ものづくり補助金平成26年度情報通信業青森県

高騒音下でもクリアな音声を集音できる技術を活用した音声通話システムの開発

株式会社フォルテ

この事例のポイント

  • 建設現場や駅のホーム、工事現場などの騒音が激しい場では、作業員間のコミュニケーションが妨げられている。
  • 騒音下でもクリアな音声通話を可能にするため、環境音や周辺雑音を除去する音声処理技術を採用した。
  • 完成した試作機を、国道沿い、線路沿い、地下道、屋内施設の四つの騒音環境でフィールド試験し、いずれの環境でもクリアな音声通話が可能であることを確認した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社フォルテ
所在地青森県 青森市
業種情報サービス業
従業員数14人
資本金4,100万円
設立2005年

事業の背景

弊社はIoT端末や骨伝導デバイスの開発・販売を主事業とし、ハードウェアとソフトウェアを一気通貫で手がけて地域課題の解決に役立つ製品づくりを目指している。主力製品は多言語音声ガイド・ナビ端末「ナビチャリ」と骨伝導ヘッドセット「VOCE-rable」で、特に自転車用ヘッドセットの骨伝導技術は走行音や風切音の中でも通話できる。建設業界では東京五輪・震災復興による公共事業や工事関連の受注増加が見込まれ、騒音下の現場での需要が高いと考えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他建設現場や駅のホーム、工事現場などの騒音が激しい場では、作業員間のコミュニケーションが妨げられている。

やったこと

騒音下でもクリアな音声通話を可能にするため、環境音や周辺雑音を除去する音声処理技術を採用した。試作開発に必要な条件を抽出して最適なシステム仕様をまとめ、類似製品や技術の調査と設計上のシミュレーションを行った。デモ試作機を製作してテストを実施し、評価と問題点の洗い出しを行って、改善事項をもとに仕様書と設計書を修正した。ハードウェアを開発して自社のソフトウェアと組み合わせ、ヘッドセット型の最終試作機を完成させた。

新しい製品・サービス:騒音下でも高精度に音声を集音できる音声通話システム(ヘッドセット型Bluetooth通信タイプ)の試作機

事業の効果

完成した試作機を、国道沿い、線路沿い、地下道、屋内施設の四つの騒音環境でフィールド試験し、いずれの環境でもクリアな音声通話が可能であることを確認した。国内大手自動車メーカーに試作機を体験してもらったところ、プレス現場のコミュニケーションツールとして検討したいとの高評価を得た。製品化に向けてデザイン設計やバイタル精度の向上、ダウンサイジングを進め、建設業界への売り込みも積極的に行う計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    骨伝導技術や光バイタルセンサーを既存製品に持つ点が書かれ、それを応用した開発という流れは読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    建設業・製造業の需要増加や国内大手自動車メーカーの高評価に触れており外部環境は示されるが、自社の強みと競争優位の関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    騒音下の作業員間コミュニケーションの課題は示されるが、課題の大きさを数字で示す記述はなく、高付加価値化や成長への道筋は弱い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員14名で試作・評価・ハードウェア開発を一貫して行った流れは書かれるが、体制や人材の詳細は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    建設現場や駅ホームなどのターゲットと、フィールド試験の4つの騒音環境での通話確認など、ニーズと製品価値の裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    平成29年度中の販売目標、デザイン・バイタル精度・ダウンサイジングの改善項目、ヘルメット型等への展開計画が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    騒音下でのクリアな通話という用途は示されるが、市場の普及度や高価格化の水準を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    建設・製造現場の作業員間の安全で円滑な連絡という社会的課題の解決に触れるが、雇用や波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    骨伝導技術や音声処理技術の活用はうかがえるが、サプライチェーンや地域全体へのイノベーション波及は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    公共事業や工事の受注増加に触れ、建設・製造業の現場需要という分野はうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

建設業や製造業の現場での需要が高いと見込んでおり、平成29年度中の販売を目標に開発を進める。今後はヘルメット搭載型やトランシーバー(無線通信)タイプの製品開発にも取り組み、製品の多様化と事業展開を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。