ものづくり補助金平成25年度製造業山口県

イミテーション食品のリアル化ニーズに対応可能な製造装置の開発

株式会社ヤナギヤ

この事例のポイント

  • 型設計から製作までに時間がかかる。
  • 食品サンプルから直接形状を読み取る3Dスキャナーを導入し、そのデータからCAM(コンピュータ支援製造)システムを活用して食品型を製作した。
  • 食品型の製作期間が短くなり、3Dスキャナーとマシニングセンタによる内製で型づくりを速めた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヤナギヤ
所在地山口県 宇部市
業種生産用機械器具製造業
技術分野機械制御,精密加工,表面処理,立体造形
従業員数156人
資本金1億円
設立1916年

事業の背景

株式会社ヤナギヤは大正5年創業の食品加工機械メーカーで、カニ蒲鉾製造装置は世界シェア70%を超える主力製品である。豆腐・海苔から和菓子・洋菓子まで扱う幅も持つ。イミテーション食品の分野では、高齢者向け介護食品の需要は今は国内で大きく、菜食主義者向けや代替品の用途では海外からの要請が強い。日本のユニバーサルデザインフードの市場規模は年間約200億円で、5年間で2倍以上に増えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

やったこと

食品サンプルから直接形状を読み取る3Dスキャナーを導入し、そのデータからCAM(コンピュータ支援製造)システムを活用して食品型を製作した。3Dプリンターで樹脂製の試作型を作り、マシニングセンタで食品金型を内製する体制をつくった。型の表面には特殊な表面加工を施し、食品を無理なく取り出せるようにした。特殊なインクジェットプリンターを使い、高粘度の食品用着色剤を微細なパターンで正確に塗布することに挑戦した。海老のイミテーション食品を試作し、素材は魚のすり身とした。調理後の食品はレオメーターで弾性強度を評価し、データを蓄積した。

検査測定3Dスキャナー
ソフトCAMシステム
加工機3Dプリンター
加工機マシニングセンタ
その他特殊なインクジェットプリンター

新しい製品・サービス:イミテーション食品のリアル化に対応し、食品型を使用する新しい食品製造装置

事業の効果

食品型の製作期間が短くなり、3Dスキャナーとマシニングセンタによる内製で型づくりを速めた。インクジェット着色により、極めてリアルな着色を再現することに成功した。一方で、着色剤と油脂の配合や装置の小型化、ノズル洗浄機能の開発などの課題が残っている。型製作や評価のデータが蓄積され、今後の開発に活かされていく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業100年の食品加工機械メーカーで、カニ蒲鉾製造装置の実績を基に食品型を使う新装置の開発に取り組むと書かれ、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    介護食品市場が年間約200億円で5年間に2倍以上と示される一方、競争優位の根拠は『ジャパン品質』『世界シェア70%超』程度で、自社の強みの分析は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    型設計から製作までの時間やリアルさと離型性の課題が挙げられ、課題認識はあるが、高付加価値化につながる数値目標や計画の詳細は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高い付加価値の創出や賃上げを実現する数値目標は記載がなく、わずかに生産性向上の方向性がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制4

    3Dスキャナー、3Dプリンターで樹脂製試作型を作り、マシニングセンタで食品金型を内製する体制をつくったと書かれており、遂行体制が具体的に読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    介護食品と菜食主義者向けイミテーション食品という顧客ターゲットは示されるが、選ばれる理由は『リアルさと生産性』程度で、ニーズの裏付けは部分的である。

  • 事業化までの道筋3

    連続生産への適合、着色剤と油脂の配合、装置の小型化、ノズル洗浄機能の開発など課題と対応方針は示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    イミテーション食品の市場は介護食品で年間約200億円、5年で2倍以上と示され、同分野で高付加価値の食品型製造装置を狙うことが読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    高齢化による介護食品需要や訪日菜食主義者への配慮など社会的課題は示されるが、雇用創出や波及効果の具体的な数値は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dスキャナーで食品サンプルから形状を読み取りCAMシステムで型を作る、レオメーターで評価しデータを蓄積するなど、デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    高齢化社会や菜食主義者の増加に伴う市場拡大への進出は書かれているが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    山口県宇部市の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への牽引効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

イミテーション食品の市場は今後も確実に伸びていくとみている。ヤナギヤは地道な開発を続け、より高性能な食品加工システムを確立していく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。