ものづくり補助金平成26年度情報通信業北海道

三次元画像センサーを用いた効果的エクササイズ支援システム開発

株式会社エルス

この事例のポイント

  • VT値の測定には高価な呼気ガス分析装置が必要で、セッティングにも手間がかかるため、利用できるのは医療機関などに限られていた。
  • エアロバイクに3Dカメラ(Microsoftキネクト)と操作用パネルを取り付けた装置を開発した。
  • 手軽に呼吸量がわかる非接触式の測定システムを製品化した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エルス
所在地北海道 千歳市
業種情報サービス業
技術分野情報処理,測定計測
資本金2,400万円
設立1985年

事業の背景

株式会社エルスは業務用ソフトウェアの受託開発を主な事業とする小規模ベンチャーで、企業や医療機関、教育機関のネットワークシステム構築・保守・コンサルティングも行う。スポーツ科学分野では千歳科学技術大学と共同研究を行っていた。もとになったアイデアは千歳科学技術大学の青木広宙准教授の研究だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力VT値の測定には高価な呼気ガス分析装置が必要で、セッティングにも手間がかかるため、利用できるのは医療機関などに限られていた。

やったこと

エアロバイクに3Dカメラ(Microsoftキネクト)と操作用パネルを取り付けた装置を開発した。ペダリング中の胸腹部を三次元で撮影し、胸腹部の体積変化から呼吸量を算定する。ペダリングの動きによる情報は、二つの運動の周波数の違いを利用して除去し、呼吸に関わる情報の抽出に成功した。埼玉医科大学呼吸器内科の中村秀俊教授との共同研究で、健常者と慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者について呼気ガス分析装置とAnerobiのデータを比較し、結果がほぼ同等であることを確認した。最新機はタッチパネル制御方式で、モニターで運動強度と呼吸データを見ながらバイクを漕ぎ、結果はクラウドで継続的に利用できる。

  • 検査測定3DカメラMicrosoftキネクト
  • その他操作用パネルタッチパネルエアロバイク
  • ソフトAnerobi非接触式呼吸量算定システム

新しい製品・サービス:非接触式呼吸量算定システム「Anerobi(アネロビ)」

事業の効果

手軽に呼吸量がわかる非接触式の測定システムを製品化した。フィットネスクラブでバイクを漕ぐだけでVT値を確認でき、代謝能力の推移からトレーニングの成果が分かるようになる。体力や年代に関係なく、誰もが自分に合った運動強度を知ることができる。データはクラウドで管理でき、継続的な利用が可能になる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    ソフトウェア受託開発を主事業とし、スポーツ科学分野の共同研究から製品化まで進めた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    千歳科学技術大学との共同研究や埼玉医科大学との比較検証で精度が確認された点は強みとして読めるが、市場や競合との比較は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    フィットネス指標としてのVT値測定の課題(高価な呼気ガス分析装置、医療機関に限られる)が示されているが、事業計画の数値や売上目標は書かれていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    全社員がシステムエンジニアとして案件を担当し、導入完了まで一貫して任せる体制が書かれており、開発遂行力はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    10分程度のバイク運動でVT値を確認でき、体力や年代に関わらず最適な運動強度を知れる点など、顧客価値とターゲット(フィットネスクラブ、教育機関)が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    教育機関やスポーツセンターへの提案、クラウド管理、ランニングマシンへの展開など今後の方向性は示されているが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    VT値を非接触の3D画像センサーで測定する方式は、呼気ガス分析装置に限られていた分野で新しく、特許出願中と書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の健康づくりやアスリート育成への貢献を願う記述はあるが、雇用創出や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dカメラとクラウド管理、アプリによるフィードバックを組み合わせ、ジムや医療分野へのイノベーションにつながる取組が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    健康・フィットネス分野への進出という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    千歳市を拠点に地元の教育委員会や体育協会へ実演を行う点はうかがえるが、地域経済の成長への寄与は書かれていない。

今後の展望

同社は今後Anerobiを教育機関やスポーツセンターなどへ提案する考えで、トレーニングジムなどへの提案も目指している。ランニングマシンへの発展や、緑内障の患者など医療関連への応用も視野に入れている。

  • 目標:フィットネスクラブで10分ほどバイクを漕ぐだけでVT値をチェックできれば、と述べられている

事業者の声

Anerobi が役立つ場面はまだまだあります

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。