ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

根域水温制御方式水耕栽培の運用コストを削減する制御システムの提供

凌和電子株式会社

この事例のポイント

  • 農業分野では栽培にかかるエネルギーコストの削減が強く求められていた。
  • 工場内外の温度、湿度、日射量、風速、電力消費量、制御状態等の情報をWebで送れるようにシステムを改良した。
  • 山形工場の既設実験棟ハウス2棟で葉物野菜の生育を行い、水温の段階的切替とハウス保温対策を行って電力使用量を比較した結果、エネルギーコスト削減のための改良点、方法、制御条件を見つけ…

事業者のプロフィール

事業者名凌和電子株式会社
所在地山形県 仙台市
業種電気機械器具製造業
従業員数130人
資本金7,000万円
設立1972年

事業の背景

当社はFA分野や測定器分野で装置および測定器の受注生産を行っている。2011年の東日本大震災の津波による塩害で野菜を栽培できなくなった農地の復興を目的に、太陽光利用型水耕栽培植物工場の栽培システム制御とハウス制御を栽培システムメーカーから依頼されたことが農業分野進出の始まりである。農業関係者からは栽培エネルギーコストの削減と遠隔監視機能が切望されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算農業分野では栽培にかかるエネルギーコストの削減が強く求められていた。
  • 生産能力遠隔地から工場の状況を監視できる機能の実現が求められていた。
  • 新製品・新技術エネルギーコストを下げる方法がまだ分かっておらず、条件を変えた比較栽培による検証が必要であった。

やったこと

工場内外の温度、湿度、日射量、風速、電力消費量、制御状態等の情報をWebで送れるようにシステムを改良した。新たにWebアプリケーションを設計し、スマートフォンやタブレット等から遠隔監視できるようにした。工場内の温湿度センサー、窓・カーテンなどの制御対象を無線で接続し、施工コストの削減をめざした。既設の実験棟ハウスを使い、ユーザーの栽培環境に近い条件でシステムを動かして動作検証とフィールドテストを行い、条件を変えた比較栽培でエネルギーコスト削減方法を見出した。

ソフト根域水温制御システム
ソフト遠隔監視用Webアプリケーション
その他無線接続の温湿度センサー・窓・カーテン制御機器

新しい製品・サービス:根域水温制御方式水耕栽培の運用コストを削減する制御システム

事業の効果

山形工場の既設実験棟ハウス2棟で葉物野菜の生育を行い、水温の段階的切替とハウス保温対策を行って電力使用量を比較した結果、エネルギーコスト削減のための改良点、方法、制御条件を見つけ出すことができた。Webによるスマートフォン、タブレット、パソコンからの遠隔監視制御にも成功し、システムの完成度を高めることができた。水耕栽培は害虫が付きにくく農薬をほとんど使用しないため、安全で安心な野菜を生産できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    農業分野への進出は東日本大震災の塩害農地復興を契機としたと書かれるが、既存事業との一貫性や経営戦略上の位置付けは記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    農業関係者から栽培エネルギーコスト削減と遠隔監視を切望されたとあるが、市場規模や自社の強み・競争優位性の記述は見当たらない。

  • 課題の認識と解決3

    農業法人のエネルギーコスト削減という課題認識と、遠隔監視システムのカタログ化・販売による顧客獲得の方向性は読み取れるが、事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員130名、フィールドテストを既設実験棟で実施したとあり体制の一端はうかがえるが、補助事業遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    農薬をほとんど使わず安全な野菜を作れる点や遠隔管理が示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは一部にとどまる。

  • 事業化までの道筋3

    実験棟での比較栽培、制御条件の検討、展示会での販路開拓など遂行の流れは示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    水耕栽培の制御システムで、遠隔監視やエネルギー削減を組み合わせた点は示されるが、高価格化や普及度の数値的根拠は乏しい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    塩害農地の復興や、栽培コストに苦しむ植物工場への支援という社会的意義はうかがえるが、経済波及効果の定量記述はない。

  • 費用対効果2

    エネルギーコスト削減の方法を実験で見出したとあるが、削減率や付加価値増加額など費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    スマートフォン・タブレットによる遠隔監視と無線接続による施工コスト削減は、デジタル活用の一端として読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    植物工場の農業分野への進出という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及3

    東北の塩害農地での農業復興に資する点が示され、地域性は読み取れるが、雇用創出や地域成長の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

実験から得たエネルギーコスト削減データをもとに栽培モデルを構築し、遠隔監視を含む新システムをカタログ化して販売し、顧客獲得をめざす。対象は東北の塩害農地で農業復興を進める農業法人や太陽光利用型水耕栽培の農業法人など。展示会等で新規販路の開拓も行う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。