ものづくり補助金平成25年度製造業香川県

洋服の裁断工程へのCAD-CAM生産体制の構築による海外生産品に対する優位性の獲得

有限会社川北縫製

成果生産速度 1倍→3倍

この事例のポイント

  • 多品種少量生産では品番ごとに型紙作成や型入れが必要で裁断工程に時間がかかり、裁断がネックとなって時間外労働でカバーしている。
  • 型紙設計用CADのデータを受信して裁断作業を自動化する裁断用CAMを導入した。
  • 生産速度 1倍→3倍。CAD-CAMの導入により生地ロスが減少し、生産速度は導入前の3倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社川北縫製
所在地香川県 さぬき市
業種繊維工業
技術分野機械制御
従業員数60人
設立1963年

事業の背景

1963年に香川県で手袋製造業として創業し、1968年にはカットソー専門の縫製工場を設立した。当初は輸出向けで、OEM受注を経て2009年に自社ブランド「カーリー」を立ち上げた。製造拠点が海外へ移るなかで国内生産を維持することは難しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種少量生産では品番ごとに型紙作成や型入れが必要で裁断工程に時間がかかり、裁断がネックとなって時間外労働でカバーしている。
  • 人手・技能裁断工程の技能習得には5年以上かかるため工員の養成が難しく、裁断担当社員の高齢化も課題になっている。
  • コスト・採算手動機での裁断はCADで最適化した型紙配置を使えず、型紙の面積が余分に必要になって生地ロスと人件費の両方が生じている。

やったこと

型紙設計用CADのデータを受信して裁断作業を自動化する裁断用CAMを導入した。CADとLANで接続し、設計から裁断までの流れを連携させた。これにより製造の効率化と生地ロスの削減を図った。

事業の効果

  • 生産速度 1倍→3倍

CAD-CAMの導入により生地ロスが減少し、生産速度は導入前の3倍になった。試算では、本設備で導入前の生産量を賄う時間は年間稼働時間の半分程度で済み、余力が生まれる。その余力を活かして、縫製工場から依頼のある裁断の受注加工を行う見通しが立った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1990年創業・縫製事業とOEM経験、2009年の自社ブランド立ち上げなど過去の取組はあるが、本事業が経営戦略上どう位置付けられるかは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自社ブランドの風合い訴求や東京直営店開設で売上増加とあり、国内生産の強みと海外品との優位性を結びつけた記述がある。

  • 課題の認識と解決4

    裁断工程がネックで時間外労働に頼る課題を認識し、CAD-CAM導入で生産速度3倍・生地ロス削減という対策が示されている。

事業の実現可能性72%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産速度3倍、生地ロスおよそ5割減、年間稼働2016時間のうち約半分の生産余力という数値目標と試算が示されている。

  • 事業を進める体制3

    デザイナー、CADオペレーター、裁断・縫製工員の増員予定が示されるが、具体的な人数や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは20〜40代男性で、風合いに着目した国内生産品という選ばれる理由が市場調査に基づき具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    増員や裁断加工の外部提案といった今後の方針は示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    高価格帯カジュアル衣料で風合いを訴求し、日本製・国内一貫生産で同分野の高付加価値化を図る方向性が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    国内生産の維持と裁断の受注加工による近隣事業所への波及は示されるが、国が補助する積極的理由としての記述は限定的。

  • 費用対効果3

    生産効率化と生産余力の創出は記述されるが、補助金額に対する付加価値増加の具体的な費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD-CAMとLAN接続による自動化は示されるが、地域やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外生産品に対する国内生産の優位性獲得が目指されるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    香川県のさぬき市で国内縫製を継続し、近隣エリアへの裁断加工提案を行う計画が示され、地域への波及がうかがえる。

今後の展望

東京に直営店を開設し売上が増加しているため、デザイナー、CADオペレーター、裁断・縫製工員を増員する予定である。余剰となった裁断の生産力は、香川県をはじめとする近隣の裁断工程を持たない事業所へ提案していく。

事業者の声

国際競争力を高めて、日本製のすばらしさを世界に届けたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。