ものづくり補助金平成25年度製造業鹿児島県

デジタル点火器及び専用システム増設による花火大会イベント事業拡大

株式会社太洋花火

この事例のポイント

  • 音楽花火は1発ずつ音楽に合わせて点火するため点火数が多く、点火器1台に対しモジュールが最低10台前後必要になり、点火設備を多数保有することが不可欠だった。
  • TT技術を活用した音楽花火入力システム「ScriptMaker・CueMaker2000」を導入し、デジタル点火器本体・モジュール・ソフトの設備増設を行った。
  • ScriptMakerとCueMakerの導入により、花火情報のデータベース化と打上プログラムの入力手順の自動化が進み、音楽花火のプログラム製作コストが削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社太洋花火
所在地鹿児島県 鹿児島市
業種その他の製造業
技術分野情報処理
従業員数41人
資本金1,000万円
設立1977年

事業の背景

花火大会では音楽やカラーレーザーとコラボする音楽花火の需要が増えており、全国のテーマパークや花火大会を手掛ける取引先、当社においても年々増加傾向にある。今後もますます増加すると見込まれ、音楽花火の打上げ技術と総合演出の役割が重要になっている。音楽花火演出が標準となってきている関東地方に匹敵する能力が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力音楽花火は1発ずつ音楽に合わせて点火するため点火数が多く、点火器1台に対しモジュールが最低10台前後必要になり、点火設備を多数保有することが不可欠だった。
  • 新製品・新技術関東地方に匹敵する花火演出能力を備えるには専用の音楽花火入力システムを導入する必要があった。
  • コスト・採算従来の音楽花火プログラム製作は点火タイミングの抽出や導火線燃焼時間の計算などを個別の手順で行っており、製作に手間とコストがかかっていた。

やったこと

TT技術を活用した音楽花火入力システム「ScriptMaker・CueMaker2000」を導入し、デジタル点火器本体・モジュール・ソフトの設備増設を行った。従来は点火器1台に対しモジュールが5台あれば十分な標準花火と異なり、音楽花火ではモジュールが最低10台前後必要になるため、大規模な花火大会で点火器の最大点火数の約6割に制限して制御できるよう点火設備を多数揃えた。ScriptMakerで花火情報をデータベース化し、音楽からの点火タイミング抽出、導火線燃焼時間の計算、モジュール配置・振分けの3手順を同時に実行できるようにした。CueMakerにより打上プログラムの入力手順も自動化した。さらに本番前に作成したシミュレーションで顧客の要望を事前に取り入れられるようにした。

新しい製品・サービス:音楽花火入力システム「ScriptMaker・CueMaker2000」

事業の効果

ScriptMakerとCueMakerの導入により、花火情報のデータベース化と打上プログラムの入力手順の自動化が進み、音楽花火のプログラム製作コストが削減された。本番前のシミュレーションで顧客要望を事前に取り入れられるようになり、顧客ニーズへの対応力が格段に向上した。これにより全国でも有数の音楽花火演出を提供する体制が整い、音楽花火の事業拡大と総合演出力の向上を図ることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    花火大会の音楽花火需要増加を背景に事業拡大を図ると書かれているが、過去の取組との連続性や経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    音楽花火需要が全国で増加し関東地方に匹敵する能力が必要とあり外部環境は読み取れるが、自社の強み・弱みの具体的記述は少ない。

  • 課題の認識と解決3

    大量の点火設備が必要という課題と、ScriptMakerで手順①〜③を同時実行し製作コストを削減したとあるが、数値の裏付けはない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、九州トップクラスの提案を目指すとのみ書かれている。

  • 事業を進める体制3

    設備を活用できる人材育成を行うと記載があるが、体制や事務処理能力の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客要望への対応力向上や本番前のシミュレーションで要望を取り入れられる点は書かれているが、ターゲットの明確化は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開として人材育成と九州での事業展開が示されるのみで、スケジュールや課題解決方法は読み取れない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    音楽花火は標準花火と異なり、メロディに同調させ1発ずつ点火する高水準の演出で、普及度の低い分野への取り組みと読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    イベント事業の拡大や顧客ニーズへの対応とあるが、波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    製作コスト削減とあるが削減額や付加価値増加の数値がなく、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献3

    TT技術を活用した音楽花火入力システムの導入は記載されるが、業界やサプライチェーンへの貢献範囲は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鹿児島の事業者として九州でトップクラスの演出を提案する方針が書かれ、地域展開の意図はうかがえる。

今後の展望

今回のシステム導入で整えた体制を活かし、九州でもトップクラスの音楽花火演出を提案するべく事業展開を図り、設備を活用できる人材育成を行う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。