ものづくり補助金平成26年度製造業岩手県

鉄道車輪削正加工機に特化したCNCユニットの導入

東洋機械 株式会社

この事例のポイント

  • 外注していた鉄道車両の車輪削正は首都圏の外注先まで車輪を運送会社のトラックで運び込み、削正終了まで社員が待機するため時間的効率が悪く、運送費と外注費がかかっていた。
  • 既存の大型汎用旋盤にNC装置を設置してCNC化を図り、約4カ月を要して車輪削正の内製化を実現した。
  • 既存の大型汎用旋盤をCNC化したことで、外注していた鉄道車両の車輪削正を内製化できた。

事業者のプロフィール

事業者名東洋機械 株式会社
所在地岩手県 矢巾町
業種輸送用機械器具製造業
技術分野機械制御,精密加工,測定計測
従業員数62人
資本金1,152万円
設立1947年

事業の背景

当社は旧国鉄時代から特殊鉄道車両の製造とメンテナンス業務を行い、青森、岩手、宮城、山形、福島、栃木の各県のJR関連会社や地方鉄道会社から受注しており、受注エリアや受注量では国内有数の規模を誇っている。車輪削正は首都圏に外注していたが、2016年の北海道新幹線開業や鉄道の安全強化を求める近年の動向から、メンテナンス業務の受注増加が見込まれている。鉄道メンテナンス業務は景気に左右されず一定の市場を形成すると考えられ、東北地方には車輪削正を行う事業者がいなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算外注していた鉄道車両の車輪削正は首都圏の外注先まで車輪を運送会社のトラックで運び込み、削正終了まで社員が待機するため時間的効率が悪く、運送費と外注費がかかっていた。
  • 生産能力車輪削正の内製化に必要な大型旋盤にCNC装置を装着する必要があり、社内に加工技術がなかった。
  • 人手・技能旋盤の技術は持つものの、NC装置についてはゼロからのスタートで、講師を招いて習得する必要があった。

やったこと

既存の大型汎用旋盤にNC装置を設置してCNC化を図り、約4カ月を要して車輪削正の内製化を実現した。社内で加工条件の最適化とCNC加工情報の蓄積・電子化を行い、直線加工は目標値近くまで加工可能となった。曲線加工はプログラミングの技術を有効活用するまでには至っていない。講師を招いて汎用旋盤の基礎から復習し、NC装置の概要についてメーカーから講習を受けるとともに、東北職業能力開発大学校講師から指導を仰いだ。旋盤取り扱い講習にも参加した。

加工機NC装置
加工機CNC装置(既存の大型汎用旋盤に装着)

事業の効果

既存の大型汎用旋盤をCNC化したことで、外注していた鉄道車両の車輪削正を内製化できた。これにより遠方の外注に頼らず、運送費や外注費の削減が見込まれる。内製化を機に、国内外での特殊鉄道車両のメンテナンス業務の拡大、東北地方の鉄道会社からの受注開始が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    旧国鉄時代からの特殊鉄道車両の製造・メンテナンス実績があり、車輪削正の内製化が事業の延長にあることは読めるが、経営戦略上の明確な位置付けは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    受注エリアは青森・岩手・宮城・山形・福島・栃木、東北に車輪削正事業者がいない点、外注費と運送費の削減課題が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    外注に伴う時間と費用の課題を挙げ、CNC導入で遠方外注を不要にする内製化の方向性が示されている。数値目標は見当たらない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制4

    東北職業能力開発大学校講師からの指導や現代の名工による講習を受け、従業員が旋盤取り扱い講習に参加したと具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は東北の鉄道会社と書かれ、三陸鉄道など今後の受注見込みも示されるが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    課題として座標データ作成、複合R加工の精度、刃物を含む加工手段の確立の3点を挙げ、約4カ月で導入したことも書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    東北地方に車輪削正を行う事業者がいないと書かれ、特殊技術を要する加工を内製化する高付加価値化の方向性がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    東北地方に車輪削正事業者がいない点や、北海道新幹線開業、アジアの高速鉄道敷設に触れ、地域の鉄道インフラ維持への貢献がうかがえる。

  • 費用対効果2

    外注費と運送費の削減が課題とあるが、補助金投入額に対する効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC装置による加工条件の最適化やCNC加工情報の電子化がうかがえるが、先端デジタル技術の地域波及は明示されていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    アジアの高速鉄道敷設や国内外へのメンテナンス展開に触れており、成長分野への進出がうかがえる。

  • 地域経済への波及4

    東北地方で車輪削正を担う事業者がいない中、地域の鉄道会社の受注拡大と雇用につながる内製化が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

三陸鉄道、いわて銀河鉄道、青い森鉄道の特殊鉄道車両のメンテナンス受注が期待される。インドやタイなどアジア諸国の高速鉄道敷設を見据え、車両メーカーと協調して海外のメンテナンス業務も目指す。

事業者の声

若手人材の確保を図りながら東北で事業を拡大していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。