のうちの1社という位置付けなど、自社の強みと市場の状況が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    中小企業への導入障壁を高さ2.5m以内の装置開発で解消し、試作支援で製品化を進めるなど、課題と解決策が明確に示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は書かれていないが、販売強化や国内に多くの真空フライ工場を設立する方向性がうかがえる。

  • 事業を進める体制4

    社内に真空フライ製造設備とキッチンスペースを設け、試作開発サポートの体制を築いたと具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    兵庫県立大学との共同研究で風味や食感、ビタミンC含有量の裏付けを示し、沖縄のパイナップル農家など顧客ターゲットも明確である。

  • 事業化までの道筋3

    中小企業への販売強化と製品開発支援の拡大、OEM事業者の発掘という展開方針は書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    真空フライヤーは従来の大型機が主で中小企業への導入が進んでいない分野であり、小型化で高付加価値製品の開発を図る点が具体的に示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    6次産業化や規格外農作物の活用による廃棄物削減、地域農家の商品化支援など地域波及効果がうかがえるが、国が補助する理由は明記されていない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値は書かれておらず、投資が大きくて導入できないという中小企業の声への対応がうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    真空フライの製品化を通じて農家や中小企業の商品開発を支える点はうかがえるが、先端的なデジタル技術の活用は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    6次産業化の分野への進出が読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及4

    沖縄のパイナップル、青森のリンゴ、兵庫の柿や丹波黒枝豆など地域の農産物を活かした製品開発が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

真空フライヤーの販売を強化するため、真空フライ製品の開発支援を強化し、販売につなげていく。国内に1つでも多くの真空フライ食品工場を設立することが今後の方向性である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。