ものづくり補助金平成30年度製造業愛知県

自動車産業の試作開発需要に応える精密加工技術の高度化と生産体制の構築

近藤工業株式会社

成果装置を取り扱える人材は2倍に増えた。

この事例のポイント

  • 受注の伸びに対して生産能力が追いつかず、業務量に対応できる設備が必要になっていた。
  • 平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を利用して、新たに立型5軸マシニングセンター(MC)を1台導入した。
  • 装置を取り扱える人材は2倍に増えた。新たな5軸加工機の導入により生産量と設備稼働率が向上し、生産効率が高まって利益向上につながった。

事業者のプロフィール

事業者名近藤工業株式会社
所在地愛知県 刈谷市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数34人
資本金1,000万円
設立1975年

事業の背景

近藤工業は、エンジン部品など自動車部品の試作や、それに関連する治工具の設計製作を手がける。硬く削りにくい素材を1000分の1mm単位の精度で加工する技術力が強みだった。自動車に求められる軽量化や高耐久性などの性能が高度化する中で、加工難度の高い依頼が増えていた。突出した技術で新規顧客を開拓したい考えもあり、新たな設備導入により新規受注を獲得して事業は順調に拡大していた。従業員の3分の1程度を20代が占めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注の伸びに対して生産能力が追いつかず、業務量に対応できる設備が必要になっていた。
  • 人手・技能若手人材の育成が課題で、若手が高度な技術に触れて難度の高い業務に挑戦できる環境を整える必要があった。

やったこと

平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を利用して、新たに立型5軸マシニングセンター(MC)を1台導入した。導入に当たっては専門チームを新設し、CAD/CAMを手がける部門に若手を配置して装置を扱える人材の教育に取り組んだ。5軸加工機はワークの段取り替えが不要で、長時間加工と無人化が可能になる。従来の立型MCでは工程数の増加が精度悪化の原因となっていたため、この設備で対応した。

加工機立型5軸マシニングセンター(MC)

事業の効果

  • 装置を取り扱える人材は2倍に増えた。
  • 設備の増設により生産量も倍になった。
  • 設備の稼働率は従来に比べ1.8倍になった。
  • コロナ禍の令和2―3年に、ウェブ商談などを活用して1年間で新規顧客数は10社増加した。

新たな5軸加工機の導入により生産量と設備稼働率が向上し、生産効率が高まって利益向上につながった。生産に余力ができたことで若手が挑戦できる機会も増えた。装置を扱える人材も増え、若手の人材育成が進んだ。コロナ禍でもウェブ商談を活用して新規顧客が増え、納期の短縮にも貢献した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    3代目社長の方針で難加工・短納期を進めてきたとあり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    硬く削りにくい素材を1000分の1mm単位で加工する技術力と短納期を強みとし、自動車部品の試作需要に対する優位性が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    生産能力不足と若手育成の課題を認識し、立型5軸MCの導入で対応したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産量が倍、稼働率1.8倍、新規顧客10社増など実績は示されるが、補助事業の目標値としての設定は記載されていない。

  • 事業を進める体制4

    専門チームを新設しCAD/CAM部門に若手を配置、装置を扱える人材が2倍に増えたと体制と人材育成が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度・短納期を強みとし、難加工の試作需要や新規顧客増加、セラミック加工の需要増という顧客ニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    技術の標準化やセラミック加工への挑戦という方針は示されるが、スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    硬度が高く割れやすいセラミックの切削加工に挑戦し、加工できる会社は少ないとあり、高付加価値分野を狙う姿勢が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    自動車の軽量化・高耐久化ニーズや、耐熱性・軽量化による需要増への言及はあるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    稼働率1.8倍、生産量倍増、利益向上と効果は示されるが、補助金投入額との比較となる費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸加工機や無人化によるサプライチェーン全体のイノベーションへの言及はわずかにうかがえる程度である。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    セラミックなど新分野への進出に挑戦する方針が書かれ、構造転換との関連がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    刈谷市の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への貢献は記載されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高度化した技術の標準化に取り組み、加工の段取りやプログラムの作り方などのノウハウを見える化して若手への技術伝承を図る。耐熱性や軽量化ニーズで需要増が期待できるセラミックの加工にも挑戦する方針。

事業者の声

他ができないことを実現して、顧客が求める欠かせない会社になる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。