ものづくり補助金平成30年度卸売業、小売業兵庫県

全自動両平刺機導入によるオーダーメイド置き畳の生産性向上

株式会社横谷

成果生産能力(1日あたり) 10枚→112枚

この事例のポイント

  • 旅館の畳張替えでは客室の稼働を止めないよう短納期が求められていたが、従来の生産体制では対応が難しかった。
  • 複数の生産性向上設備として、畳割付計算システム、両框切断機、全自動両平刺機、ホットプレス機、畳表折曲機、両框切断機付框縫機を導入した。
  • 生産能力(1日あたり) 10枚→112枚。生産性向上設備の導入により、サイズオーダー畳の生産能力が大幅に向上し、旅館ワンフロア分の畳を最短1日で張り替えるサービ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社横谷
所在地兵庫県 丹波市
業種その他の卸売業
技術分野精密加工
従業員数21人
資本金1,000万円
設立1970年

事業の背景

当社は旅館等企業や個人からの受注による畳の製造と納入を行っている。住宅等における畳の使用面積減少により、新規の畳製造の需要は年々減少している。一方で張替えの需要は減少しつつも堅調にあり、主要顧客の旅館業では2年に1回程度畳の張替えが行われている。同業の畳業者は需要の減少から廃業が進んでおり、広範囲の商圏をカバーする生産性の高い取り組みが求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程旅館の畳張替えでは客室の稼働を止めないよう短納期が求められていたが、従来の生産体制では対応が難しかった。
  • 生産能力サイズオーダー畳の製造は職人がマニュアル操作で機械を動かしており、生産能力は1日10枚程度にとどまっていた。
  • 品質・精度割付の精度にばらつきがあり、手戻りが発生していた。
  • 人手・技能多くの工程が手作業で行われており、作業負荷が大きかった。
  • 販路・情報発信従来の畳製造は自社便で届く範囲に商圏が制約されており、広範囲の需要に応えきれていなかった。

やったこと

複数の生産性向上設備として、畳割付計算システム、両框切断機、全自動両平刺機、ホットプレス機、畳表折曲機、両框切断機付框縫機を導入した。割付システムから後工程の加工機へデータを送信し、手作業で行っていた多くの工程を自動化した。前工程での入力データに基づき加工を行うことで、サイズオーダーという個別受注生産工程において高い生産性を実現した。生産能力換算では、従来1日10枚程度だった生産能力が112枚程度へと大幅に向上した。割付精度も向上し、手戻りが減少した。

ソフト畳割付計算システム
加工機両框切断機
加工機全自動両平刺機
加工機ホットプレス機
加工機畳表折曲機
加工機両框切断機付框縫機

新しい製品・サービス:大きさ・厚さ・色を組み合わせたフロア畳(サイズオーダー置き畳)、畳縁加工バッグ

事業の効果

  • 生産能力(1日あたり) 10枚→112枚

生産性向上設備の導入により、サイズオーダー畳の生産能力が大幅に向上し、旅館ワンフロア分の畳を最短1日で張り替えるサービスを実現した。割付精度の向上により手戻りも減少した。個人向けには、サイズオーダー置き畳をネットショップで全国に販売できるようになり、商圏が広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    取り組みの背景で畳の需要減少と張替え需要の堅調さが述べられ、既存の畳製造からの延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    旅館ワンフロア分を1日で張り替える強みと、丹波市から亀岡・京都・神戸・豊岡の旅館へのアクセスの良さが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    従来1日10枚程度の生産能力を112枚程度へ大幅向上させたと数字で示され、課題と成果が対応している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産能力が1日10枚から112枚程度へ向上した実績が示されており、目標の達成根拠として読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員21人との記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力については具体的な記述がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    旅館の稼働を止めない短納期張替えと、置き畳の個人向けネットショップという顧客と選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備と割付システムの連携は書かれているが、中長期の検証や遂行スケジュールについての記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    抗菌・抗ウイルス・床暖房対応など高付加価値の畳に注力すると書かれているが、高水準の価格や普及度の具体的数字はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    丹波市の立地や畳の産地としての歴史にわずかに触れるが、地域波及や雇用創出の積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    生産能力が約11倍に向上したとの数字はあるが、補助金投入額に対する費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    割付システムから加工機へのデータ送信による自動化やネット販売の全国展開が書かれ、デジタル活用が見られる。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    丹波市の立地を活かし、旅館の多い地域へ短納期で対応する地域特性の活用が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も同業・異業種の多くの事業者と連携を図り、畳のさらなる可能性を広げたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。