ものづくり補助金平成25年度建設業長崎県

機械の整備および加工工場から排出される含油廃水に適用する高度処理装置の開発

協和機電工業株式会社

この事例のポイント

  • 既存のG-aceはマイクロバブルで廃水から油を分離できたが、水に溶け込んだ油など有機物までは分離できなかった。
  • 微生物の住処となるスポンジタイプの微生物担体と、セラミック製の分離膜を組み込んだ新しい小型の高度処理ユニットを製作した。
  • 平成29年に船舶エンジン含有廃水を対象とした装置1件の納入が国内で決まった。

事業者のプロフィール

事業者名協和機電工業株式会社
所在地長崎県 長崎市
業種設備工事業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数494人
資本金5,000万円
設立1951年

事業の背景

協和機電工業は電気工事と水処理プラントの製作・工事を手がける。自動車産業の整備および加工工場から出る含油廃水の処理需要があり、市場ニーズは中国や東南アジアを含めて広がっていた。自社の既存製品G-aceは油の分離に強みがあったが、高性能化が課題になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存のG-aceはマイクロバブルで廃水から油を分離できたが、水に溶け込んだ油など有機物までは分離できなかった。
  • コスト・採算油などを含む廃水は処理が難しく、高額の費用をかけて廃棄されていた。
  • 新製品・新技術微生物で廃水を効率よく処理する小型の高性能装置が必要だった。

やったこと

微生物の住処となるスポンジタイプの微生物担体と、セラミック製の分離膜を組み込んだ新しい小型の高度処理ユニットを製作した。開発した製品を時津事業所に設置し、モーター洗浄廃水と塗装ケレン廃水をG-aceで前処理した水を原水として実証試験を行った。水質項目は油分、濁質、界面活性剤、有機物、リン、窒素、pHを評価し、条例で定められた項目を基準値以下まで処理できることを確認した。高負荷条件でも膜の目詰まりが起きにくく、万一詰まっても簡単に洗浄できる構造とした。

  • その他小型高度処理ユニットスポンジタイプ微生物担体・セラミック製分離膜

新しい製品・サービス:廃水の高度処理装置「G-ace'」(微生物担体とセラミック製分離膜を組み込んだ小型装置)

事業の効果

平成29年に船舶エンジン含有廃水を対象とした装置1件の納入が国内で決まった。中国の珠海やシンセンでは日系薬品メーカーへ同技術を納入できた。ベトナムとマレーシアにも拠点を構え、事業を積極的に展開している。東南アジアでは廃水規制が強まり、小規模で高性能な廃水処理装置の需要が高まっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のグリストラップ改善装置(G-ace)を発展させた開発である点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車産業や中国・東南アジアの市場ニーズに応える展開と記載があるが、競争優位の根拠となる数値や比較は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    油などを含む廃水が高額で廃棄されていた課題を示し、高性能の処理装置で解決する方向は読めるが、事業計画の詳細は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、高付加価値化の目標の実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数494名や時津事業所での実証試験はあるが、補助事業を遂行する体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車産業や中国の日系薬品メーカー向け納入、船舶エンジン廃水1件の納入決定など、顧客と需要の裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    開発、実証試験、海外展開の流れは読み取れるが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    小型・高性能の廃水処理装置は同分野で高水準の性能を目指すとあるが、市場での位置や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    河川放流レベルの処理や水質汚濁対策に意義があると記載があり、環境面の公的意義はうかがえるが、経済波及の数値はない。

  • 費用対効果2

    高額の廃棄費用を削減しうる点はうかがえるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    微生物担体とセラミック分離膜を用いた新技術はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    中国・東南アジアで廃水規制が厳しくなっている市場への進出は記載されるが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    長崎県の拠点から海外展開する点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への言及は薄い。

今後の展望

東南アジアでの小規模高性能な廃水処理装置の実績を伸ばしたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。