ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業愛媛県

スポーツ用品の移動メンテナンス等による高付加価値販売体制の構築

株式会社道後屋ワケスポーツ

この事例のポイント

  • 若い世代のスポーツ人口減少と高校生徒数の減少により、店舗への来店顧客数が低下している。
  • スポーツ用品のメンテナンス専用機器(腕ミシン、八方ミシン、Mロック、ミズノ製野球スパイク金具交換機)を搭載したメンテナンス車両を導入し、練習場や試合会場へ直接出向けるようにした。
  • メンテナンスカーと高性能刺繍加工機は宇和店に設置され、順調に稼働している。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社道後屋ワケスポーツ
所在地愛媛県 西予市
業種各種商品小売業
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1982年

事業の背景

本社は愛媛県西予市宇和町にあり、総合スポーツショップとして70年余りの業歴を持つ。主力は野球用品で、スパイクやグラブの修理・メンテナンスに定評がある。南予地方の高校は19校、運動部在籍者は1,500名以上で、周辺の高校野球部員は400名内外とされる。一方で地域の過疎化が進み、高校の生徒数や運動部の減少が表面化している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑若い世代のスポーツ人口減少と高校生徒数の減少により、店舗への来店顧客数が低下している。
  • 販路・情報発信ネット販売は価格訴求型の単価競争になりやすく、店舗では収益性の高い付加価値商品の提供が必要になっている。
  • 人手・技能修理やメンテナンスに時間がかかり顧客の負担が大きいため、リードタイムの短縮が必要になっている。
  • 品質・精度修繕と刺繍加工の技術を高め、他社と差別化する必要がある。
  • コスト・採算刺繍加工を外注に頼っており、外注費が高く微細な要求に安価に応えられない。

やったこと

スポーツ用品のメンテナンス専用機器(腕ミシン、八方ミシン、Mロック、ミズノ製野球スパイク金具交換機)を搭載したメンテナンス車両を導入し、練習場や試合会場へ直接出向けるようにした。商圏内の高校14校の部員に移動サービスを提供できる体制を整えた。また、愛媛県内で同規模の機種を持つ店はない高性能刺繍加工機を導入し、外注に頼っていた刺繍加工を内製化した。チーム名、個人ネーム、番号、エンブレムなどの刺繍に対応できるようにした。

その他野球用品リペア機材一式(腕ミシン、八方ミシン、Mロック、ミズノ製野球スパイク金具交換機)
その他商用車両(メンテナンスカー)
加工機八方ミシン(刺繍用)
加工機高性能刺繍加工機

新しい製品・サービス:高性能刺繍加工機を使ったオーダーメイドキーホルダー(ネームや様々な柄の刺繍に対応)

事業の効果

メンテナンスカーと高性能刺繍加工機は宇和店に設置され、順調に稼働している。メンテナンスカーは各校の巡回や休日の大会にも出張し、実績を重ねて新規顧客の店舗誘導につながっている。高性能刺繍機はオーダーメイドの用品やユニフォームで収益向上に寄与した。オーダーメイドキーホルダーは注文が伸び、定期的な受注がある状況となっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の野球用品修理や外商を強化する方向性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    愛媛県内で同規模の高性能刺繍加工機を持つ店は存在しないとあり、競争優位の考えはうかがえるが、強み弱みの分析は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    人口減少による来店顧客数低下と高校生の減少を課題として挙げ、メンテナンス車両と刺繍機で高付加価値化を図る計画が読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値創出の数値目標は示されておらず、増収や賃上げの目標値は記載がないためわずかにうかがえるのみ。

  • 事業を進める体制4

    代表者はミズノ社のDSリペアーマン認定エキスパート修了者で、ビギナー修了者3名在籍と人材面の記述がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    野球グラブへの刺繍ニーズが高く、チーム名や番号刺繍など顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    メンテナンスカーは各校巡回や大会出張を行い、今後の学校訪問や国体での出張を予定とあり、計画は読み取れるが課題解決の方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    野球用品は近年高単価商品が多数を占めるとあり、高単価化の方向は読み取れるが、分野の普及度に関する具体的記述は薄い。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    南予地方の第一次産業や高校部活動の盛んさに触れ地域性はうかがえるが、経済波及や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値は書かれておらず、収益の向上に寄与したとの記述のみで定量的根拠が乏しい。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地域の高校部活動や国体の会場となる地元スポーツシーンに寄与する計画が書かれ、地域性は読み取れるが成長牽引の数値はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

週末の大会や地域のレクリエーションにも参加し、中学校や高校への外商を続ける計画である。2029年の愛媛国体では会場への出張メンテナンスを予定している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。