ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

バイコン製法によるコンクリート2次製品自動化製造設備の導入

アスザック株式会社

この事例のポイント

  • セラミックス研削加工で工具が破損し、加工のロスが生じていた。
  • 過負荷検知システム(キスラー圧電式)で工具にかかる負荷を計測し、工具破損を避けるための加工条件出しを行った。
  • 工具破損の要因となる加工負荷の違いが確認でき、加工条件の見極めに役立つようになった。

事業者のプロフィール

事業者名アスザック株式会社
所在地長野県 高山村
業種窯業・土石製品製造業
技術分野機械制御,材料製造プロセス,複合・新機能材料,立体造形
従業員数268人
資本金6,350万円
設立1946年

事業の背景

コンクリート2次製品の製造・販売で創業し、1970年に食品部門を加えて異業種多角化経営を始めた。1985年には半導体製造装置の金属部品をセラミックスに置き換える技術を開発した。食品部門のフリーズドライ乾燥野菜・果物では、技術力とシェアが業界トップクラスである。セラミックス研削加工では中国・韓国のメーカーと厳しい競争が続いている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算セラミックス研削加工で工具が破損し、加工のロスが生じていた。
  • 生産能力従来の製造設備では大型の製品を作ることができず、市場の拡大が難しかった。
  • 品質・精度製品精度をさらに高め、品質と生産性を向上させる必要があった。
  • 新製品・新技術公共事業向けコンクリート2次製品は、強度耐久性と製造工程でのCO2排出削減が求められていた。

やったこと

過負荷検知システム(キスラー圧電式)で工具にかかる負荷を計測し、工具破損を避けるための加工条件出しを行った。加工方法によって負荷の違いを確認できた。動き解析マイクロスコープで工具破損時の挙動を調査し、負荷検知システムと同期させた映像を得た。焼結シミュレーションソフトウェアで簡単な形状の焼結時の挙動を再現し、電気炉を導入して素材実験の速度を上げた。バイコン製法による新たな自動化製造設備を製作・導入し、大型の新製品を製造できる体制を整えた。

  • 検査測定過負荷検知システムキスラー圧電式動き解析マイクロスコープ
  • ソフト焼結シミュレーションソフトウェア
  • その他電気炉
  • 加工機バイコン製法による自動化製造設備電極部品加工機

新しい製品・サービス:機械の大型化により、これまで製造できなかった大型の新製品

事業の効果

工具破損の要因となる加工負荷の違いが確認でき、加工条件の見極めに役立つようになった。焼結状態による加工負荷の違いも見え始めた。バイコン製法の自動化製造設備により、計画どおり生産能力の向上、コスト低減、品質の安定、環境負荷の低減が図られている。大型の新製品の導入も決まり、市場の拡大につながる見通しである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    セラミックス研削加工の研究開発が1985年以来の高純度ファインセラミックス投資に連なると読めるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中国・韓国メーカーとの競争の中で、コスト面と納期面で優位に立ち市場獲得をめざすと書かれており、強みと外部環境への対応が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    工具破損によるロスという課題は書かれているが、高付加価値化や成長につながる具体的な計画の記述は薄い。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの具体的な目標値は書かれていない。製品精度向上や生産性向上の方向性のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制4

    創業以来の研究開発実績や、長野県工業試験場との共同研究の経験など、遂行体制をうかがえる記述がある。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    セラミックス部品の市場や、固体酸化物燃料電池向け電極部品の加工ニーズに触れているが、顧客ターゲットと選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    過負荷検知や動き解析などの検証内容と、撮影方法が確立できなかった課題が記載されている。ただしスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ファインセラミックスの加工で、工具破損ゼロを目指し、中国・韓国との競争で差別化を図るという高付加価値化の方向性が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    固体酸化物燃料電池という新しい発電システムに関わる部品加工であり、新市場の創出への寄与がうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    動き解析や負荷検知システムの活用はうかがえるが、サプライチェーン全体のイノベーションに関する記述は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    新しい発電システムの部品加工という成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    高山村の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用への具体的な記述は薄い。

今後の展望

平成27年5月からの大型新製品の製造開始を目指している。

事業者の声

「良い人材を失いたくない、という一心で取り組んでいます」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。