ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

新市場参入と需要家ニーズに応えるための特殊加工設備導入

株式会社三栄プラスチック工業所

この事例のポイント

  • カット野菜市場への包装フィルム参入には、無洗浄利用に対応する高度で衛生的な品質管理、多色印刷、チャック付袋への対応が不可欠となっていた。
  • 平成26年に本社隣接の新工場を建設し、クリーンルームを新設して高度な品質管理を可能にした。
  • チャック付袋は正規商品化から拡販の段階に進み、JA全農京都の枝豆袋として採用された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社三栄プラスチック工業所
所在地愛媛県 松山市
業種プラスチック製品製造業
技術分野機械制御
従業員数57人
資本金1,500万円
設立1966年

事業の背景

昭和60年頃から農産用出荷資材の加工に注力し、全国の商社・問屋経由で取引を確保してきた。平成22年に東京営業所を開設し業務拡大に取り組んでいる。近年は健康志向によるサラダ類を中心とした野菜ニーズの定着や共働き世帯の増加により、カット野菜市場が著しく拡大している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術カット野菜市場への包装フィルム参入には、無洗浄利用に対応する高度で衛生的な品質管理、多色印刷、チャック付袋への対応が不可欠となっていた。
  • 生産能力従来の製袋工程ではチャック付袋や取っ手の折り返し加工ができず、顧客の容器から袋へのコストダウン要望に応えられなかった。
  • 品質・精度重量物用の取っ手部分は強度が不足しており、二重フィルム製品は強度が上がるもののコストが大幅に上がることが課題だった。
  • 品質・精度折り返し時にしわが入ることや折り返し部の厚みで製袋機上で蛇行する問題があった。

やったこと

平成26年に本社隣接の新工場を建設し、クリーンルームを新設して高度な品質管理を可能にした。チャック付袋対応として、シート状フィルムにチャックの凹凸を熱シールで貼り付け、チャックの両端を熱で押さえ固定する2工程を追加した。工程には溶断後の穴あき防止のための高い位置精度と、フィルムを溶かさない狭い範囲での温度制御が求められ、これを満たす高精度の機械を導入した。取っ手部分のみを二重にする加工に対応し、張力制御精度の向上と工程別の張力制御を可能にした。

加工機チャック付袋対応の特殊加工設備(製袋機器類)

新しい製品・サービス:チャック付袋と重量物用の取っ手付き袋(取っ手部分を二重にした製品)

事業の効果

チャック付袋は正規商品化から拡販の段階に進み、JA全農京都の枝豆袋として採用された。重量物用の取っ手付き袋は汎用サンプルが完成し、商談中を含む複数の案件が進行中である。二重取っ手製品の高品質な製造が可能になり、顧客確保や業容の維持・拡大、雇用の確保・拡大につなげる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    農産用出荷資材の加工へ注力し、東京営業所開設で業容拡大したと書かれ、過去の取組との連続性はうかがえる。経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    カット野菜市場の拡大と無洗浄対応のクリーンルーム新設に触れ、外部環境と自社設備の関係は読み取れる。競争優位の根拠は数値で示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    容器から袋へのコストダウンニーズや、折り返し時のしわ・蛇行という課題が示されている。事業計画の売上効果は具体的に示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    今後3年間で売上全体の10%程度を目標とすると書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員57名、統括部長の担当者記載があり体制はうかがえる。補助事業の遂行体制の具体的説明は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    チャック付袋や二重取っ手袋の製品価値と顧客ニーズへの対応力は書かれている。ターゲットの裏付けデータは乏しい。

  • 事業化までの道筋3

    平成27年6月から平成28年、平成29年に至る販売段階のスケジュールが示されている。課題解決方法の検証内容は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    カット野菜向けチャック付袋は新市場参入と位置付けられ、二重取っ手は強度とコストの両立を図る。高付加価値化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    カット野菜市場の拡大や食の簡便化という背景は書かれるが、国が補助する波及効果や雇用創出の具体数は示されていない。

  • 費用対効果2

    強度が従来の倍以上と測定された点はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    カット野菜市場の拡大に参入する点は成長分野への進出ととれるが、日本経済の構造転換への寄与は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    地域に貢献する企業活動と雇用確保に触れるが、地域特性を活かした付加価値創出の具体は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

チャック付袋関連商品で今後3年間に売上全体の10%程度の確保を目標とする。重量物用取っ手付き袋は平成28年中に正規採用1〜2件を見込み、平成29年に更なる拡販を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。