ものづくり補助金平成26年度製造業宮城県

超音波加工条件の確立による難削材精密部品の内製化と販売拡大

プラスエンジニアリング株式会社

この事例のポイント

  • 取引の中心が電子部品関係に偏っており、スマートフォンの普及で電子部品業界の流れに左右されてしまったため、電子部品以外の分野へ参入する必要があった。
  • 超音波ユニットを取り付けたマシニングセンタを導入し、高精度な難削材の試作加工を行った。
  • 超音波ユニット搭載のマシニングセンタによる試作で、加工効率の大幅な向上を確認した。

事業者のプロフィール

事業者名プラスエンジニアリング株式会社
所在地宮城県 柴田郡村田町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数110人
資本金6,000万円
設立1974年

事業の背景

精密機械の加工部品製造を手掛け、創業以来40年以上にわたり多種多様な高度なニーズに応えてきた。平成28年の実績は取引先が約400社、注文件数が約1万6,000件、製造品目が約1万1,000種類にのぼり、案件は電子部品関係が中心であった。製品素材の高硬度化により、耐摩耗、軽量化、低熱膨張率、非磁性などのニーズが高まり、セラミックなどの脆性材部品が注目されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信取引の中心が電子部品関係に偏っており、スマートフォンの普及で電子部品業界の流れに左右されてしまったため、電子部品以外の分野へ参入する必要があった。
  • 新製品・新技術高硬度化が進む難削材の高精度・微細加工について、加工法別・材質別の加工条件が確立されていなかった。

やったこと

超音波ユニットを取り付けたマシニングセンタを導入し、高精度な難削材の試作加工を行った。ジルコニア、アルミナ、窒化珪素、石英ガラスの4素材を対象に、測定方法、加工条件、ワーク保持などについて一関工業高等専門学校の協力を得てテストを実施した。4種類の被削材それぞれに、高精度座グリ加工、小径深穴加工、小径タップ加工を試み、材料に応じた工具の組み合わせと加工条件を検討した。各材料で目標寸法精度を出すことに成功し、4素材における3つの加工条件を確立した。

加工機超音波ユニット付きマシニングセンタ

新しい製品・サービス:難削材精密部品の高精度・微細加工

事業の効果

超音波ユニット搭載のマシニングセンタによる試作で、加工効率の大幅な向上を確認した。4素材で3つの加工条件を確立し、さらにCFRP、セラミック、ホウ化チタンなど新たな難削材の試作加工でも良好な結果が得られた。難削材の高精度・微細加工により高付加価値化を図り、他社との差別化と新たな産業分野の開拓を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    電子部品向け精密部品加工を40年以上続け、超音波ユニット導入で難削材加工へ広げる一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    取引先約400社、注文約1万6,000件、製造品目約1万1,000種類の実績と、難削材の高精度・微細加工で他社と差別化する方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    電子部品依存のリスクを課題として挙げ、ジルコニア等4素材の加工条件確立とソリューション営業による新分野開拓という対応が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工効率の大幅な向上を確認したとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    工程ごとのスペシャリスト育成、ショップ制、一関工業高等専門学校との協力によるテスト実施など、体制の具体が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高精度・微細加工や耐摩耗・軽量化などのニーズは書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    4素材の加工条件確立、試作から将来の事業化へ向けたデータ蓄積という段階は書かれているが、スケジュールや課題解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    難削材の高精度・微細加工は競合が減るとされ、同分野で高水準の差別化を図る方針が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    電子部品業界以外の新たな産業分野を開拓する方針は書かれているが、波及効果や雇用創出の記述は見当たらない。

  • 費用対効果2

    ものづくり補助金で超音波ユニット付きマシニングセンタを導入したとあるが、投入額に対する効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    超音波ユニット付きマシニングセンタ導入と、小ロット専用の生産管理システムによるデータ連携が書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車や医療など成長分野への進出は示唆されるが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    宮城県の事業者であることは分かるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への貢献は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

将来の事業化に向けて難削材加工のためのデータ蓄積を進めており、小径で深く穴を開ける加工と、その穴の精度を高めることを追求している。

事業者の声

「現在は、将来の事業化に向けて難削材加工のためのデータ蓄積を行っています。いかに小径で、なおかつ深く穴を開けることができるか。さらにその穴の精度をどれだけ高められるかを追求しています」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。