ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業鹿児島県

ディーゼルエンジン車 排ガス対策薬剤『高品位尿素水』製造設備の建設

富山薬品工業株式会社

この事例のポイント

  • アドブルーの製造拠点が福岡地区のみで、南九州地区のユーザーは福岡や海外からの仕入れに頼らざるを得ず、不利益を被っていた。
  • 南九州地区で初めて、尿素SCRシステムに必要な消耗品「高品位尿素水(アドブルー)」を製造するプラントを建設した。
  • 南九州地区での製造・供給体制が整い、これまで福岡や海外からの仕入れで生じていた品質維持、納期、輸送コスト、関税などの課題が解決された。

事業者のプロフィール

事業者名富山薬品工業株式会社
所在地鹿児島県 鹿児島市
業種その他の卸売業
従業員数24人
資本金300万円
設立1947年

事業の背景

当社は明治33年に創業し、昭和22年に法人化した工業用薬品の取扱会社で、県内では当業界のリーディングカンパニーである。SCR搭載車の普及・拡大が進み、アドブルーの需要は増加傾向にある。製造量と売上はともに伸び続けており、4t以下の小型トラックやディーゼルエンジン乗用車もアドブルーが必要な仕様になってきていることも背景にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力アドブルーの製造拠点が福岡地区のみで、南九州地区のユーザーは福岡や海外からの仕入れに頼らざるを得ず、不利益を被っていた。
  • 納期・工程生産拠点が離れているため、品質維持や納期、輸送コスト、関税などの課題があった。
  • 生産能力アドブルーの市場は今後6、7年で現行の3〜4倍に増加すると予想され、南九州地区での供給体制を整えることが急務であった。

やったこと

南九州地区で初めて、尿素SCRシステムに必要な消耗品「高品位尿素水(アドブルー)」を製造するプラントを建設した。製造は受託方式で、南九州地区を販売ターゲットとし、徹底した品質管理のもと競争力のある価格で提供する体制を整えた。将来の需要増加にも対応できる供給体制を構築した。

その他高品位尿素水(アドブルー)製造設備(プラント)

事業の効果

南九州地区での製造・供給体制が整い、これまで福岡や海外からの仕入れで生じていた品質維持、納期、輸送コスト、関税などの課題が解決された。消費者にも地球にも優しい環境を提供できる体制が整った。増産体制を整えたことで、SCR車の普及が頭打ちになった場合でも競争力のある価格で提供でき、受注の伸びを維持できると見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組との一貫性は書かれず、工業用薬品を扱う会社で製造から販売まで行うとあるが、経営戦略上の位置付けは明確でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    南九州にアドブルー製造拠点がなく福岡・海外依存だった課題に対し、競争力のある価格と品質管理で優位性を持つと具体的に述べている。

  • 課題の認識と解決4

    輸送コストや関税、納期の課題を挙げ、南九州で製造する体制を構築して解決したと、課題と解決策が対応して書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製造量と売上が伸び続けていると書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値、数値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員24名で研修環境を整えているとあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    SCR搭載車の普及でアドブルー需要が増えるという根拠を示し、南九州の顧客を対象に価格と品質で選ばれる理由を述べている。

  • 事業化までの道筋3

    プラント増設を検討中とあるが、スケジュールや遂行方法、課題の解決方法の記述は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    アドブルーは新たな需要分野ではなく普及が進む製品だが、南九州で初めて製造する点と高い優位性の記述がある。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    大気汚染物質である窒素酸化物の抑制に関わるとうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の具体的な記述はない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加額などの費用対効果を示す数値は書かれておらず、わずかにうかがえるのみである。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    環境対策としての排ガス規制対応に関わるとうかがえるが、日本経済の構造転換に資する旨の記述はない。

  • 地域経済への波及3

    南九州地区で初めての製造拠点を地域に整えたと書かれ、地域への供給体制という点で地域経済への貢献がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

SCR車の普及や入れ替えは今後も進み、アドブルーの需要は自然に伸びると予想されている。将来の需要の伸びに備えて製造設備の増設を検討しており、顧客に選ばれる品質、供給体制、価格で優位性を維持し、今後も受注を伸ばしたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。