ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業北海道

半循環式蓄養水槽の水質環境を制御する水管理システムの導入

マルゼン食品株式会社

この事例のポイント

  • ホッキ貝の品質を維持するため、高負荷にも対応できる水質浄化機能が求められていた。
  • 同社の蓄養施設は5系列34水槽からなり、本事業では蓄養水槽5系列全てに水質管理に必要な溶存酸素計、水温センサー、生海水流量計、空気圧力計を設置した。
  • 蓄養水槽の水温や溶存酸素などの水質環境をリアルタイムで管理できるようになり、品質レベルを落とさず鮮度の良い日持ちする商品を提供できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名マルゼン食品株式会社
所在地北海道 苫小牧市
業種飲食料品卸売業
技術分野製造環境
従業員数25人
資本金2,000万円
設立1988年

事業の背景

同社は昭和63年の創業以来、地元苫小牧の特産であるホッキ貝を主力商品としており、取扱量は日本のトップクラスといわれる。苫小牧・樽前の前浜ホッキ貝は市町村別生産量で日本一を誇る。全国のホッキ貝の年間水揚げ量は約6~7千トンで、そのうち約5千トンが北海道での水揚げになる。苫小牧は資源管理型漁業を進めてきたこともあり、水揚げ量は大きく変動せず安定して推移している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ホッキ貝の品質を維持するため、高負荷にも対応できる水質浄化機能が求められていた。
  • 人手・技能人材・人手不足が続く中、経験や勘に頼る管理ではなく、データに裏付けされた数値で誰もが管理・制御できるシステムが必要になっていた。
  • コスト・採算水質浄化機能はコスト的にも低減できることが求められていた。

やったこと

同社の蓄養施設は5系列34水槽からなり、本事業では蓄養水槽5系列全てに水質管理に必要な溶存酸素計、水温センサー、生海水流量計、空気圧力計を設置した。これらの全てを監視する制御盤と、データを取得するためのパソコンを配置した。また生海水取水ポンプ3台の電流値を連続測定し、監視制御盤とパソコンに取り込み、砂などの巻き込み時の警報と対応など、迅速かつ的確な対処法を確立した。

検査測定溶存酸素計
検査測定水温センサー
検査測定生海水流量計
検査測定空気圧力計
その他監視制御盤
その他監視・データ取得用パソコン

事業の効果

蓄養水槽の水温や溶存酸素などの水質環境をリアルタイムで管理できるようになり、品質レベルを落とさず鮮度の良い日持ちする商品を提供できるようになった。ホッキ貝などの斃死率が低下して選別作業が減り、生海水量トラブルや光熱費も減少し、コスト削減につながる効果が複数生まれた。蓄養水槽に異常が発生した場合は警報で水質悪化を回避でき、無人時でもLAN経由でモバイル端末に連絡が入り迅速に対応できるようになった。取得したデータから日報・月報も容易に作成できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のホッキ貝主力事業と蓄養の重要性は書かれているが、本事業が経営戦略にどう位置付けられるかの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    水揚げ量は安定しているとあり外部環境に触れるが、自社の強み・弱みと競争優位性を結びつける記述は少ない。

  • 課題の認識と解決4

    水質悪化・人手不足という課題を明示し、水管理システム導入で数値管理し、斃死率低下や選別作業減少、光熱費削減につなげる流れが読み取れる。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    斃死率低下や選別減少、光熱費削減とあるが、付加価値額や賃上げの目標値や数字は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    若いスタッフでも数値で判断できるようになったとあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    鮮度の良い日持ちする商品提供やホッキ貝の品質維持というニーズは読み取れるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入内容と成果は書かれているが、中長期の課題検証や遂行スケジュールの記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ホッキ貝の蓄養水槽の水質管理という分野で、同社の高度化と記述されるが、市場の普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地元苫小牧の特産であるホッキ貝の産地に触れるが、波及効果や雇用創出の具体的な記述は少ない。

  • 費用対効果3

    斃死率低下や光熱費削減などコスト低減効果が挙げられているが、補助金額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    水質データのリアルタイム管理やLAN経由のモバイル通知など情報技術の活用は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    苫小牧・樽前の前浜ホッキ貝という地域特性を活かした事業であることは読み取れるが、地域経済成長への牽引の記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は独自の加工品を開発したり、ネット通販のシステムを充実させていきたいと考えている。

事業者の声

本事業で新しいシステムを構築できたことで、今まで勘や経験でやってきたことを数値化し、若いスタッフでもその数値を見て判断できるようになり、モチベーションのアップにもつなげることができました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

東京都卸売業、小売業平成25年度

スライド式ホルダーを採用した床排水トラップの開発

製品形状を円形から正方形に変更し、一軸方向へのスライドで着脱できるスライド構造の床排水トラップ「スライドロック」を開発した。

効果:洗濯機の排水ホース内に残ってしまう排水量を大幅に少なくすることができた。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。