ものづくり補助金平成25年度製造業山口県

電子商取引システムとリンクし、極小リードタイム発注に対応可能な鉄道車両部品の生産管理システムの構築

山本産業株式会社

成果従来の人手に頼っていた時に比べて、間接員の作業時間を月間約260時間削減できた

この事例のポイント

  • 客先の電子商取引の見直しにより、発注件数が従来の月平均200件からピーク時には3,000件近くまで増加する見込みだった。
  • 電子商取引システムとリンクした、拡張性と将来性のある社内生産管理システムを構築した。
  • 従来の人手に頼っていた時に比べて、間接員の作業時間を月間約260時間削減できた。受発注、製造、納品、経理処理の一連のデータの流れが全てデジタル化され、データ処理の効率性、整合性、信頼性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名山本産業株式会社
所在地山口県 下松市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野情報処理,製造環境
従業員数59人
資本金3,247万円
設立1952年

事業の背景

当社は昭和27年に創業し、昭和32年から日立製作所笠戸工場向けに鉄道車両用部品の製造を始めた。現在の主力製品は鉄道車両用部品の台枠ブロック品で、売上の約8割が客先納めである。客先は多量の輸出車両の受注を抱え、電子商取引の抜本的な見直しを行うこととなった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力客先の電子商取引の見直しにより、発注件数が従来の月平均200件からピーク時には3,000件近くまで増加する見込みだった。
  • 人手・技能受注情報を社員がキーボードで入力したり、客先から送られたEXCEL表をもとに価格交渉したりしており、人手に頼る業務が多かった。
  • 納期・工程客先の生産工程に合わせてジャストインタイムに、納品日が1日早くても遅くても困るきめ細かな納品が求められていた。

やったこと

電子商取引システムとリンクした、拡張性と将来性のある社内生産管理システムを構築した。客先の電子商取引データを自動で社内システムに取り込み、納品管理や見積に活用できるよう全面的に社内システムを改良した。ソフトウェア開発会社とプログラムやデータのやり取りを繰り返しテストしながら開発を進め、各システムの入出力データなどで成果を確認した。

ソフト生産管理システム

事業の効果

  • 従来の人手に頼っていた時に比べて、間接員の作業時間を月間約260時間削減できた

受発注、製造、納品、経理処理の一連のデータの流れが全てデジタル化され、データ処理の効率性、整合性、信頼性が向上した。日々の大量データをプログラムが自動で仕分け・管理するため、間接員の作業時間が月間約260時間減った。データベースエンジンのバージョンアップもあり、データの送受信処理スピードは格段に向上した。さらに、納期や仕様変更に短時間で柔軟に対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来の鉄道車両部品製造の実績と、肉厚アルミ加工技術の伝承を基盤に生産管理システムを構築した経緯が具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    客先の電子商取引見直しという外部環境に対応する意図は読めるが、市場動向や競合に対する自社の優位性の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    課題は発注件数が月平均200件からピーク時3,000件近くに増える点として明示され、データ仕分けによる解決方針も示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量はピーク時230、間接員作業は月間約260時間削減と数値で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    ソフトウェア開発会社と繰り返しテストを行ったことは書かれているが、人材や事務処理体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は多量の輸出車両を受注しJIT納品が求められるというニーズは読めるが、製品価値や選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として3D-CADデータ活用やブロードバンド対応が挙げられるが、スケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    JIT対応の生産管理を鉄道車両部品に適用する点は新しさがうかがえるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    鉄道車両用部品の製造と地元雇用への言及は少しあるが、国が補助する波及効果や社会インフラとしての必要性は書かれていない。

  • 費用対効果4

    間接員の作業時間を月間約260時間削減し、データ処理の効率性と信頼性が向上したと数字で成果が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    電子商取引とITを連携させ、3D-CADデータ活用に展開する方向性は読めるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的ではない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山口県下松市の立地と地域の製造業との取引実績がうかがえるが、地域経済の成長を牽引する記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外の車両業界では受発注を3D-CADデータで行うことが一般的であるため、ブロードバンド対応の電子商取引システムにより3D-CADデータを活用し、分かりにくい車両の図面を即座に理解できるようにして、ものづくり現場力の向上を図っていく。今後はさらに最新のIT技術を駆使して生産性の向上を図る。

  • 目標:月間発注件数 200件→3,000件

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。