ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

スチームオーブンと和菓子伝統技術の融合による新商品開発と自社ブランドの再構築

株式会社あまげん

この事例のポイント

  • 少品種大量生産型の体制で、一定以上の生産量がなければ生産コストが高くなる。
  • 外部支援機関の助言を受け、大量生産向けのバンドオーブンから、スチームラックオーブンを活用した鮮度重視の生産体制へ経営戦略を見直した。
  • スチームラックオーブンの導入により、多品種少量生産に対応できる柔軟な生産体制が確立された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社あまげん
所在地愛媛県 四国中央市
業種食料品製造業
技術分野機械制御
従業員数21人
資本金1,000万円
設立1968年

事業の背景

当社は昭和14年創業の栗菓子製造販売業者で、伝統の銘菓「瀬戸の栗」が主力商品である。売上構成は概ね自社製品部門40%、卸売部門60%程度となっている。過去に大型工場や直営店10店舗を有したが設備過多となり、平成27年1月に工場を移転新築した。和菓子業界では主力商品の売上比率が減少し、出来立てや季節限定など変化を付けた商品が売れるようになっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力少品種大量生産型の体制で、一定以上の生産量がなければ生産コストが高くなる。
  • 生産能力焼き加減の調整が難しく、生産可能な商品の種類が限られていた。
  • 新製品・新技術多品種少量生産に対応する柔軟な生産体制を早急に確立する必要があった。
  • 販路・情報発信和菓子業界では従来通りのやり方では消費者ニーズに対応できなくなっていた。

やったこと

外部支援機関の助言を受け、大量生産向けのバンドオーブンから、スチームラックオーブンを活用した鮮度重視の生産体制へ経営戦略を見直した。スチームラックオーブンは消費カロリーが16,684Kcalで、加圧蒸気の蒸気量を0〜100%の範囲で5%刻みに設定でき、温度及び湿度の詳細な制御が可能である。この機能により一定のマニュアルによる商品作りが可能となり、柔らかい食感の商品開発も行えるようになった。焼成時間の短縮により1日に多品種の生産が可能となり、1回あたりの生産量調整も容易になった。

加工機スチームラックオーブン(スチームラックZENSRZ-10E)
その他その他菓子製造設備一式
その他OA機器
その他車両等

新しい製品・サービス:愛媛の栗を使った渋皮栗まんじゅう(アーモンドをすりつぶした饅頭)やチーズ饅頭など、スチームラックオーブンを活用して5、6商品を開発した。

事業の効果

スチームラックオーブンの導入により、多品種少量生産に対応できる柔軟な生産体制が確立された。焼成時間が短縮され、1日に多品種のお菓子の生産が可能となり、在庫を抱えることも抑制できる。省スペースで効率の高い工場運営も実現可能となった。柔らかい食感の新商品開発により、より多様な顧客ニーズへの対応が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和14年創業の栗菓子製造で「瀬戸の栗」の知名度があり、経営見直しの方向は示される。ただし既存事業との一貫性の説明は一般的。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    量販店からの引き合いや新規出店への納品依頼があると書かれるが、強み・弱みを数字で比べた記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    バンドオーブンの生産量制約と焼き加減調整困難を課題として明示し、多品種少量型への転換と在庫削減を計画している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    在庫削減や電気代削減に触れるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    代表取締役専務の担当者と支援機関の連携は書かれるが、人材や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    渋皮栗まんじゅうなど開発商品の特徴と量販店の引き合いが具体的に書かれ、顧客ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋2

    本店や店舗内販売を主体とする中長期展望はあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    和菓子業界の変化には触れるが、栗まんじゅうの高付加価値化や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元愛媛の栗や農産物を使う農商工連携が述べられるが、波及効果や雇用創出の数字はない。

  • 費用対効果2

    在庫削減や電気代削減が見込まれるとあるが、補助金額に対する費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    スチームラックオーブンによる温湿度の詳細制御は述べられるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地元愛媛の栗を使い地域の生産者と関わる方針があり、地域特性を活かす意図は読み取れるが、成長効果の数字はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

量販店からの引き合いが既にあり、大型店の四国内での出店も相次いでいることから、生産量の安定化により今後の売上増加が見込まれている。中長期的には地域密着の店舗内販売を主体に安定した収益の確保を目指し、地元の栗を活用した農商工連携も進める方針である。

  • 目標:従来型に比べ消費カロリーが16,684Kcalと性能が高い
  • 目標:加圧蒸気の蒸気量調整が0〜100%の範囲内で5%刻みに設定できる

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。