ものづくり補助金平成25年度情報通信業長崎県

スモールオフィス向けEMS の開発(SEMS: Small office Energy Management System)

システムファイブ株式会社

この事例のポイント

  • 大規模事業所向けのFEMSや家庭向けのHEMSは市販されているが、小規模オフィス向けのEMSはあまり見当たらない。
  • 組込基板として、分電盤の各ブレーカからクランプセンサーを介して電力値を算出するSEMSパワーユニット(PU)を2つ製作した。
  • 技術力が向上し、特にArduinoMegaとRaspberyPiの開発技術が大きく進展した。

事業者のプロフィール

事業者名システムファイブ株式会社
所在地長崎県 長崎市
業種情報サービス業
技術分野情報処理,測定計測

事業の背景

システムファイブ株式会社は情報システム開発を業種とする企業である。平成年から年度にかけて、ハウステンボス・エネルギー抑制実証事業に参画し、大規模テーマパーク・オフィス・スモールオフィスの電力データの取得・監視や様々なデータの可視化などに関する技術を習得した。日本では産業部門が一定の成果を挙げているのに対し、民生・運輸部門はCO2排出量が増加傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大規模事業所向けのFEMSや家庭向けのHEMSは市販されているが、小規模オフィス向けのEMSはあまり見当たらない。
  • 新製品・新技術民生・運輸部門のCO2排出量が増加傾向にあり、エネルギー消費を抑制する必要がある。

やったこと

組込基板として、分電盤の各ブレーカからクランプセンサーを介して電力値を算出するSEMSパワーユニット(PU)を2つ製作した。1つはクランプセンサーの出力を増幅するAMP基板、もう1つはAMP基板からの出力データを電力値へ変換するメイン処理基板で、メイン処理基板には組込用マイコン汎用品のArduinoMegaを採用した。SEMSサーバユニット(SV)はPUから無線経由でデータを受け取り、天気予報情報などを付加してWebアプリで見える化する機能を持ち、開発にはRaspberyPiを採用した。エネルギー監視用Webアプリケーションでは、当日・前日の積算電力、分電盤ブレーカ毎の現時点の消費電力、時間帯毎のピーク電力と積算電力、当日の天気予報の表示、消費電力が管理値をオーバーした時のリコメンド表示を製作した。販売用にSEMSのアピールポイントをまとめたA4裏表のパンフレットも製作した。

ロボットArduinoMega
その他RaspberyPi

新しい製品・サービス:小規模オフィス向けエネルギーマネジメントシステム(SEMS)

事業の効果

技術力が向上し、特にArduinoMegaとRaspberyPiの開発技術が大きく進展した。習得した技術を他の受注案件に流用し、より効率的な開発が可能となった。グループ会社向けに件、地元情報システム業者に件の販売実績をあげた。東京ビッグサイトの発電装置の監視制御装置や大手メーカーの生産工程の可視化にも使用された。国際スマートグリッドEXPOの長崎県ブースに出展し、来場者から注目を集めて今後の受注が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去のエネルギー実証事業の技術習得を基に本製品を開発したと書かれており、これまでの取組との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    小規模オフィス向けEMSは市販が少ないとあり、市場の空白に触れているが、自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    CO2排出削減と民生部門の増加という課題は示されているが、事業計画上の課題解決の具体的な道筋は読み取れない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    ArduinoやRaspberry Piの開発実績、グループ会社向け件数などから開発体制はうかがえるが、人員や事務処理体制の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    販売用パンフレットやスマートグリッドEXPOでの出展、九州の電気工事業者への販売計画が書かれている。顧客の明確性はやや薄い。

  • 事業化までの道筋3

    現在納入後の是正点を洗い出し、モノづくりフェアで販売代理店を募る計画が書かれ、スケジュールの一部がうかがえる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    小規模オフィス向けEMSは市販が少ないとされ、普及度の低い分野を狙う点は読み取れるが、高付加価値化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    民生・運輸部門のCO2増加への対応という社会的課題が示され、国が支援する理由の一端がうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    天気予報の付加やリコメンド表示などデジタル技術の活用が書かれているが、サプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    CO2排出削減とIoT分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在、納入実績からシステムの是正点を洗い出しており、修正して完成度を高める。マリンメッセ福岡での「モノづくりフェア」に出展し、ユーザ及び販売代理店を開拓する。需要が見込める九州圏内の電気工事業者を中心に販売代理店を募り、拡販する計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。