ものづくり補助金平成25年度製造業佐賀県

磁力を応用して「環境負荷ゼロ」を実現した小型ゴミ処理装置の開発

シンエイメタルテック株式会社

この事例のポイント

  • プラスチックゴミのダイオキシン対策などでゴミ処理にかかるコストが膨らみ、財政上の負担になっている。
  • 熱分解処理部では、元々の二重構造はそのまま採用し、内側に斜板を縦に並べた内壁を設けた。
  • 磁気分解装置の実用試験により、外気を吸入せずに内部の気体のみを循環させて熱分解を継続し、廃棄物を処理できることを確認した。

事業者のプロフィール

事業者名シンエイメタルテック株式会社
所在地佐賀県 佐賀県神埼市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御
従業員数36人
資本金1,000万円
設立1971年

事業の背景

近年はゴミの種類も複雑になり、その処分が問題になっている。プラスチックゴミは処理・処分に様々な課題があり、ダイオキシン問題などの諸対策がゴミ処理コストを押し上げている。焼却によって処分されているゴミを、燃料を使わず環境負荷ゼロで熱分解できる装置が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算プラスチックゴミのダイオキシン対策などでゴミ処理にかかるコストが膨らみ、財政上の負担になっている。
  • その他焼却処分では減容率が10〜20分の1程度にとどまり、残渣灰を最終処分地に運んで埋め立てなどの処理が必要になっている。

やったこと

熱分解処理部では、元々の二重構造はそのまま採用し、内側に斜板を縦に並べた内壁を設けた。投入する廃棄物の形状や密度に関わらず常に煙道が確保できる構造とし、処理能力を向上させた。本体部とフィルター部を接続する配管は大型角形ダクトに変更し、清掃のための点検口を設けて目詰まりを防止した。循環するガスに含まれる水分を本体部の手前で貯留する構造とし、本体部下部からの廃液漏れを解消した。フィルター部には排煙を冷却・タール除去するシャワーと、主にタールを除去する水槽フィルタの計2つの水槽を設けた。水槽の水は常時排水せず、1ヶ月に一回程度交換する。

その他磁気分解装置(小型ゴミ処理装置)

新しい製品・サービス:磁力を応用した小型ゴミ処理装置(磁気分解装置)

事業の効果

磁気分解装置の実用試験により、外気を吸入せずに内部の気体のみを循環させて熱分解を継続し、廃棄物を処理できることを確認した。排煙の大半は大気中に出さずフィルター部で洗浄して循環させられることも確認した。投入した廃棄物は燃焼処理した場合より大幅に減容できた。独自の設計により廃棄物の処理量が向上し、本体下部に設けた貯蔵スペースで廃液を採取できるようになった。配管を使わない接続により、メンテナンスを必要とする時期も大幅に伸びた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    これまでの取組として磁気分解装置の試作開発が示されるが、事業の経営戦略上の位置付けや過去事業との連続性は文章から読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    市場として病院・製造メーカー・食品加工など多様な排出事業者が挙げられ、競争優位の要素として燃料不使用・環境負荷ゼロが示されるが、自社の経営資源との関係は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    焼却の減容率10〜20分の1や残渣灰の埋立負担など課題が具体的で、配管不要設計によるメンテナンス時期の延長など解決策も示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、処理量向上や廃液採取などの成果はあるが数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数36名は示されるが、補助事業を遂行する人員配置や事務体制についての記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    環境負荷ゼロ・燃料不使用・低コストという価値と、病院や養鶏場など具体的な顧客ターゲットが示され、選ばれる理由も整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    第一から第三の目的、ケミカルリサイクルへの研究課題化など中長期の段階が示され、フィルタ部分離で稼働停止なく清掃できる工夫も記載されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    小型で燃料不使用・排煙を循環させる磁気分解処理は、一般的な廃棄物処理装置と比べ新規性の高い技術として説明されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    ゴミ処理コストが財政負担になっている点や離島のゴミ処理など社会的課題が示されるが、国が補助する理由を明示した記述は薄い。

  • 費用対効果3

    減容率や処理量向上、メンテナンス時期の延長などの効果が示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    磁気による熱分解や排煙循環は技術革新の要素だが、サプライチェーンや地域イノベーションへの波及は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    環境負荷ゼロの廃棄物処理やサーマル・ケミカルリサイクルへの言及はあるが、日本経済の構造転換への接続は読み取れない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

すべての有機廃棄物排出事業者をターゲットに、有機廃棄物自社処理装置の販売市場の獲得を目指す。特に病院・製造メーカー・食品加工・老人福祉施設・野菜水耕栽培業・養鶏場・養豚場など、燃料化や再資源化が難しい廃棄物の排出事業者を第一に想定している。建物解体業者の自社処分やゴミ処理施設のない離島のゴミ処理など用途も多岐にわたる。

業種と困りごとが近い成果事例

香川県製造業平成27年度

最新製版機の導入による効率化とコスト削減

生産能力が現有製版機の約3倍となる最新製版機を導入し、製版工程の生産性向上と、それに伴う製版作業の残業低減を図った。

効果:製版機の生産能力 1倍→3倍

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。