付加価値向上及び生産性向上のため生産管理のデジタル基盤構築

島根県の製造業が、ものづくり補助金で生産管理のデジタル基盤を整え、工程の見える化を進めた採択事例です。

有限会社木村鉄工所

この事例のポイント

  • 生産管理の多くを熟練担当者の経験と勘に頼っており、属人的なスキルに依存していた。
  • 補助事業を活用して生産管理ソフトを導入しました。
  • 業務の見える化と情報の共有がリアルタイムで可能になり、工程全体の流れを把握しやすくなりました。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社木村鉄工所
所在地島根県 出雲市
業種輸送用機械器具製造業
設立1960年

事業の背景

1918年に創業し、当時の紡績機械の部品製造からスタートした。1980年に現在地へ工場を移転し、製造品目をブレーキペダルやマニュアルトランスミッション部品などの自動車部品へ移行した。

現在はNC旋盤やロボットアームなどの設備で、オートマチック車のトランスミッションや建設機械の部品加工を主軸にしています。世界的な脱炭素の流れで自動車業界が電気自動車やハイブリッド車へ変わる中、部品加工業界には新たな加工技術への対応が求められています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能生産管理の多くを熟練担当者の経験と勘に頼っており、属人的なスキルに依存していた。
  • 人手・技能情報共有が滞りやすく、生産計画の調整や工程把握に時間がかかっていた。
  • 生産能力こうした状況により、生産効率が低下していることが課題となっていた。

やったこと

補助事業を活用して生産管理ソフトを導入しました。ソフトは企業ごとの体制に合わせて柔軟にカスタマイズできるため、部品の受け入れから工程管理、納期管理、日報作成、不良品情報までを一元管理できる機能を整備しました。

刃物管理ソフトウエアも導入し、工場内には専用大型モニターを設置して現況をすぐに確認できるようにしました。専用タブレットも導入し、現場で操作できる体制としました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

業務の見える化と情報の共有がリアルタイムで可能になり、工程全体の流れを把握しやすくなりました。受注確認や工程チェックにかかる時間が大幅に短縮され、効率的な業務運営が可能になりました。

デジタル化により手間や時間、場所が削減され、生まれた時間を若手人材の育成や組織力の強化に充てられるようになりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.8 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性創業以来の部品加工の強みを活かし、属人的管理からデジタル基盤へ移行する流れが明確で、長期的な新分野展開の基礎づくりとも位置付けられている。
  • 4
    課題の認識と解決属人的管理で工程把握に時間がかかる課題を認識し、受注確認や工程チェックの時間短縮という解決策を示している。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高付加価値創出や賃上げの数値目標は示されておらず、時間短縮の定性的記述にとどまる。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来の部品加工の強みを活かし、属人的管理からデジタル基盤へ移行する流れが明確で、長期的な新分野展開の基礎づくりとも位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    脱炭素で自動車業界が変革する中、高技術・高品質を強みに生産性を上げる目的が示されているが、競争優位の具体的な比較記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    属人的管理で工程把握に時間がかかる課題を認識し、受注確認や工程チェックの時間短縮という解決策を示している。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値創出や賃上げの数値目標は示されておらず、時間短縮の定性的記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    社内の体制整備や専用タブレット操作の社員に触れ、導入後の人材育成も含めて遂行体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    顧客ターゲットや選ばれる理由には触れておらず、自社の業務効率化が中心で製品価値の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    カスタマイズ可能な機能整備やペーパーレス化を段階的に進める経緯が書かれ、導入の進め方が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性判断できません
  • 新しさ・高付加価値ー

    公開情報では判断できません。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    地域の産業や若手育成への効果に触れるが、川上・川下への波及や新規雇用の創出は明記されていない。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    生産管理のデジタル基盤を整備し、現場の声で機能を拡張できる点など、デジタル技術活用による業務改善が示されている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    脱炭素で変わる自動車業界に対し、新たな加工技術への対応と新分野展開を視野に入れる点が構造転換に触れている。

  • 地域経済への波及2

    雲州平田の地域産業の歴史に触れるが、地域経済の成長や雇用創出への具体的な牽引効果は書かれていない。

今後の展望

今後は社内体制の整備を進め、個人の能力開発や人材育成につなげる予定です。長期的には自動車以外の部品製造などを社内に取り込み、収益の多角化と生産量の拡大を目指しています。

事業者の声

効率化によって生まれた利点は、採用も含めた体制整備に活かし、個人の能力開発や人材育成にも発展することを期待している。

長期的には自動車以外の部品製造などを社内に取り込んで収益獲得を推し進めたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。