ものづくり補助金平成25年度製造業大分県

里山資源(未利用広葉樹、竹等)の地域内高付加価値循環モデルの構築

有限会社新貝商店

この事例のポイント

  • 海中に打ち込む杭は、フナクイムシやキクイムシなどによる食害を受けやすいため、耐腐食性が高く、ライフサイクルが長い杭材が求められていた。
  • 新貝商店はものづくり補助金を活用し、九州大学大学院等と本テーマについて共同研究に取り組んだ。
  • 広葉樹や竹などに無害な薬剤処理を施すことで、牡蠣養殖用の杭として十分に活用できることが判明した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社新貝商店
所在地大分県 中津市
業種木材・木製品製造業
技術分野材料製造プロセス,複合・新機能材料
従業員数15人
資本金300万円
設立1963年

事業の背景

日本は国土の3分の2が森林だが木材輸入大国とされる。林野庁の『森林・林業白書』によると、木材自給率は平成12年の18.2%から平成25年には28.6%まで増加してきた。戦後に植林された木々が利用可能な樹齢に達しつつあり、豊富な森林資源をどう利用促進するかが業界の大きな課題となっている。中津市の老舗材木店である有限会社新貝商店は大分県木材連合会の取扱量が全国でもトップクラスで、大分県の里山資源を活用する取り組みを続けてきた。また、平成24年から大分県漁業協同組合中津支店が中津干潟で牡蠣養殖に取り組み、里山との協働プロジェクトを進めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度海中に打ち込む杭は、フナクイムシやキクイムシなどによる食害を受けやすいため、耐腐食性が高く、ライフサイクルが長い杭材が求められていた。
  • 人手・技能杭は軽便で作業負荷が低いものが求められていたが、従来の材料ではその条件を満たしにくかった。
  • その他自然環境との親和性が高く、環境負荷の低い杭材を用いる必要があった。
  • 納期・工程材料の注文から納品までを簡素にし、短納期で供給できる体制が求められていた。

やったこと

新貝商店はものづくり補助金を活用し、九州大学大学院等と本テーマについて共同研究に取り組んだ。研究では、未利用の広葉樹や竹などに無害な薬剤処理を施し、牡蠣養殖用の杭として使えるかを検証した。また、目合いの細かいネットを杭に被覆し、海虫類による食害の防止策を検討した。約3年にわたる研究の中で、処理剤の価格面や運搬時のCO2排出量についても評価を行った。

事業の効果

広葉樹や竹などに無害な薬剤処理を施すことで、牡蠣養殖用の杭として十分に活用できることが判明した。目合いの細かいネットの被覆により、海虫類による食害を防止できるとともに、養殖業で大きな弊害となっていたフジツボの付着も抑制できることが分かった。処理剤は既存材との価格競争でも十分に魅力的で、運搬時のCO2排出量を削減できるという環境面での効果も得られた。

今後の展望

今後は杭材の強度性能、海虫類による食害への抵抗性、耐久性評価、供用後の杭材の有効利用などの調査・試験を行う計画が発表された。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。