ものづくり補助金平成24年度長崎県

ハウス栽培ソフト及びそれを活用した省エネルギー型農業施設の試作開発

宮本電機株式会社

この事例のポイント

  • 既設の温度制御機器は個々のセンサーやタイマーで制御されており、その精度や誤差によって栽培者の想定外の動きをし、正確な温度制御ができていなかった。
  • 既設の重油ボイラーの代替および補助として暖房補助装置を購入し、メーカー指導のもとで据付け・試運転調整を行った。
  • システムで全機器を一元管理・複合制御することで、個々のセンサーやタイマーの誤差などの課題を解決できた。

事業者のプロフィール

事業者名宮本電機株式会社
所在地長崎県 佐世保市
業種電気機械器具製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数50人
設立1979年

事業の背景

東日本大震災によるエネルギー問題が生じており、高齢化に伴って農業への就労人口が不足しているという社会背景がある。これらの問題を解決し、若年層や異業種からの農業への参入を促進することが求められている。本事業は、専門知識を必要としない省エネルギー型のハウス栽培システムを試作開発し、社会に貢献することを目的とする。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既設の温度制御機器は個々のセンサーやタイマーで制御されており、その精度や誤差によって栽培者の想定外の動きをし、正確な温度制御ができていなかった。
  • コスト・採算加温の必要がないときもボイラー等が稼働するなど無駄なエネルギーを消費しており、燃料費がかさんでいた。
  • 人手・技能高度な作業教育を受けた栽培者でなければ既設の制御機器の操作・管理が難しかった。

やったこと

既設の重油ボイラーの代替および補助として暖房補助装置を購入し、メーカー指導のもとで据付け・試運転調整を行った。既設の温度等制御機器の仕様と現状を調査し、個々のセンサー等の精度や誤差により無駄なエネルギーを消費している問題を確認した。上記機器類を一元管理・複合制御するハウス栽培システム制御盤と、その内部に組み込む制御基板および暖房補助装置の制御盤のハード設計・製作を行った。PLCとタッチパネルのソフトウェアを設計・調整し、気象データに基づき年間を通じて連動運転を自動で行うハウス栽培システム用ソフトウェアを設計・調整した。システム全体の総合試験で自動運転と連動運転を確認し、設定どおりに作動することを確かめた。

  • その他暖房補助装置ハウス栽培システム制御盤PLCプログラマブルコントローラーTPタッチパネル
  • ソフトハウス栽培システム用ソフトウェア

新しい製品・サービス:省エネルギー型のハウス栽培システム(ハウス栽培システム用ソフトを含む)

事業の効果

システムで全機器を一元管理・複合制御することで、個々のセンサーやタイマーの誤差などの課題を解決できた。制御PCやタッチパネル画面で操作・設定・監視ができるため、高度な教育を受けていない栽培者でも簡単に扱える。ハウス内温度の均一化と日照による焼け・枯れ防止の制御も加わり、完成度の高いシステムとなった。ハウス内温度は最高でも設定温度の27℃付近を安定して保ち、0時から9時頃の気温が低下する時間帯も暖房補助装置を無駄なく効率よく制御できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決既設機器の誤差による無駄なエネルギー消費という課題を示し、制御一元化で解決する方針が明確に書かれている。
  • 4
    事業化までの道筋今後2シーズンの実証試験や遠隔監視の追加開発を時期つきで計画し、課題解決の順序が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性既設制御機器の問題点は述べられるが、これまでの事業との一貫性や経営戦略上の位置づけは書かれていない。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性2

    既設制御機器の問題点は述べられるが、これまでの事業との一貫性や経営戦略上の位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    農業参入者や既設ハウス所有者という市場は示されるが、競争優位性や自社の強み・弱みへの言及はない。

  • 課題の認識と解決4

    既設機器の誤差による無駄なエネルギー消費という課題を示し、制御一元化で解決する方針が明確に書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    燃料費低減が目的とされるが、付加価値額や賃上げの目標値は数値で示されていない。

  • 事業を進める体制3

    メーカー指導の下で据付・試運転を行ったと記載があり、体制は一部読み取れるが人材や事務体制は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    誰でも操作できる点や市場の想定は書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由は整理されていない。

  • 事業化までの道筋4

    今後2シーズンの実証試験や遠隔監視の追加開発を時期つきで計画し、課題解決の順序が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    省エネ型ハウス栽培制御は普及度が低い分野と読めるが、高付加価値化や高価格化の根拠は書かれていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    東日本大震災によるエネルギー問題や農業就労人口不足という社会背景は示されるが、波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    燃料費の低減が目的とされるが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    制御一元化とタッチパネル・PC操作による省力化は読み取れるが、デジタル技術によるイノベーションの広がりは具体的でない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    若年層や異業種からの農業参入促進がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    長崎県佐世保市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出は書かれていない。

今後の展望

連動運転による年間を通した栽培試験はまだ行っていないため、少なくとも2シーズンの実証試験を行い、ソフトを含め完成度の高いシステムに仕上げたい。今後は遠隔での操作・監視が求められるため、その対応の追加開発を行い、実証試験の2シーズン目から試験する計画である。市場としては既設ハウスの改造と新規参入者の新規建設を想定し、市場規模を調査してから販売価格を設定し、営業活動を強化して販売につなげたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。