ものづくり補助金平成25年度製造業福岡県

UV漆塗装による高付加価値製品の試作開発及び新規需要の早期開拓

株式会社永善塗料産業

成果1ヵ月以上かかっていた漆塗装の工程が、UV硬化により約30分で表面硬化を完了できるようになった。

この事例のポイント

  • 漆塗料は1ヵ月以上かかる工程のため、量産化が難しく生産性が低い。
  • 購入した様々な木材に漆塗料を塗ったが、剥がれや浮き、塗装タレが出て上手くいかず、塗膜の厚みや塗るスピードを試行錯誤して条件を見つけた。
  • 1ヵ月以上かかっていた漆塗装の工程が、UV硬化により約30分で表面硬化を完了できるようになった。漆塗料をUVで硬化させることで、1ヵ月以上かかっていた工程が約30分の表面硬化で済むようになり、短時間での漆塗装の量産…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社永善塗料産業
所在地福岡県 柳川市
業種家具・装備品製造業
技術分野製造環境,表面処理
従業員数45人
資本金600万円
設立1950年

事業の背景

家具メーカーから家具の前板や天板、脚などの部材を図面通りに加工・塗装して納める仕事を手がけてきた。10年ほど前の工場移転を機にUV塗装ラインを設置し、キッチンや水回り、マンション扉の塗装へと事業を広げ、住宅機器メーカーやゼネコンといった新たな市場を開拓してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力漆塗料は1ヵ月以上かかる工程のため、量産化が難しく生産性が低い。
  • 新製品・新技術漆を用いたオリジナル商品の試作を進め、付加価値の高い製品を作りたいが、自然漆の加工方法が確立していない。

やったこと

購入した様々な木材に漆塗料を塗ったが、剥がれや浮き、塗装タレが出て上手くいかず、塗膜の厚みや塗るスピードを試行錯誤して条件を見つけた。既存のUV塗装ラインを漆塗装が可能な設備に改良し、埃を除去するフィルターを導入した。漆を短時間で硬化させるためUV照射装置を導入し、既存の照射能力では硬化しないため照射量を増やした。漆のUV塗装に必要な製造ラインの全面清掃を実施した。

その他埃・粉塵を除去するフィルター
加工機UV照射装置
加工機UVライン(既存設備の改良)

新しい製品・サービス:天然漆を含んだ塗料を用いたUV漆鏡面塗装・UV漆艶消し塗装の製品。ホテルのカウンターや商業施設向けの材料提案、一般家庭向け商品も含む。

事業の効果

  • 1ヵ月以上かかっていた漆塗装の工程が、UV硬化により約30分で表面硬化を完了できるようになった。

漆塗料をUVで硬化させることで、1ヵ月以上かかっていた工程が約30分の表面硬化で済むようになり、短時間での漆塗装の量産化が可能になった。生産性は飛躍的に向上したと考えられ、マンションメーカーなどが求める短納期にも対応できるようになった。漆によるUV塗装は他社ではほとんど手がけられておらず、従来の塗装製品と差別化できる新製品として位置づけられている。また、一般家庭向けの商品販売も始めた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    家具部材の塗装を手掛けてきた経緯と、UV塗装ライン設置後に住宅機器メーカーやゼネコンへ市場を広げた流れが書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    漆のUV塗装は他所ではほとんど手を付けておらず差別化できると記載。ただし市場動向の数値分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    漆塗装に1カ月以上かかる課題を、UV硬化で約30分に短縮し短納期対応できるようになったと書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性が飛躍的に向上したと考えられると記載があるが、具体的な付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社内で自社商品づくりへの機運が生まれたとあるが、人材や事務処理体制の具体的記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    漆UV塗装の高級感・差別化、ホテルやロビーなど用途の提案、楽天通販での販売など顧客ターゲットと選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の課題として量産化によるコスト削減、需要掘り起こし、通販の仕組み構築、市場調査が挙げられている。スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    漆のUV塗装は他の塗装より手間と時間がかかり高価で、他所ではほとんど手を付けていないと明記されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の塗装業者として雇用や地域経済への言及はあるが、波及効果を示す数値や社会的インフラとしての記述は限定的。

  • 費用対効果3

    1カ月以上の作業が約30分に短縮され生産性が飛躍的に向上したとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    UV硬化技術の活用は書かれているが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    天然漆を含む塗料の活用や一般消費者向け商品への展開がうかがえるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    柳川市の地場企業として工場移転や設備増設を行い、地域の事業者として事業を続けていることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

漆は他の塗料より高額なため、量産化によるコスト削減を進めて価格を下げる必要があると考えている。ホテルや商業施設などへの用途提案や、一般ユーザー向けの商品開発・ネット通販の体制づくりを進め、販売を支える柱の一つに育てたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。