ものづくり補助金平成26年度製造業秋田県

工程数の多い特殊な商品を強化し、全国No1企業に!

株式会社弘商

成果事業取組み時に比べて30〜40%程度上昇

この事例のポイント

  • パリコレ出品などの特殊商品の製作依頼が増えていたが、製作に高い技術力と時間が必要で、50着未満の小ロット発注も多く採算面で対応が難しかった。
  • 縫製の前工程であるポケットや特殊パーツの製作に絞って設備を導入した。
  • 事業取組み時に比べて30〜40%程度上昇。設備導入により生産数量の増加に対応できるようになり、2016年の受注枚数は前年比4%程度増加した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社弘商
所在地秋田県 由利本荘市
業種繊維工業
技術分野製造環境
従業員数55人
資本金2,600万円
設立1968年

事業の背景

株式会社弘商は、ポールスミス、ダーバン、パパス等の一流ブランド品を中心に、コート、ジャケット、ブルゾン等のメンズカジュアルのアウター全般を主体に製造している。各ブランドのシーズンテーマとなる特殊商品(雑誌・カタログ掲載品、百貨店別注品、店頭ディスプレイ用等)の製作依頼が増加していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力パリコレ出品などの特殊商品の製作依頼が増えていたが、製作に高い技術力と時間が必要で、50着未満の小ロット発注も多く採算面で対応が難しかった。
  • 新製品・新技術特殊商品の分野に積極的に取り組めず、他社や海外との差別化や取引先からの評価向上が進まなかった。

やったこと

縫製の前工程であるポケットや特殊パーツの製作に絞って設備を導入した。導入したのは本縫自動玉縁縫機(斜め・フラップ仕様)である。導入設備により前工程の作業効率が飛躍的に向上し、ノウハウや人材育成に充てる時間が生まれた。型見本からサンプル製作を重ね、デザイナーとの打合せで、デザイン性を保ったまま綺麗で丈夫な仕上がりにするための逆提案を当社から行う体制を強化した。

  • 加工機本縫自動玉縁縫機斜め・フラップ仕様

事業の効果

  • 事業取組み時に比べて30〜40%程度上昇
  • 2016年は前年比4%程度の増加

設備導入により生産数量の増加に対応できるようになり、2016年の受注枚数は前年比4%程度増加した。直近の受注枚数は人口減少等の影響で減少傾向にあるものの、1着あたりの平均受注単価は事業取組み時に比べ30〜40%程度上昇し、利益率は大きく向上している。前工程の効率化により、ノウハウや人材育成に充てる時間も生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ブランド品中心のアウター製造から特殊商品分野へ強化する取組で、過去の事業との連続性がうかがえるが、経営戦略上の位置付けは文中で明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特殊商品の小ロット発注が多く採算面で難しいという市場状況を踏まえ、差別化と特異性の打ち出しを狙う方針が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    特殊商品の受注強化を課題解決策とし、1着あたり受注単価が30〜40%上昇し利益率が大きく向上したと事業成果が書かれている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    受注単価の30〜40%上昇という数値が示され、付加価値向上の実績はあるが、今後の目標値は明示されていない。

  • 事業を進める体制3

    熟練者や技能実習生を含む生産体制の模索が書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    デザイン性の高いポケットや特殊パーツに絞るという対象明確化と、ブランドからの特殊商品製作依頼の増加というニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    型見本から本番までの工程と提案の流れは書かれているが、中長期の遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    特殊商品は採算面で取り組みが難しい分野とされ、高付加価値化・高価格化を図る取組として書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    国が補助する積極的な理由として、雇用や地域への波及効果が書かれているわけではなく、わずかに技能継承の課題がうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    受注単価と利益率の向上は読み取れるが、補助金額に対する費用対効果を示す具体的な数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    由利本荘市の地域企業として技能者の確保や伝承に取り組む点は読めるが、地域経済の牽引効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

機械に頼れる部分は機械化を進め、付加価値の高い製品づくりを続けていく。熟練者、若者、子育て世代、技能実習生のバランスの最適化が図られる生産体制を模索している。

事業者の声

当社の受注品はデータや型紙が提供され、その通り縫製すればいいという洋服とは違う。質が異なる生地同士を縫い合わせたり、人間が着たときにシルエットが綺麗に見えるよう丸く縫い合わせたりするなど、機械化できない技術にかなりこだわりがある。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。